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クローズUP

明るい未来 警協会長メッセージ2020.01.21

警備業界の役割果たす
北海道警備業協会 会長 小松裕
(ALSOK北海道 代表取締役社長)

昨年は平成から令和という新しい時代を迎えましたが、北海道でも日本中が沸き立ったラグビーワールドカップ2019大会、G20観光大臣会合が開催されるなど大きなイベントが続き、警備業としてその役割を果たしてきました。

今年は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、北海道は札幌ドームで男女サッカー競技の予選開催に加えて、年末に突如として、男女マラソンと競歩競技の開催が東京都から札幌市に変更となりました。

北海道警備業協会では現在、サッカー競技で必要とする警備員確保のため、組織内に「イベント警備等の実施に関する支援・協力特別委員会」を立ち上げ、会員に期間中の警備員の支援を要請し、その調整にあたっているところですが、今後はマラソン、競歩競技に従事する警備員の確保に向けても「ONE TEAM(ワンチーム)」で対応していくこととしています。

こうした中、北海道では1997年の約570万人をピークに、全国より10年早く人口減少の局面に入り、人口は約527万人となりました。今後、生産年齢人口の減少と高齢化の進展に伴い、就業者数の将来推計では総人口を上回るスピードで減少していくことが予想されています。特に警備業界では、最近の札幌圏の状況を見ると、警備業有効求人倍率は約6.3倍、その中で1号警備が約3.3倍、2号警備に至っては約41倍と人手不足が非常に顕著で、今後ますます深刻化し、業界にとって更に厳しい状況が続くものと思われます。

本年は、警備業界が抱える諸課題を会員と共有し、協会として将来を見据えた対策を講じていきます。その決意を新たにし、生活安全産業の一翼を担う業界の役割をしっかりと果たし飛躍の年にします。

飛躍と変化の年に
岩手県警備業協会 会長 阿部正喜
(東陵総業 代表取締役)

今年は半世紀ぶりにオリンピック、パラリンピックが日本で開催されます。警備業界挙げてワンチームで成功させなければなりません。同時に私が注視しているのは、その後に大阪で開催される万国博覧会です。前回この2つのビッグイベントが、警備業の大きな飛躍の機会となったからです。

現在、警備業界のみならず人手不足が深刻化しています。特に15歳以下の人口比率が50年前の3分の1程度となり減少傾向が止まっていません。その分65歳以上の構成比率が毎年増加しています。警備業界でも社員の高齢化は、人手不足と並んで今後ますます顕在化してきます。

これらの問題に対して即効薬はありませんが、業界挙げたイメージアップ戦略や労働環境整備、適正取引の推進等に取り組んでおり、今後ともこれらの取り組みを地道に進めていくことが必要です。併せて、岩手県はじめ地方での人口減少が今後加速します。そこで万国博覧会までの動きが注目され、特に第5世代移動通信システム(5G)への取り組みを注視しています。

すでに複数の国で商用サービスが開始されていますが、我が国でもローカル5Gをはじめ商用化がオリンピックに合わせて本格化します。特にその使い方の開発という観点から言えば、我が国は先進的といえる立ち位置にいます。携帯電話、スマートフォンが我々のライフスタイルまでも変えてきたように、警備業務を含め私たちのライフスタイルも大きく変わる可能性が高いと考えています。

5Gの特徴の中で、特に他の技術等との組み合わせで車の自動運転化や移動の円滑化、シェアリングの進展が進むことも期待されています。

オリンピック警備でも一部利用が始まります。現在4Gまでは人口カバー率が基地局設置の評価指標でしたが、5Gではエリアカバー率が指標となり、必ずしも大都市圏優先ではなくなります。

使い方の工夫という観点からは、自治体と通信企業等とのコラボレーションなど地方活性化の一つの手段となりえます。警備業界にとっては大変な人手不足の中で迎える各種イベントですが、前回これらのビッグイベントが飛躍の機会となったように、今回もこのイベント開催が業界の更なる飛躍と変化の起爆剤になると思います。

警備力を世界に発信
東京都警備業協会 会長 鎌田伸一郎
(セントラル警備保障 取締役会長)

史上最大のスポーツの祭典「東京2020オリンピック・パラリンピック」の開幕まであと半年余となりました。3月26日、福島県をスタートする聖火リレーが国内各地を駆け巡り、機運が一段と高まってくることと思います。

先に開催された、ロンドン、リオ五輪では警備員の確保に失敗した教訓を生かし、今回の東京ではオフィシャルパートナーのセコム、綜合警備保障(ALSOK)の2社を共同代表として共同企業体を設立し必要な警備員を確保したことは、大きな成果と言えます。東京都警備業協会として引き続き側面から全力で支援いたします。

