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適正取引の推進支援2018.4.11

全警協「自主行動計画」を策定

全国警備業協会(青山幸恭会長)は3月29日、「警備業における適正取引推進に向けた自主行動計画」を策定した。全警協は今後、警備業における中小企業・小規模事業者の取引適正化の推進に向けた行動のあり方が示された同計画の周知を図り、各社の経営基盤強化を支援する。

自主行動計画は、警備業が適正取引を行う上で問題となる事例を示し、それに該当する下請法などの法令を参考に挙げながら、不当な行為を防ぐために警備会社が取り組むべき方策を紹介している。具体的には警備業の取引で起こりうる「書面不交付」や「買いたたき」など不適正な7類型を取り上げ、警備会社の立場が幹事会社として再委託する「発注者」の場合、他業種からの「受注者」の場合に分けて、取引適正化に向けて取り組むべき事項を記載。また、適正取引以外の取り組み事項として、料金決定方法の適正化、人材確保・育成、長時間労働の是正、顧客満足度の向上についても記載した。

3月29日の「理事会」で承認を得た全警協は4月3日、自主行動計画書を都道府県警備業協会に送付。今後、同協会ホームページで公開するほか、自主行動計画の概略を記載した「適正化取引推進のためのリーフレット(仮称)」を作成して周知を図る。

政府は2015年、中小・小規模事業者が賃上げを行いやすい環境を作る観点から、「下請等中小企業の取引条件改善に関する関係府省等連絡会議」を官邸に設置。その下に設置された「取引条件改善に関するワーキンググループ」には警察庁生活安全局長が参加、警備業に関係する取り組みを進めてきた。

同生活安全局長は2017年、全警協に「警備業における適正取引推進に向けた自主行動計画」の作成を要請。全警協はこれに対応するため作業部会を設置し、6回にわたって検討会を開いて、内容を協議してきた。

特集ワイド2018.4.11

新卒警備員の入社式

新年度が始まり、各社で新卒警備員の入社式が行われた。空前の売り手市場といわれ新卒者の獲得競争が激化する中、昨年以上に多くの人材を確保した会社もあった。各社の入社式の様子と経営トップの訓示、新卒社員の確保に成功している会社の取り組みを紹介する。

皆のため社会のため    KSP・EAST

【3月29日、北海道千歳市】

KSP・EAST(さいたま市、五十嵐久男社長)札幌支社は、同支社で入社式を行った。新卒者32人(うち女性8人)が参加した。五十嵐社長は、入社式の訓示で「『公なれば明なり』を仕事を行う上での判断基準にしてほしい。常に皆のため、社会のためになるよう判断すれば誤りはない。ビッグカンパニーではなくグッドカンパニーを目指そう」と呼び掛けた。

同支社は道内就職希望者に向けた企業説明会、就職面接会に積極的に参加し、空港保安警備業務の重要性と魅力をアピール。“安全を守ることのやりがい”を訴え、昨年の約3倍の人数の新卒者を迎えた。

〝得〟ではなく〝徳〟を    JSS

【4月2日、東京都台東区】

JSS(倭文浩樹社長)は、本社で入社式を行った。新入社員は専門学校・高校の新規学卒者3人(うち女性1人)。3人ともインターネット経由の応募だった。同社は、求職中の若者を自社に振り向かせるPRとしてフェイスブック、ツイッターなどSNSを活用。今回の入社式の写真も即日、SNSで公開している。

倭文社長は、辞令とともに直筆の色紙「先義後利」(道義を優先すれば利益はついてくるの意)、「損して徳取れ」(利益の“得”ではなく、徳を積むことが大切の意)を新入社員それぞれに手渡した。

「まずは社会人としての義務を果たし研修で技能を身につけた上で、他の人の模範となる警備を目指すことが大切だ。また、皆さんは来年、新人に指導する立場になる。徳を積むことで、後輩に好かれる先輩を目指して訓練に励んでほしい」と激励した。

新入社員を代表して片平昌彦氏が「世界でテロや銃による凶悪犯罪が発生する中で、2年後に東京五輪・パラリンピックが近づき、警備業の担う役割は大きい。『世界一安全安心な東京』のため全力で業務に取り組み、信頼される社員を目指します」と決意表明した。

