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クローズUP

紙面向上委員会 第15回会合2018.10.01

「警備業の災害支援」で意見交わす

本紙は9月10日、第15回の「紙面向上委員会」を開催した。「平成30年7月豪雨」に関し、「警備業と災害支援のあり方」について意見が交わされた。また、「適正取引推進等に向けた自主行動計画」や「働き方改革」などについても活発な議論が行われた。

田中敏也氏(リライアンス・セキュリティー)は、広島県警備業協会の会員が被災地で行った防犯パトロールの経緯を報告した上で、災害時に警備業が担うべき役割について見解を述べた。

これに関連して早川正行氏(元神奈川県警備業協会)は、警備員が災害時に身を守る上で必要なものとして救命具などの装備とともに、関係機関との「情報共有」を挙げた。

齋藤文夫氏(前全国警備業協会)は、災害支援協定に基づく出動の有償化に向けて、警備業が培ってきた専門性に関して行政側の理解を一層深めていく必要があると指摘した。

絵野裕美氏(東洋相互警備保障)は、働き方改革による適切な労務管理に加えて、職場の良好な人間関係が警備員の定着促進に結びつくとの見方を示した。

實川利光氏(アルク)は、長時間労働の是正などの課題に、経営者同士が情報交換して改善を進めていくことが大切になると話した。

危機管理産業展、10日から2018.10.01

3分野で多彩な展示

災害・犯罪・事業活動におけるリスクに対応する製品・技術・サービスを展示する「危機管理産業展(RISCON TOKYO、主催=東京ビッグサイト)2018」が、10月10日(水)〜12日(金)の3日間にわたり東京ビッグサイト(東京都江東区)西ホールで開催される。

展示は「防災・減災」「セキュリティー」「事業リスク対策」の3分野で構成され、多彩な展示に加えロボット、ドローンの実演コーナーもある。

警備会社ではセノン(東京都新宿区、小谷野宗靖代表取締役社長)が出展を予定している。

また、国内唯一のテロ対策専門展の「テロ対策特殊装備展(SEECAT)18」が併催される。テロ対策に関する高度な資機材が集結するが、来場は治安関係者、重要インフラ従事者に限定される。

警備会社では、セキュリティー(岐阜市、幾田弘文代表取締役会長=岐阜県警備業協会会長)が最新の機材を展示する。

特別併催企画としてサイバー攻撃に対処する機器・システム・サービスを一堂に集結させた「サイバーセキュリティワールド18」も開かれる。

特集ワイド 上・下番報告、簡単に2018.10.01

警備業は現場と直行直帰の勤務が多く、警備員から受ける上番・下番などの報告は重要だ。東洋テック(大阪市、田中卓代表取締役社長)は、グループ会社・協力会社が行う施設警備業務で報告漏れや報告遅れが続いたことを機に、勤怠管理システムの導入に踏み切った。その経緯と導入した効果について聞いた。

東洋テック(大阪市、田中卓代表取締役社長)は1966年創業と関西地区で最も歴史がある警備会社だ。機械警備を主業務としており、ビルの建物維持・管理や防災、不動産業務まで、広く事業を展開している。

施設警備については現在、多くの業務をグループ会社や協力会社に委託している。ところが上番、下番、定時報告で報告遅れや報告漏れが続き、ユーザーに迷惑をかける事案があった。報告の仕方についても協力会社の管理者や上司それぞれが決めた方法で、統一されていなかった。東洋テックは元請け会社としての責任と質の高い警備をユーザーに提供する使命から昨年4月、勤怠管理システムの導入を検討し始めた。

システムの選定を行った業務本部業務統括部・岡本誉部長は、何社かの勤怠システムを候補に上げたが、最終的にKYODOU(東京都中央区、澤橋秀行代表取締役)の「シフトマックス」に決定した。その経緯について、システム導入の実務を担当したイノベーション推進部主管・喜村享氏は次のように説明した。

「システムを使用するのは協力会社の方々なので、まずデータセンターとして自社サーバーを持つのではなくクラウドをベースにしたシステムであることが第一条件でした。さらにシフトマックスの場合、管理インターフェイスは我々が使い慣れたマイクロソフト社のエクセルであることも魅力的でした。使い勝手が良い割に安価であることも、決め手のひとつとなりました」。

同社はKYODOUのサポートを受けて昨年8月に仮運用を始め、わずか1か月のテスト期間で9月に本稼動を開始した。シフトマックスの使用方法についての説明会は管理者向けに1回行っただけで、利用する警備員に対しては簡単な説明書を配布したのみだった。それでも問題なくシステム化への移行を図れたのは、報告の方法がシンプルで使いやすいからだ。

報告の遅れなど異常時には、グループ会社・協力会社と同時に東洋テックの監視センターにも通報され、アラーム警報とパトライトの点滅で知らせる。同社監視センターは24時間365日稼動しているため、連絡を受けた機械警備のパトロール隊員がリカバリーの応援に駆け付けることもできる。

導入後の効果について、喜村主管はこう話した。

「当社では、システムのアラーム警報を受信した場合、パトロール隊員を一時対応に向かわせます。その指示を、センター業務の一つとして組み込みました。そのため新しく上番管理のための専門要員を増やす必要もなく、リカバリーが可能となりました。もともとは協力会社の警備員が向かっていましたが、当社パトロール隊員の中で一番近い者が向かうようにし、上番遅れや上番漏れのリカバリー速度も向上しました。報告のシステム化は、警備の質の向上とともに、提案営業時にお客様から信頼を得ることにもつながりました」。

また喜村主管は、この夏に発生した大阪北部地震と大型台風21号で停電や浸水などの被害に遭ったユーザーに同社警備員が緊急対応した状況をみて、効率的に「定例業務の着手確認」を行うことの重要性を改めて実感したという。

同社は、今後開催される国際イベントなども視野に入れ、先進技術を活用した常駐警備の人員を増強させていく計画があり、シフトマックスをさらに広く活用していく予定だ。

また同社では、警備業務のほかにビルメンテナンス業務を行っており、今後はシフトマックスを清掃員やビル管理人の出発や上・下番報告などにも活用していく計画だという。