昨年は大型台風や記録的豪雨により、東日本を中心に甚大な被害が発生しました。また天皇陛下のご即位に伴う関連行事、G20サミット、ラグビーW杯など国家的行事が連続し、緊張の1年でありました。

前回の東京オリンピックのあと、警備業界は飛躍的な発展を遂げましたが、現在の業界を取り巻く状況は慢性的な警備員不足をはじめ、大変厳しいものがあります。

今までの人を中心とした警備から、警備ロボットや顔認証・画像解析システムなど人と技術の融合によるイノベーションが待ったなしの状況にあります。

さらに、4月施行の働き方改革「残業時間上限規制」が中小企業にも適用されることになりますが、社会の大きな要請であり、避けて通ることができません。

また、業界として取り組みが急がれる「基本問題諮問委員会調査報告書」に基づく(1)警備員不足対策(2)社会的地位の向上方策(3)経営基盤の強化――の提言のほか、社会保険未加入問題など課題が山積していますが、業界の社会的地位向上につながる大きな課題として、業界が真摯に取り組むことが必要です。

東京2020オリンピック・パラリンピックは真夏の炎天下での厳しい警備になることが予想されますが、日本の民間警備力を全世界に発信する絶好のチャンスであり、業界が一丸となって大会警備の成功に万全を期していきましょう。

若者採用増に努力
千葉県警備業協会 会長 横倉健
(昭和セキュリティー 代表取締役)

昨年は天皇陛下のご即位とともに、令和の時代が幕をあけ、即位礼正殿の儀をはじめとする一連の儀式も無事に滞りなく執り行われましたことは、日本国民の一人として大変喜ばしく、また、日本文化のすばらしさに感銘を受けました。

一方で、天皇皇后両陛下も大変ご心配をなされました、台風や大雨による大規模災害の年でもありました。今でも避難を余儀なくされ、日常生活に支障を来たしている方もおり、お見舞い申し上げます。

さて、令和2年は子年です。子孫繁栄、可能性のある未来に向かって伸びる年とも言われています。

そして、東京オリンピック・パラリンピックの開催年であり、今から楽しみですが、一方でテロのターゲットであり、まさに国の威信をかけて警備を完遂しなければならず、JV(警備共同企業体)を中心に、警備業界としても何としても成功させ、昭和39年の東京オリンピックのごとく、警備業の更なる発展の年になることを期待したいという思いです。

日本を取り巻く情勢は、米中貿易問題や韓国との関係悪化、北朝鮮問題等々、防衛や日本の経済への影響が懸念されるところであり、予断を許さない状況にあります。また、国内におきましても、どの業種も人手不足が大きな課題となっており、我々警備業界にとりましても大変深刻な問題です。

そこで、この問題から脱却するためには、経営基盤の強化を図っていかなければならないと考えるところであり、健全な警備業務の運営、適正価格での受注はもとより、働き方改革を進め、警備員の処遇改善を図って、若者の採用を増やしていく努力をしていかなければならないと考えています。

一朝一夕に解決できる問題ではありませんが、関係機関・団体の皆様方のご理解とご支援を引き続き賜りながら一歩ずつ前進してまいる所存です。

子年にちなんで、警備業にとりましても、まさに繁栄の年にしてまいりたいと考えています。

信用は我々の生命線
埼玉県警備業協会 会長 山﨑守
(大東警備保障 代表取締役)

令和の幕開けは、自然の脅威にさらされた。「命を守る行動をとってください」という言葉がテレビから繰り返し流れ、日々の暮らしの原風景であった山河は、時として家を、田畑を、人命までをも押し流した。

犠牲になられた方々への哀悼と、被災された方々へのお見舞いの意をお伝えするとともに、早期の復興を心より願うものである。

困難も苦しみもあるけれど、ご即位の日の空には雨上がりの虹がかかり、未来に希望を持つことの意味を感じることができた。

そのような中で迎えたオリンピック・パラリンピックイヤーである。

開催地の警備は言うに及ばず、聖火リレーをはじめ関連する行事、イベント警備は全国津々浦々に及び、多くの企業が直接、間接を問わず、何らかの形で関りを持つことになろう。しかし、その上で最も重要なことは、事業者として何より大切な、契約先の警備が疎かになってはならないということである。

