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STOP!熱中症「クールワークキャンペーン」展開2017.3.21

厚労省、全警協とも連携

厚生労働省は5月1日から9月30日までの5か月間、全国警備業協会(青山幸恭会長)などと連携して「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施する。依然として高止まりを続ける職場での“熱中症”の発生を予防するため、JIS規格化された簡易型のWBGT値測定器の普及と、同値に基づいた適切な措置の実施などを呼び掛ける。

平成28年に全国の職場で発生した熱中症は、「死亡災害」が対前年比で大幅増となった27年を下回り、26年並みの12人となった。しかし、死亡災害に4日以上の休業災害を合わせた「死傷災害」は、27年と同程度の462人となる見込みで、依然として“高止まり”の状況だ。

具体的な発生状況を見ると、熱中症予防のために効果的とされる、熱中症発症の評価指数「WBGT値(暑さ指数)」の測定を怠り、適切な措置を講じなかったことによる発生が多い。

そのような中、簡易にWBGT値を測定できる電子式測定器の日本工業規格が、3月21日に「JISB7922」として制定、公示される。これを受けて同省は、JIS規格に準拠した「WBGT簡易測定器」の普及を進め熱中症予防対策の徹底を図ることを目的に、関係省庁と関係団体が連携した熱中症予防のキャンペーンを展開する。

3月10日には、同キャンペーンの実施と熱中症予防へ向けた取り組みを都道府県労働局長と関係団体に通達した。

キャンペーンの主唱者は、同省と中央労働災害防止協会(中災防)をはじめとする災害防止団体など。また、業界団体として唯一、全警協も主唱者として同キャンペーンに参画する

実施期間は、5月1日から9月30日までの5か月間で、4月を準備期間とし、政府全体の取り組みである「熱中症予防強化月間」の7月は“重点取り組み期間”とする。3月30日には、厚労省内で主唱者と日本保安用品協会などの協賛者が一堂に会する「連絡会議」を開き、情報共有や具体的な実施事項などについて協議する予定だ。

同省は期間中に▽熱中症予防のための周知啓発資料の作成と配布▽同省ホームページ上での熱中症予防のための“特設サイト”の開設(災害事例や効果的な対策、好事例、チェックリストなどの紹介を予定)▽各種団体などへの協力要請と連携の促進▽都道府県労働局、労働基準監督署による事業場への啓発・指導――などを行う。全警協や中災防などは▽会員事業場などへの周知啓発▽事業場の熱中症予防対策への指導援助▽熱中症予防のためのテキストや周知啓発資料などの提供――などを行う。

また、中災防は同キャンペーン期間中、5月24日に愛知・名古屋市内で、6月6日に東京・港区内で、産業医科大学教授など熱中症予防対策の専門家による「熱中症予防対策シンポジウム」を開催する。都内での同シンポジウムでは、東京警協の常任理事で教育委員会委員長のジャパンパトロール警備保障代表取締役社長・中田文彦氏が、警備業での熱中症予防対策の企業事例を発表する。

青年・女性部会 初の全国会議2017.3.11

「切磋琢磨を」青山会長激励

全国警備業協会(青山幸恭会長)は3月2日、初の「全国青年部会長・女性部会長会議」を協会内で開催した。13府県警協の青年部会長や発足予定の東京、山梨、沖縄の関係者、東京、大阪、福岡の女性部会長らが集結。活動発表や意見交換を行った。

青山会長は「働き方改革や2020年東京五輪・パラリンピックを控え、警備業は大きな転換期を迎えている」と指摘した。その上で、「人材確保などの課題に対し、皆さんの一層の協力と新しいアイデアが期待されます。連携を深めて切磋琢磨してほしい」と出席者を激励した。

初となる合同会議は、「警備業界の更なる発展のために、次代を担う若手経営者と女性経営者が果たす役割は非常に大きい」(全警協・福島克臣専務理事)として開催した。

会議は、部会長3人が活動内容の発表を行うとともに、警備員不足の対策や警備業のイメージアップ策などについて出席者が意見交換を行った。

業界の人材難が深刻化する中で、特に若年層に向けた警備業の魅力アピールや、女性警備員の雇用拡大は重要な課題となり、青年部会と女性部会の取り組みが注目されている。

青年部会は平成26年までは6県に置かれていたが、27年には一挙に5府県で発足。年内に16都府県に広がる予定だ。女性部会は大阪に次いで平成27年に東京で、昨年に福岡で発足した。これまでに各部会は、各種研修会の開催や地域社会への貢献活動、「警備の日」PRなどを行ってきた。

全警協は今後も開催を予定している。

セコム 次世代通信「5G」を活用2017.3.1

高度な警備、提供へ

セコム(東京都渋谷区、中山泰男社長)とKDDI(同千代田区、田中孝司社長)は2月22日に都内で会見を開き、次世代移動通信システム「5G」を活用した高度な警備サービスの実証実験を始めると発表した。東京五輪・パラリンピックが開催される2020年の実用化を目指す。

セコムは「5G」の特長である高速・大容量、低遅延、多接続を活かし、さらに多様で質の高い警備サービスを提供していく。KDDIと共同で東京都新宿区内で5月から、5Gを使った災害発生時の情報収集や被災地での支援活動を想定した実証実験を開始する。

セコムはこれまでも警備サービスにKDDI回線を利用してきた。平成13年にサービスを開始したGPS端末「ココセコム」では2・5G回線、同15年に企業・家庭向けオンライン警備で契約先とセンターを結ぶインフラとして3G、27年から東京マラソンなどで巡回警備員が装着したウェアラブルカメラから監視センターに情報を送る際には4Gと、通信技術の進化と共に新しい警備サービスを提供している。

同社企画部・寺本浩之担当部長は会見で、5Gネットワークを使った新しい警備サービスについて「施設警備やイベント警備でクオリティー向上を図っていく。具体的には空港やスタジアムで、より多くのウェアラブルカメラや仮設カメラ、巡回車両からの画像を高精細化し、監視センターで確認する。5Gで車両のナンバープレートや人物特定などの詳細な状況確認が可能になる」と説明した。

また同社が行っている「セコム飛行船」「セコムドローン」による上空からの監視については、更に高精細な画像を5Gネットワーク経由で直接監視センターに送れるようになり、広範囲の安定した画像監視が実現できるという。従来の警備サービスの質の向上を目指し実証実験を進め、その先に5Gの特長を活かした新しいサービスの創出を図る計画だ。

災害支援現場でも5Gを活用していく。同担当部長は「KDDI臨時基地とセコムオンラインセンターの連携により被災地の状況把握や見守りを支援することを考えている」と語った。