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クローズUP

松田氏の叙勲を祝う2017.3.1

大阪警協で初受章

昨秋、全国の警備業界では19人目、大阪府警備業協会では初の叙勲受章者となった日本警備通信の代表取締役で前大阪府警協会長、松田敦嗣氏(70)の「旭日小綬章・受章記念祝賀会」が2月17日、大阪市内のホテルで開かれた。同氏の幅広い分野での活躍と人脈を示すように、府内外の各界から250人を超える人たちがお祝いに駆け付けた。

松田氏は、40歳代で父君(松田林氏)が創業(昭和47年)した自社を引き継ぎ発展させた。府警協会長、近畿地区連会長、全警協副会長として業界の社会的ステータスの向上に貢献した。とりわけ、平成17年に全国に先駆けて〈11・1、警備の日〉の制定に尽力、昨秋の全警協による〈初の全国大会〉の開催につながった。また、「大阪府安全な街づくり巡回街頭キャンペーン」、府警察本部の協力を得て「暴力団等反社会的勢力」の排除運動、講習講師合同研修会を開催して警備教育事業の推進にリーダーシップを発揮した。

来賓挨拶のトップで登壇した全警協の青山幸恭会長は「いち早く〈警備の日〉を作られ、警備業を世に知らしめる契機となりました」と先見の明に感謝の意を伝え、次のように述べた。

「警備業界は様々な課題を抱えています。今後も私ども後輩をご指導していただき、お知恵をお借りしながら難局を乗り越えたい」。

大阪府選出の衆院議員で、「警議連」の竹本直一会長は、松田氏の叙勲受章に祝意を述べた後、「警備業は大変な人手不足です。業界は信頼できる社員が集まってこそ、みんなが望む職種に成長できるのです。今回の叙勲は、警備業の存在をアップするベースになるでしょう」と、同氏の更なる活躍と業界の発展に期待の言葉を贈った。

松田氏は謝辞の中で、勲章伝達式に続く皇居・豊明殿であった天皇陛下に拝謁した感激を報告した。「陛下は神々しいお姿と笑顔で“国家、社会、人々のためにこれからもお力添え下さい”とお声をかけて下さいました。私たちの業界にピッタリのお言葉でした。しっかりと心に刻み、生活安全産業の役割を果たしてまいりたい」と述べた。

東洋テックが実技大会2016.3.1

スキルアップで相乗効果

東洋テック(大阪市浪速区、田中卓社長)は、2月14日と18日の両日、社員の更なる技能向上と高度なサービスの提供に向けて「東洋テックグループ業務実技大会」を開催した。第4回大会となった今年は、機械警備、施設警備、貴重品運搬警備、監視センター、ビル設備、定期清掃、日常清掃、コールセンター(電話対応)の8部門に86人が出場。業務ごとに状況を設定し、技量を競った。

同大会は(1)品質の向上(2)現場の評価基準を明確化しサービスの均質化を図る(3)従業員の士気高揚――の3つを目標に掲げる。

田中社長は開会挨拶で、質の向上と顧客評価の“相乗効果”について次のように述べた。

「高品質のサービスを提供することで顧客の満足度を高め、評価も高める“良いサイクル”を今後も強化していきたい。本大会はグループ全体のスキルアップのために重要な機会と位置付けています」。

同社は平成27年4月から「スキル認定制度」を導入。これは勤続年数などの年功序列にとらわれることなく、本人の実力を多角的に評価して給与体系に反映するもので、社員全体のモチベーションアップにつながっている。 

特集ワイド 今こそ勤怠管理2016.3.1

業界の社会的地位を上げ人材確保と定着を図るためには、賃金や勤務時間など基本的な労働条件を整備する「魅力的な職場づくり」が必要だ。警備業では今、警備員の労働時間を適正に把握し業務の効率化を図るため、勤怠管理ソフトを導入する会社が増えている。販売が好調な製品の特長と事例を紹介する。

「ブラック企業」と呼ばれる一部企業の劣悪な労働環境が引き起こす痛ましい事件が社会問題になっている。警備業においても、過重な長時間労働や割増し賃金の未払いなどの問題が生じないよう、コンプライアンスの遵守が一層求められる。

生活安全産業として社会に認知されている警備業だが、一部の経営者による労務管理への認識・理解不足は、業界が社会的地位を確立できない要因のひとつだ。求職者から見て働きやすい職場として選ばれていないことが、人材確保の難しさにもつながる。

退職した従業員が、労働基準監督署で労働条件などの申告をするケースも多いという。話に信憑性があれば、労基署の立ち入り調査や指導が行われ、その頻度は今後全国で一層増すとみられている。

今こそ警備員の労働時間を適正に把握し、勤怠管理の推進を図る取り組みが必要。そのためには警備業に合ったソフトの導入が効果的だ。

KYODOU(東京都新宿区、澤橋秀行社長)は警備業向けシフト&勤怠システム「シフトマックス」を、これまで多くの警備会社に導入してきた。人気の理由は、このソフトが警備業の煩雑な勤務体系によく対応しているからだ。

警備員のシフト作成と管理、出退勤(上・下番)管理、勤怠状況や履歴の照会などを集計・管理できる。

携帯電話やスマートフォンのボタンプッシュにより、出退勤の報告を自動受付する機能も備えている。指定の電話番号に発信し音声ガイダンスに従ってボタンを押す。警備員からの出勤・退勤・定時報告は、音声による通話ではなく自動的にデータベースに反映される。

管制の担当者は決まった時間に集中的にかかる電話対応に追われることなく、パソコンのモニターで隊員の動向をチェックするだけで済む。操作ログはリアルタイムに一元管理されているため、万が一警備員から「操作ミスで受け付けされなかった」と言われても、理由が確認できる。

一般事務に広く普及している表計算ソフト「エクセル」をユーザーインターフェイスにしていることも人気の理由だ。担当者は操作について新たに学習する内容が少なく済み、スムーズに移行できる。エクセルなのでコピー&ペーストにも対応し、繰り返し作業の負担を軽減させる。不必要なセルの削除やカラー変更など、毎日業務を行う担当者が手軽にカスタマイズできる。

データは、ユーザーごとに環境を構築したクラウドで保管・管理されるため大量データでも問題なく、最新データのダウンロードによりエクセルは自動的に最新の状態に入れ換わる。

パソコンでパスワードを入力すれば、いつどこでも警備員の動向を確認可能だ。データは堅牢な耐震構造を採用した「NTTコミュニケーションデータセンター」に保管され、自社で個人情報などセキュリティー管理する必要がない。