安全という形のないものをお預かりする警備業を支えるものは信用である。

とは言え現実は厳しい。間違いや失敗、ときには過ちもあり、信用が揺らぐこともある。そんなとき、烈火のごとく怒り、叱責し、安易に赦すことなど絶対にしない。

それでも、つないだ手を離さないでいてくださる気持ちを支えているのは信用に他ならない。そしてそれは、警備事業者にとっての生命線でもある。

内なるものに目を向ければ課題は山積し、その峰は限りなく高い。

規制の色が濃かった警備業法施行規則は、事実上の緩和により、業務に従事できる時間は増えた。しかし人材募集の困難は引き続き顕著な状況が続き、働き方改革の推進による時間外勤務の上限規制、年次有給休暇の適正取得は至上命題であり、パートタイム・有期雇用労働法の施行は本年4月の第一段階を経て、来年度には業界の多数を占める中小事業者にも適用枠が広がる。

まさに、手をこまねいていては、もっとも大切な信用を維持することもできない事態になりかねない。

シドニーオリンピック金メダリストの高橋尚子さんが、故小出義男監督と挑んだ目標は「これまで例のないことに手を伸ばそうとするとき、常識的なことをやっても届かない」というものであったと聞く。この言葉に秘められた覚悟が、2020の我々に求められるものかも知れない。

適正料金確保に取り組む
神奈川県警備業協会 会長 畠山操
(公安警備保障 取締役会長)

警備業界が直面する課題としては、人手不足、適正料金の確保、働き方改革への適切な対応等が挙げられます。特に適正料金確保の問題は、警備員の処遇改善や経営基盤の強化に直結する重要な問題と考え、当協会では毎年、全国警備業協会の委員等を講師に招いた「警備料金適正化研修会」を開催し、会員教養の場としてきました。この問題は、最近取りざたされている、社会保険適用企業の拡大の動きにも関連してくる課題であり、本年はこれまで以上に、適正料金の確保に向けた取り組みを進めていきたいと思います。

また、2020東京五輪本番の年を迎え、オリンピックの風を強く感じています。1月には、協会賀詞交歓の開催に併せて、県警やJVと協会役員を交えたオリンピック対策委員会を開催します。各組織団体との連携を強め、情報交換を行い、県内開催4競技をはじめとする関連業務が円滑に行われるよう、業界を取りまとめていく所存です。

昨年は度重なる台風や集中豪雨が、全国各地で甚大な被害をもたらしました。神奈川でも鉄道、高速道路が分断され、地方道も多くの場所が通行止めになりました。一部の地域では、生活が麻痺するような事態も生じましたが、そうした中にあっても、愚直に交通誘導を行う警備員の姿を見て感動を覚えるとともに、他県の災害対応を伝え聞き、改めて災害協定の重要性を強く感じました。県警と協定を締結して久しくなりますが、より実効性のある協定にしなければという思いを新たにしています。

今年は、警備業界に身を置いて20年目の節目の年。魅力ある警備業を実現するために、体力気力の続く限り業界発展に尽くします。

警備力をアップ
京都府警備業協会 会長 宇多雅詩
(全日本パトロール警備保障 代表取締役社長)

50余年前、1964東京オリンピックにおける選手村警備の成功によって今日の警備の礎が築かれ、昭和、平成、令和と国民・府民の暮らしを守る生活安全産業として警備業界は大きく発展してきました。

ただ、発展は光明だけでなく、昨今あらゆる方面で警備の需要を充足できないということが問題化し、警備がイベントの存否に影響する事態となっています。

京都府警備業協会では、青年部会を中心にして「人財確保・定着」に向けて諸施策を研究・推進する一方で、理事会において、「再び戻ってくる夢の祭典・東京オリンピック」の成功、そして訪日する多くの観光客、VIPそして国民・府民の安全確保に向けて本年、施設警備に特化させた「テロ等危機管理対策研修会」の開催を決定しました。

過去の国家事業等一大イベントの裏で発生している「テロ」や日常にあふれる「危機」を学び、いかなる防衛策、対応策をとるのかといった観点から、危機管理の専門家また研究者を招聘することとしています。

研修会参加者(幹部警備員)には「修了証」を交付することによって責任感を、顧客には安心とそのノウハウをご提供することができると考えています。

顧客の皆さまにご満足いただけるよう、協会員一丸となって警備力アップに取り組んで参る所存です。

災害時、適切な協力
岡山県警備業協会 会長 松尾浩三
(近畿警備保障 代表取締役社長)

平成30年7月の西日本豪雨災害から、はや1年半が経過し、岡山県内の復旧工事は急速に進んでいます。

災害時協定に基づく全国初の有償出動は42日間で終了し、その後は倉敷市と各警備会社との随時契約に移行して復旧工事が行われ、現在は「災害仮設住宅〜各小中学校間の通学バスの運行」に伴う警備業務も行われています。この警備業務は、通学バス26路線の巡回警備及び各小中学校における登下校時の児童の誘導等で、1日当たり約40人の警備員が出動し、請負金額は災害時協定に基づく警備単価を継続しています。

