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大阪、鹿児島両会長に栄誉2019.5.21

「令和」初 春の叙勲 警備業から2人

政府は5月21日付けで、「2019年・春の叙勲」の受章者を発表した。“令和”となり初の叙勲となった今回、各界から桐花大綬・旭日・瑞宝の各章で計4226人が受章。警備業からは武警(大阪市)代表取締役で大阪府警備業協会会長の若林清氏(70)が旭日小綬章を、ガードシステム鹿児島(鹿児島市)代表取締役会長で鹿児島県警備業協会会長の上拾石秀一氏(73)が旭日双光章を、それぞれ受章した。警備業界の受章者は26人となった。


若林清(わかばやし・きよし)氏は、1995年12月に武警代表取締役に就任した。2006年4月にワールド警備保障取締役、15年4月に同社代表取締役となり、2社の代表を兼務。

大阪府警備業協会では、1998年の理事をはじめ2002年に副会長、12年4月に会長となり現在に至る。

全国警備業協会では、2012年に副会長。同年に近畿地区警備業協会連合会会長に就任した。

主な受賞歴は、2007年に大阪府警本部長・大阪警協会会長連名表彰、10年に全警協会長表彰、12年に警察庁長官・全警協会長連名表彰など。

2000年に大阪警協総務委員会委員長として協会加盟員に対して「パソコン講習会」を実施するなど加盟員のIT化を推進。06年からは業務委員会委員長として公共事業労務費調査に係る説明会や勉強会を開催し、適正な警備業務の提供と労務単価問題の改善に尽力した。

12年に全警協副会長に就任してからは、大阪警協と近畿地区連が全国に先駆けて行っていた「警備の日」を、全国的な活動に広げるための取り組みを行った。


上拾石秀一(かみじゅっこく・しゅういち)氏は、1983年10月にガードシステム鹿児島を設立し代表取締役社長、2019年に代表取締役会長に就任した。鹿児島県警備業協会では1995年に理事、2001年副会長、03年12月に会長となり現在も務める。

全警協では、2008年に監事、12年に理事就任。08年に九州地区警備業協会連合会副会長に就任した。

主な受賞歴は、08年に鹿児島県警本部長感謝状、09年に全警協会長表彰、10年に警察庁長官・全警協会長連名表彰など。

県や県警と安全で安心な街づくりにも貢献した。1997年に鹿児島県警本部長と「災害時における交通誘導業務等に関する協定」、2011年に鹿児島県知事と「家畜伝染病の発生時における交通誘導警備業務に関する協定」を、それぞれ締結した。

その後も県警と連携して、14年に「鹿児島県警画像110番システムに係る携帯電話等を活用した画像の送受信等に関する協定」、17年には「ドライブレコーダー記録データ等の情報提供に関する協定」を締結した。

16年には県内初の大規模市民マラソン大会「鹿児島マラソン2016」の警備を担当。同氏のガードシステム鹿児島が幹事会社となり警協加盟社32社で共同企業体を編成、大会の安全な運営に貢献した。

今年1月には、全国初の政治団体「鹿児島県警備業政治連盟」の立ち上げに尽力した。

適正取引へ前進2019.5.1

自主行動計画 全警協の調査まとまる

全国警備業協会(青山幸恭会長)が行っていた「自主行動計画フォローアップ調査」の結果が明らかとなった。4月17日に首相官邸で開かれた第8回の「下請等中小企業の取引条件改善に関するワーキンググループ」(座長=長谷川榮一・首相補佐官)、翌18日に党本部で行われた自民党中小企業・小規模事業者政策調査会の「下請け中小企業・小規模事業者対策小委員会」(小委員長=山際大志郎・衆院議員)で、それぞれ報告された。

調査対象は売上高上位50社を含む全警協加盟500社。全警協が2018年3月に策定した「警備業における適正取引推進等に向けた自主行動計画」の取り組みの進捗状況を調べた。回収率は84.2パーセント。

自主行動計画で取引上問題となり得る=不適正な取引として示した「書面の不交付」「代金の支払い遅延」「代金の減額」など全7種の行為への対応については、警備会社間の取引・警備業界外の発注者との取引ともにほぼ9割超で「発注者と協議を行い、対応を実施済み」と回答。適正取引実現へ向けた着実な取り組みがうかがえた。

同計画で、警備業界の課題解決に向けた「適正取引以外の取り組み事項」として示した「人材確保・育成」に関しては、93.3パーセントが「人員充足不足」と回答。不足職種として99.0パーセントが「現業職(警備員)」を挙げた。また、人手不足の影響として、82.1パーセントが「受注抑制や営業時間短縮など売上機会が喪失」、50.9パーセントが「残業時間の増大」、41.7パーセントが「外注の増大」を挙げた。

人手不足への対応は、「警備員採用活動を強化」91.8パーセント、「受注量を減らす」68.0パーセント、「他の警備会社と連携」51.7パーセントなど。

採用活動強化の具体策は「掲載する求人誌(サイト)数を増やした」79.9パーセント、「給与を引き上げた」62.7パーセント、「ハローワークへの求人を増やした」61.8パーセントなどが上位を占めた。一方で「人材を確保できなかった」が78.0パーセントと、「確保できた」22.0パーセントを大きく上回った。

「長時間労働の是正」に関しては、約7割が「長時間労働につながる課題がある」と回答。課題内容は「離職者が多く、その穴を埋めるために警備員1人当たりの勤務日数の増加が常態化」68.5パーセント、「24時間勤務が必要な警備業務を、十分な交代要員の確保なく継続することが常態化」54.9パーセントなど。過去1年間の退職者の退職理由は「体力の低下」66.1パーセント、「家庭の事情(介護、子育てなど)」63.3パーセント、「給与の低さ」40.3パーセントが上位を占めた。

全警協は同調査結果と別途行った建設業者との取引実態調査の結果を踏まえ、自主行動計画の改定も視野に、計画の周知・啓蒙を図る。