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関東地区連 施設警備の単価改善を討議2017.11.21

積算基準、見直しへ

関東地区警備業協会連合会(島村宏会長=茨城警協会長)は11月7日、水戸市内で「会長等会議」を開催した。議事の中心となったのは、「施設警備の労務単価改善」。全国警備業協会(青山幸恭会長)の福島克臣専務理事は、「施設警備の労務単価改善に向けて今年、作業部会を設置して取り組んでいる。今月20日頃から警備業者に配られる建築保全業務諸経費実態調査票に、漏れなく確実に記入することが重要になる」と強調した。

会議には関東10県の会長と専務理事が出席した。全警協からは福島専務理事、小澤祥一朗総務課長が加わった。

島村会長は挨拶で「最近は交通誘導警備を中心に警備料金の上昇がみられるが、慢性的な人手不足により各事業所では対応に苦慮している。社会保険未加入問題は今年3月で目処がついたが適正料金確保に向けて継続して取り組まなければならない」と訴えた。

議題は、資格者配置路線拡大への対応、女性活躍推進に向けた取り組みなど、多岐にわたった。

フリートークでは出席者は忌憚のない意見を述べ合った。県警協から「適正料金を確保し経営基盤を強化するため、1号業務の労務単価に関しても2号業務同様に考えていく必要がある」との意見が出た。

これに対して全警協の福島専務理事は、「施設警備業務に関係する国土交通省の建築保全業務共通仕様書及び積算基準の見直しに向け、全警協では今年から作業部会を設けて取り組んでいる。国交省は今年、業務提供に実際にどの程度の経費を要するのかを把握するため、5年に一度の諸経費実態調査を行う。今月20日頃より建築保全センターから警備業者に向けて、保全業務の積算基準に関わる経費の実態調査を行うための調査票が送付される。業務提供におけるコストを漏れなく確実に回答することが極めて重要になる。各県協会に向けて案内を送り、周知する予定だ」と述べた。

「自家警備問題」については、各県から次のような現状報告があった。

▽「建設業と事務レベルの会議が開かれた。県土木課に『警備員不足が工事の進捗の障害になっている』という報告があり開催されたもので、自家警備ではなく警備料金アップの必要性が論点だった」

▽「建設業協会から交通誘導対策協議会を創設したら連絡をほしいと連絡があった。協会では作る予定はないし、県でもそういう動きがないことを伝えた」

▽「今後、警備員の確保がさらに厳しくなることから、建設業者は自家警備ではなく関連会社を作って運用を始める可能性がある」

全警協、発展への活動進める2017.11.11

第2回の全国大会を開催

国民生活に不可欠な生活安全産業といわれる「警備業」。その理解促進のために制定された11月1日の「警備の日」は、今回で3回目を迎えた。都道府県警備業協会では、加盟社による街頭活動などのさまざまな取り組みが行われた。2日に都内で開催された全国警備業協会の「第2回『警備の日』全国大会」をはじめ、岐阜、群馬、山梨、愛知など全国各地で行われたユニークな取り組みを報告する。

全国大会の開会挨拶で全警協・青山幸恭会長は「2年前の理事会で毎年11月1日を“警備の日”とすることを決定した。以来、広報・啓発活動のための資料を作成し、都道府県警備業協会に配布するなど、その普及・定着に努めてきた。特に今年度は、深刻化が予想される警備員不足問題の解決と警備業の社会的イメージアップ、更なる健全発展のため、女性警備員の活躍をより一層推進する観点から、女性警備員の愛称を“警備なでしこ”に決定した」と述べ、警備業の一層の発展へ向けた活動を展開していくことを明らかにした。

来賓の警察庁・山下史雄生活安全局長は「全国約54万人の警備員が日夜業務を通じ国民の安全安心に貢献している。こうした確かな実績の積み重ねによって警備業は生活安全産業として国民生活に不可欠の存在となっている」と述べ、警備業のこれまでの取り組みを高く評価するともに、今後の活躍に期待を寄せた。

大会では、平成28年7月から翌29年6月末までの1年間に行われた特別講習講師研修会などに、技術研究専門部員として自社社員を積極的に参加させるなど、全警協の教育事業に多大な貢献をした企業や個人を表彰する「教育活動特別功労表彰」、人命救助や初期消火、容疑者確保など顕著な功労があった模範となる警備員に対する表彰が行われた。