お客さまのために    アサヒセキュリティ

【4月2日、埼玉県三郷市】

アサヒセキュリティ(東京都港区、村田年正社長)は、新三郷オフィスで「定期入社者キックオフ式」を行った。今年は110人(うち女性34人)が入社した。

開式に先立ち、訓練の模範演技として警送隊員3人による防護術操法が披露された。

村田社長は、今年設立20周年を迎える同社の歩みを紹介した。その上で「名札にある『FortheCustomers(お客さまのために)』の気持ちを忘れず、社是『信義誠実』(信義=約束を守り務めを果たす、誠実=真面目で真心がある)を胸に頑張ってほしい」と訓示。「率先して挨拶をする、ルールを知る、報・連・相を守る、整理・整頓・整備の実行、一動作・一作業・一業務の意味を知る、仕事を好きになる――以上の6つを約束してもらいたい」と呼び掛けた。

アサヒセキュリティユニオンの平田頼康中央執行委員長は「自分から積極的に行動してほしい。恥をかく勇気、迷惑をかける勇気を持つことをお願いしたい」と語った。

新入社員を代表して田村成吾氏(名古屋警送課)、大西望氏(大阪VEDSセンター)、棚町樹海哉氏(鳥栖警送課)、山根みなみ氏(仙台VEDSセンター)の4人が、社会人としての決意と抱負を発表した。

長期的な展望で    トスネット

【4月2日、宮城県蔵王町】

トスネットグループ(佐藤康廣会長)は蔵王研修センター「青春の館」で、9社合同の入社式を行った。新入社員26人(うち女性1人)が参加した。

トスネット・氏家仁社長は訓示で、グループの経営理念「勝敗を論ずるのではなく、その是非を論ずる。一日を争うのではなく、その千秋を争う」を紹介。「『勝った負けた、損した得した』だけではなく、将来に向けてやっている仕事が正しかったかどうかを追求し、『今日よかった、一年よかった』だけでなく長期的な計画を持って経営にあたろうという考え方だ」と説明した。その上で「人生の長い道のりには、決して近道はない。安易な思考や行動は捨て、長期的な展望を持ってことにあたってください」と語った。

夢と希望を持って    国際警備保障

【4月2日、大阪市】

国際警備保障(徳田穂積社長)は本社で入社式を行い、大学卒業者6人を含む新入社員9人(うち女性1人)が参加した。

徳田社長は「『石の上にも3年』という言葉がある。すぐに大黒柱として活躍できないが、我慢や忍耐が後の大きな成功につながる。当社は『長野オリンピック冬季競技大会』の実績から『東京2020』の警備参画を予定している。大いなる夢と希望を持って職務に励んでもらいたい」とエールを贈った。

〝処遇改革〟で7期連続の新卒採用    リライアンス・セキュリティー

リライアンス・セキュリティー(広島市、田中敏也社長)は4月1日、本社で入社式を行い、女性4人、男性1人が入社した。同社は新卒者の採用を始めて7期目となり、今年で大卒を含め40人の実績をあげた。そこには独自の取り組みがあった。

「人財教育が何より大切」の方針のもと、新入社員は入社後の1か月間、教育期間となる。新任教育のほか、外部委託で合宿形式の教育も行い、その後も教育費を投資。

募集もユニークで、媒体広告を使わず、就職説明会のブース出展を活用。「警備業界のディズニーランドを目指しています!」のキャッチコピーを掲げ、高品質な警備サービスを提供する企業であることをアピール。興味を持った求職者に会社のビジョンを説明し、本人の夢や希望を聞いて接点を見い出し、共感を得て入社につなげている。

同社では人材確保と定着に向けて“処遇改革”を続けている。非正規は出勤日が限られる人を除いて2012年から全員正社員にした。賃金は直近2期連続で15パーセントアップを達成。今年2月からは家族手当制度を新設した。(1)子供手当(2)奥様手当(3)両親手当――の3種類で、子供手当は第一子1万円、第二子2万円、第三子3万円と定めている。

また社員の特技をサポートする「一芸支援制度」をとっている。今年度の新入社員に総合格闘技アマチュア日本一に輝いた女性がおり、賃金に“一芸手当”を付け練習費用を支援。同社員は社内で護身訓練の講師を担当する。

今後は付加価値として、監視カメラの映像から不審者を検知する先端技術を施設の保安業務に導入予定。今年夏ごろから契約した小売店で順次展開する。田中社長は「新サービスは、賃金アップの原資に充てたい」と語る。