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クローズUP

共同企業体52社が警備2016.12.1

北海道日本ハムのVパレード

プロ野球日本一に輝いた北海道日本ハムファイターズの優勝パレードが11月20日、札幌市の中心部で行われた。

チュウケイ(札幌市、堂前功社長)が幹事会社を務める「北海道日本ハムファイターズ優勝パレード警備共同企業体」の52社が、756人を動員して円滑に警備を行った。同パレード実行委員会(委員長・秋元克広札幌市長)の要請を受けた北海道警備業協会(堤日出男会長)が、「イベント警備などの実施に関する支援・協力特別委員会」(委員長・清水拓也協会副会長=華蓮警備保障)を開き、共同企業体(JV)の設立に関する協議を行った。

同委員会は平成26年に発足し、昨年8月に洞爺湖で開催されたトライアスロンの大会「アイアンマン・ジャパン北海道」の警備におけるJV設立などに携わっている。

日本ハムがリーグ優勝した平成24年のパレードも、JVが警備を行った。今回の警備料金は、適正料金に関して一層の理解を得たことで前回よりも上昇した。

沿道には13万8000人(主催者発表)が詰めかけた。

鳥インフル、防疫に協力2016.12.1

青森警協 消毒地点で警備員が車両誘導

青森県(三村申吾知事)は11月29日午後、県内での高病原性鳥インフルエンザの発生を受け、青森県警備業協会(柿崎忠雄会長)に防疫措置への協力を正式要請した。

要請は、家畜伝染病のまん延防止対策の一環として、平成25年10月に県と青森警協との間で締結された「家畜伝染病発生時などにおける交通誘導警備業務」協定に基づくもの。

要請に基づき青森警協は、県内5か所に設けられた「消毒ポイント」での関係車両の交通誘導警備に着手した。期間は、29日夜から3週間だが、鳥インフルエンザの終息状況によって前後する可能性もある。

消毒ポイントは、鳥インフルエンザの発生が確認された青森市大字四戸橋字磯部の農場出入り口と、発生農場を中心として半径3キロメートル以内の「移動制限区域」にある国道280号バイパスの路側帯など2か所、農場を中心に10キロメートル以内の「搬出制限区域」にあるグランドなどの計5か所。

各消毒ポイントには警備員2~3人が配置され、畜産関係車両などに対して24時間体制で行われる消毒を支援する。29日の午後9時からは、青森綜合警備保障(柿﨑忠雄代表取締役社長)の警備員が、消毒ポイントでの交通誘導警備に従事。そのほかの消毒ポイントでも、12月2日からトスネット北東北(土岐保信代表取締役)、三沢警備保障(佐々木仁代表取締役)が車両誘導を行うなど、青森警協加盟社の体制が整い次第、順次、業務に当たる予定だ。

同県では11月28日午前、食用アヒル約1万6500羽を飼育していた農場からの通報を受け、家畜保健衛生所がインフルエンザの簡易検査と遺伝子検査を実施。陽性反応が出たために、国が同日午後9時過ぎに高病原性インフルエンザと判定した。これを受け県は、発生農場の消毒を行うとともに、県職員234人がアヒルの殺処分を開始した。

特集ワイド 特殊詐欺 声掛けで防ぐ2016.12.1

警察庁の発表によると、特殊詐欺による被害は、今年も高水準で推移している。9月末時点で認知件数は9420件。主に高齢者の資産を標的とした悪質な犯罪は現在、どのような傾向にあるのか。また警備業が貢献できる未然防止策は何か。事例紹介を交えて考察する。

特殊詐欺の認知件数をみると今年上半期では6443件で前年同期比8.1%減だったが、7月以降に大都市圏を中心に被害が多発し、9月末時点では9420件で同1.0%増に転じた。

特殊詐欺の中で今、全国的に被害が多い手口は「還付金詐欺」(別項参照)で、9月末時点で認知件数2670件(前年同期比59.8%増)、被害額約31億5296万円(同77.3%増)と大幅に増加している。

「オレオレ詐欺」は認知件数3773件(1.9%減)、被害額122億4931万円(3.9%減)と減少したものの、特殊詐欺全体の41.2%を占め、手口別で最も被害が多い。

警備業が防止に貢献

警視庁の発表によると、東京都内の特殊詐欺被害状況は、9月末時点で認知件数1393件(前年同期比2.8%減)、被害額は43億3440万円(16.9%減)だ。増加しているのは「オレオレ詐欺」で認知件数で6.0%、被害額は14.2%前年より多くなっている。

ALSOK(東京都港区、青山幸恭社長=全警協会長)城南支社雪谷営業所・菊池洋平隊長は10月7日、大田区のATMを電話をしながら操作していた78歳の男性を不審に思い、声を掛けるとともに警察に通報。還付金詐欺被害を未然に防止した。同支社と菊池隊長は11月22日、警視庁田園調布警察署・近藤潔署長から感謝状を贈呈された。

近藤署長は「親を特殊詐欺から守るために、自分が犯人になりすまし電話をかけてみることを当署では実践している。皆さんにも勧めたい」と提案した。

岩手と青森で被害急増

東北地方の特殊詐欺被害は増加傾向にある。岩手県内の今年の特殊詐欺の認知件数は、10月末時点で83件(前年比33.9%増)となった。ATMでの被害のほかに、息子などを装って東京へ呼び出し現金をだましとる「上京型詐欺」が、県内で10月に5件発生している。

岩手県警備業協会(阿部正喜会長)は11月1日・警備の日に、会長含む役員と青年部会員など25人が盛岡駅前に立ち、利用客に広報用チラシを手渡して声掛けし、特殊詐欺の被害に遭いやすい高齢者へ注意喚起を呼び掛けた。

阿部会長は「全国で特殊詐欺が減少している中で、当県がターゲットになっている。金融機関ではなくショッピングセンターなど商業施設のATMで被害が多い。お年寄りが携帯電話を使って操作をしているときは、『大丈夫ですか』という声掛けが必要」と話す。

青森県も被害が多く、今年上半期の特殊詐欺被害は認知件数は30件(前年同期比14.3%減)だが被害額は1億2482万円(同82.5%増)と急増しており、傾向としては「架空請求詐欺」が増えている。

青森綜合警備保障(青森市、柿崎忠雄社長=青森警協会長)は9月20日、弘前市内のスーパーにあるATMコーナーで保守立ち会い業務中に、携帯電話をかけながら入店してきた高齢者に声を掛けて被害を防ぎ、弘前警察署から同社弘前支社と警備員1人が感謝状を授与された。

同社は8月10日にも十和田市内のスーパーにあるATMで被害を未然に防ぎ、十和田警察署から感謝状を贈呈されている。