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クローズUP

総会始まる2017.5.21

鹿児島警協/新潟警協/神奈川警協湘南支部/渋谷警備業連絡協議会

社会保険加入推進、残業時間の上限規制や同一労働同一賃金などをはじめとする働き方改革。これら課題に対し、都道府県警備業協会はどのように対応していくのだろうか――。

春の叙勲 皇居で陛下に拝謁2017.5.21

松本、幾田両氏に伝達

平成29年春の叙勲で旭日双光章を受章した松本圭一氏(70、愛知県警備業協会会長)と幾田弘文氏(70、岐阜県警備業協会会長)の両氏は5月10日、都内で行われた「叙勲伝達式」に出席した。

国家公安委員会・松本純委員長から「勲記・勲章」を伝達された松本、幾田の両氏をはじめとする受章者は、皇居に移動し天皇陛下に拝謁した。

松本会長の話

陛下がお出ましになって一瞬息をのみ、感動に包まれました。叙勲の重みを改めて実感する貴重な経験をさせていただきました。今後も微力ながら警備業のために尽力してまいります。

幾田会長の話

宮中で陛下への拝謁に際して、感激とともに身が引き締まり、これから一層、警備業界発展のため力を尽くしていきたいと強く感じました。

特集ワイド 効率化で人件費削減2017.5.21

現場への直行直帰が多い警備業では、上番・下番・定時報告の電話連絡が同時間帯に集中し、管制スタッフは対応に追われる。そこで富士防災警備(東京都新宿区、鶴賀孝宏社長)は、勤怠管理システムの導入を決断した。その経緯と導入後の効果について聞いた。

富士防災警備は、北は北海道から南は福岡まで全国に17の事業所・営業所など拠点を持ち、24時間体制の常駐警備や機械警備、貴重品運搬警備などの警備業務を行っている。

かつて同社の管制室では、24時間・365日体制で各現場に配置された隊員からの上番・下番・定時報告を電話で受けていた。しかし同じ時間帯に連絡が集中し、管制スタッフにとってかなり大きな負荷となっていた。

吉原直樹・人材開発部長(=総務部担当部長)は、当時の状況について次のように話す。

「私は以前、警備事業部長に就いていて、傘下の常駐管制室では管制スタッフ3人が全警備員の出退勤を管理していました。やがて人的な対応に限界が来たことから、勤怠管理システムの導入を検討することにしました」。

数あるシステムの中からKYODOUの「シフトマックス」に決めた理由については、「部下である管制室長に調査を指示したところ、シフトマックスは警備業特有の複雑な業務に対応できるよう機能が特化している。ユーザーの好みや使い勝手に合わせて仕様変更などカスタマイズでき、導入後のサポートもしっかりしているということで、決めました。通常の勤怠管理ソフトでは警備の現場は日によって場所・時間が異なること、出退勤の連絡方法がまちまちであることから、対応し切れないことが判明しました」と説明する。

シフトマックスによる通話打刻は固定電話以外にスマートフォンや携帯電話、タブレットにも対応する。使い方は指定の電話番号に発信し、音声ガイダンスに従ってボタンをプッシュするシンプルな操作だ。通話打刻はクラウドで管理され、管制員はクラウドからデータを取り込むことによりリアルタイムに隊員の打刻状況を確認できる。

同社は、平成25年10月にシステムを導入。高齢の隊員などは当初、モバイル操作による通話打刻に戸惑いもあったという。しかし毎日行ううちに、問題なく使用できるようになった。

またシフトマックスは、操作画面に管制員が扱い慣れた「エクセル」を採用しているため、システムへの移行が比較的スムーズにできた。導入直後は、前月までに行う予定データの入力に時間がかかったが、慣れてからは時間が短縮された。

報告の自動化に成功したあと同社が取り組んだのは、基幹の給与システムとのリンクだ。1200人もの従業員が勤務しているため、人の手で管理するには限界が来ていたことから、KYODOUのサポートを受けて基幹システムとシフトマックスの連携による集計の自動化を図った。吉原部長は「KYODOUさんには細かい部分に至るまで、質問したり作業をお願いして、かなり無理を言わせていただきました」とサポート体制に感謝している。

情報共有し一元管理

シフトマックスを導入したことのメリットについて、吉原部長は次のように話す。

「なんといっても、作業の効率化による人件費の削減が大きい。管制員が行っていた電話報告の対応業務や手作業による報告書作成に割いていた時間を、ほかの業務に充てられます。管制室の責任者は現在、事業所長代理としてより広く警備の現場を管理しています。管制業務の作業量は3分の1以下になり、専任スタッフはゼロとなりました。苦労していたのは膨大なデータの管理を管制スタッフが手作業でやっていたことです。今は自動的に集計できることに加え、事業所・本社など情報のやりとりなどを皆で情報共有でき、本社では全体の一元管理が可能になりました」。

“働き方の改善”に向けても効果があったようだ。

「警備業務の労働時間はいろいろな勤務形態があり、複雑です。日勤・夜勤・24時間の3パターンが基本で、さらに仮眠がある夜勤・仮眠がない夜勤があり、休憩の取り方も微妙に違って細分化されます。通常の勤怠管理ソフトでは『何時から何時までの作業』という記録しか残せませんが、シフトマックスは警備業に特化していることから『作業時間と教育時間の区分け』ができ、内容の“見える化”が可能。今後は警備業界でも労働時間の管理が更に重要視されていくことから、営業所・事業所への作業の是正指導ができます」と語る。

同社は毎年1月に、全社をあげて大掛かりな震災訓練を行っている。現在、社員の安否確認は電話やメールによる集約管理という方法をとっているが、将来に向けてシステム開発を進めている。今後のプランとして、吉原部長はこの安否確認システムについても、シフトマックスを活用することを模索しているという。