災害協定に基づく警備業務の労務単価の積算は、宮城県や長野県における台風19号被災自治体への警備員派遣においても参考になったと聞いています。

今後の課題としては、(1)前例単価、公共工事設計労務単価の積算の選択(2)協会で掛けるグループ労災上乗せ保険の検討(3)緊急時(激甚災害の指定等)と平常時の労災保険のメリット制(保険料や保険率の増減)について(4)激甚災害指定等における警備員の公務災害扱いの検討(5)警備員の災害地派遣のガイドライン整備――などがあり、(2)〜(5)については建設業協会とも連携して取り組んでいます。

当協会は、災害発生時に迅速かつ適切な協力ができる体制と、被災地で警備員が安心して業務に当たることができる体制を整えるとともに、警備業が地域の安全に貢献していくことを目指して今後も活動を続けていきます。

「業界モラル」見つめ直す
山口県警備業協会 会長 豊島貴子
(中国警備保障 代表取締役社長)

1962年以前には存在しなかった「警備員」は、半世紀を経て職業としての認知はされた。果たしてステータスを確立できるか!――。これからの50年を思うとき、吉田松蔭が塾生に伝え続けた孟子の言葉「至誠にして動かざるものは、未だこれあらざるなり」は、現在の警備業界に最も当てはまるのではないだろうか。この世の中にない職業を生み出し、育て成長させてきた先人に深い尊敬の念を抱きながら、与えられた可能性を失いたくないと強く思う。

これまで続々と警備業者は増え続け、その数は1万社に迫るが、近年の経営環境の激変に伴い、多くの中小企業については後継者不足が深刻な問題となってきている。

今一度「業界モラル」について真剣に見つめ直し、我々に求められている「役割」を定義づけ、尊敬される「警備士」を擁する業界へと進化していかねば、市場からの退出を言い渡されてしまうことになりかねない。

故に山口県警備業協会では令和元年度より、(1)委員会活動の活性化(2)青年部への支援強化――を大きな柱に据えて活発な活動を展開している。

(1)については、全国警備業協会の委員会構成と同じくし、業界内外の情報を的確に捉え、問題意識を共有することにした。課題や悩みを話し合う機会を持ち、経営者を孤立させない場として機能する手応えを感じている。

(2)については、会員企業の若手社員も迎えて各委員会の下部組織に位置づけ、「至誠研究会」と「なでしこ研究会」を置いた。昨年末には「経営論入門編」を開催。これからも共にじっくり学び合いながら、警備業の明るい未来を会員皆で語り合う協会運営に力を尽くす一年としたい。

働き手不足、改善を
島根県警備業協会 会長 吉岡健二郎
(セコム山陰 顧問)

オリンピック・パラリンピックへの関心は、全国で始まる聖火リレーで一気に高まりを見せるだろう。警備業界も直接、間接に関連した需要を受けて順調に売り上げを伸ばしている。

だが、巷間言われているのはポストオリンピックの経済環境だ。

順調派は、オリンピックを契機としてインバウンド需要が更に引き続くとする。一方の消極派は、建設業関連を中心に投資は減衰し景気は悪化の方向を辿るというものだ。

国際的には日韓の軋轢も良い方向で収斂しつつあり、混乱の続いていたイギリスのブレグジットも方向が見えてきた。確かにアメリカの大統領選も懸念材料の一つだが共和党の優位は変わらないことから世界経済は回復の基調に差し掛かりつつあることは確かなようだ。

では、警備業が今後どのような道筋を辿っていき、我々業界はどう動けばよいのかを考えてみたい。

会員の最大公約数と言えば2号警備だが、主要発注元の建設業の民需が減少することは折り込み済み、問題はこの減少分を官需が支えられるかがカギとなりそうだ。

しかし、官需は地域差が激しく、事業や業種によっても格差が生ずることが通例で、これに過度の期待をするのはリスクが高過ぎるのではないかと思われる。

業界は今、過度の働き手不足である。この改善を怠っていては業界への信頼や期待が薄らぐのは衆目一致するところ。経営の原則である「入りを計りて出るを制す」から考えると、楽観論よりむしろ悲観論に立ち、対内的な労働条件の改善などの対策を打ち、いわゆる先憂後楽の精神で巨大イベントのリアクションを迎えるのが理想と考えるのだが……いかがだろうか?