また、全警協の「基本問題諮問委員会調査部会」の委員を務めた日本大学大学院の前田雅英教授が「警備業の発展と日本未来」と題し記念講演した。

3警協が活動報告

「警備の日」活動報告を宮城(千葉英明会長)、東京(中山泰男会長)、群馬(川﨑弘会長)の各警備業協会の専務理事が行った。

宮城警協の高橋敦専務理事は、10月22日に仙台市内で開催した「警備業セキュリティフェア」について報告(11月1日号)。フェアの企画から運営までを担った協会青年部の取り組みを説明し、「若手が今後の業界をけん引していく」と、青年部の役割の大きさを指摘した。また、フェア最大の催し「ランウェイ」の模様を動画で紹介した。

東京警協の橋岡修専務理事は10月25日に都内で開催した「警備の日」記念行事(11月1日号)、同3日の「警備技能デモンストレーション」(10月11日号)などについて報告。記念行事について、「“PRはまず部内から”と、会員に向けた警備の日PRとして記念行事を開催した」と企画意図を述べるとともに、俳優の渡辺裕之さんを招いたトークショーや警協のキャラクターの名称発表などイベント内容を説明した。また、技能デモンストレーションについては、当日夕方に首都圏で報道されたNHKニュースの動画を示し「テレビや新聞各社が報道し、警備業の都民へのPRになった」と指摘した。

群馬警協の安達忠良専務理事は、今年から初の取り組みとしてスタートさせた警備の日普及のための「書道展」について報告。同氏は、作品課題の決定や作品応募へ向けた前橋市教育委員会など関係機関との調整について説明した。

トップの意識改革が急務2017.11.1

東北地区連 警備員不足、対応を協議

「経営者の質を改善しなければ、すべては前に進まない」――東北地区警備業協会連合会(千葉英明会長=宮城警協会長)は10月19日、青森県三沢市で「会長等会議」を開いた。同連合会では、昨秋から「警備会社の経営健全化の実現」を目指して改善活動をスタートさせている。この取り組みの成果を上げるには〈経営トップ自身の意識改革こそが急務である〉との認識で一致、6県の加盟社を挙げて引き続き活動を推進することを全会一致で了承した。

会議には各県の会長、複数の副会長、専務理事、合わせて22人が出席した。全警協から福島克臣専務理事、小澤祥一朗総務課長が会議に加わった。

会議次第には、経営健全化に向けた喫緊の課題「警備員不足への対応」を具体的なメーンテーマに掲げて協議した。千葉会長は会議の初めに「人手不足は警備料金の低さが最大の要因ではないか」と問題提起し出席者の発言を求めた。

連合会の事務局長を務める宮城警協の高橋敦専務理事は「賃金の低さ」に加え、「厳しい労働環境」と「イメージの悪さ」があると問題の背景と方策を報告した。

その一つ、「イメージの向上」では、地元・仙台大学が「警備業に関する講義と実習」の授業をスタートさせたことについて、協会は全面協力で対応することを説明。「この事例は、〈警備保障タイムズ〉が詳報しており参考にしてほしい」と、資料として配布した10月21日号を紹介した。

各県会長は、忌憚のない意見を述べ合った。その中で、多くの会長が指摘したのが“一部を占める経営トップの質の低さ”だった。主な発言は次のようなものだった。

「東北地区連は業界が悲願とする経営健全化の実現のために6県協会が一丸となってセミナーなど研修会を開催している。しかし、ぜひとも参加してもらいたい一部のトップは“われ関せず”と顔を出さない。これがネックになっている」

「賃金アップは当然として、その支払い方法で〈月給制〉の徹底が求められる。特に2号警備会社には改善を促す必要がある」

「創業者の意識改革を訴えながら、若手経営者への呼び掛けも重要だ。次代を担う青年部会の活動を支援することではないか。彼らは、日ごろ“商売がたき”であっても業界全体のことを考えている。経営者としての資質を底上げしてほしい」

全警協の福島専務理事は、会議の締めくくりとして発言を求められ「警備業が警備員を奪い合うのではなく、全産業が奪い合っている。カギとなる“給料アップ”は、人材確保と定着の“投資活動”なのだと認識してもらいたい」と呼び掛けた。

会議ではセミナーがセットされ、青森労働局専門監察官の川村浩朗氏が「適正な労働条件の確保について」と題し、立ち入り検査の実情などを講演した。出席者は翌20日、米軍・航空自衛隊三沢基地の施設を見学した。