以上、企業の対処法の一端を述べさせていただいたが、全国警備業協会も令和の時代になってトップが交代したのに伴い、会員が思いを託すことのできる新しいビジョンを提示され、業界が安心して業を営めるような施策を示していただきたいと考える。

必要性・魅力を発信
熊本県警備業協会 会長 西恭介
(ALSOK熊本 取締役)

熊本県警備業協会は、昭和48年11月に会員8社で設立し、現在では会員69社・会員数約5000人を擁するまでに発展を遂げました。

しかしながら、警備業を取り巻く環境は、適正価格問題、警備員不足問題等、多くの課題を抱えており、当県にとっても例外ではありません。

「生活安全産業」としての警備業のイメージアップを図り、必要性や魅力を見える形で発信し続けていくことが重要であり、当協会では、各種犯罪抑止・交通事故防止パトロール出発式やパレード等へ参加し、さらに補助金を活用した警備員募集パンフレット等の作成、他業種との合同求人面談会をはじめとした各種人材確保対策も強力に推し進めてきました。

また、昨年は熱き志を持った若者たちが、警備業界を盛り上げていくために自主的に青年部会を立ち上げ、各種活動を積極的にサポートしてくれたほか、2か月ごとの年金支給日には、金融機関において振り込め詐欺防止のキャンペーンを継続的に始めており、彼らの今後の活動に期待しているところです。

本年も、関係機関等の協力を得ながら、これら活動を発展継続させていきたいと考えています。

今後も、警備業が一層その社会的使命を果たすべく、努力していく所存です。

「会社、仲間に感謝」2020.01.21

安全優良職長 警備隊長2人が受賞

厚生労働省は1月10日、2019年度の「安全優良職長厚生労働大臣顕彰」の顕彰式典を都内の同省内で開催した。

22回目の今回、新たに安全優良職長として顕彰されたのは、全国さまざまな職場、業種の職長として活躍する122人。警備業からは富永安則さん(62)=紀北総合警備(和歌山県かつらぎ町・中谷保代表取締役)、松本照美さん(52)=熊本空港警備(熊本県益城町・村田信一代表取締役社長)の2人が選ばれた。

富永さんは、駐車場での交通誘導警備の隊長を務める経験25年超のベテラン。毎日欠かさず行う「朝礼」で安全作業の留意点を全員で共有、「業務日誌」で問題点を改善し、現場の安全を実現してきた。

松本さんは、空港保安警備に34年間従事。現在は阿蘇くまもと空港(熊本空港)で約70人を率いる隊長を務める。これまで数多くの空港保安警備業務のコンテストで優勝してきた。「健康が安全作業の基本」と、特に部下の健康管理に力を注いできた。

受賞について富永さんは「感謝に尽きる。周囲のおかげ」、松本さんは「こんな立派な賞とは思わなかった。会社が受賞したのと同じ」――ともに会社や仲間への感謝を語った。

賃金の〝時効〟3年間に延長2020.01.21

労働者名簿の保存も3年間

従業員が未払いの残業代などを会社に過去に遡って請求できる期間(時効)が、現行の2年間から“当分の間”3年間に延長される。

厚生労働省の審議会は昨年12月27日、加藤勝信厚生労働相に制度見直しに伴う労働基準法の改正を「建議」。これを受けて同省は1月10日に改正労基法案要綱を審議会に諮問、同日「妥当」との答申を得た。

同改正は民法の約120年ぶりの改正を受けたもので、同省は改正労基法案を20日に開会した通常国会に提出し、4月からの施行を目指す。

現行の民法では、給料などの債権の時効(短期消滅時効)は1年間。しかし、労働者保護の観点から労基法で2年間とされてきた。4月1日施行の改正民法では、短期消滅時効が廃止される一方で、一般債権の時効が(1)権利者が権利を行使できることを知った時(主観的起算点)から5年間(2)権利を行使することができる時(客観的起算点)から10年間――となる。

審議会では、民法改正と労働者の権利保護の観点から議論を進め、賃金請求権の時効を5年、起算点は現行の解釈・運用を踏襲して客観的起算点とする――ことで結論に達した。しかし、賃金請求権を直ちに5年間に長期化することによる会社側の保存書類や支払い額の増加、紛争の早期解決・未然防止に果たしてきた2年間の時効の役割などを総合的に勘案、“当分の間”は時効を3年間とすることとした。

賃金以外の請求権の時効は、退職手当が5年間、年次有給休暇と労働災害補償が2年間。いずれも現行のままとなる。企業に保存義務が課せられている労働者名簿や賃金台帳などの記録の保存期間は、原則5年とするが当分の間は3年間。割増賃金などの支払い義務違反に対する制裁金である「付加金」の請求期間についても、原則5年とするが当分間は3年間とする。