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〝警備員満足〟の実現へ2018.5.21

愛知警協 人材確保、具体策を協議

愛知県警備業協会(小塚喜城会長)は4月27日、「警備員不足対策・専門委員会委員長会議」を開いた。会議には総務、広報、教育、労務、業務、災害対策の6委員会委員長が出席。長引く警備員不足問題について、協会として今年度に取り組む諸対策や活動の推進について協議した。

会議は、深刻な警備員不足問題に協会をあげて取り組み、具体的な解決策を得ることを目的に開かれた。一つのテーマで委員長が一堂に会する会議は、同協会では初めて。金子慶太郎副会長(セクダム)が座長となり進行役を担当した。

田中正和専務理事は、人手不足の現状と問題点を説明。対策推進の基本方針を次のように述べた。

「業界を社会に知ってもらうことでイメージアップを図り、人材確保に向けて具体的な方策を打ち出さなければならない。警備料金を上げて経営基盤を強化し、雇用環境と労働環境を改善して働き方改革への対応を図り、賃金アップで“警備員満足”を実現する。そのために『どういう人を求めるか』、『どういう方法で採用するか』、『どのように定着させるか』、皆で知恵を絞るときだ」。

会議では出席者から忌憚のない多くの意見が出され、次の発言があった。

▽業界のイメージアップについては、交通誘導警備員の現場での活動が一般の印象に影響するので、現任教育では座学だけでなく実技面の向上も配慮する。

▽労働環境改善のため、労災事故防止や長時間労働の問題について一層会員に浸透させる。

▽定着率を上げるためマンツーマンで指導するなど各社で力を注ぐ。

▽女性、高齢者などの短時間労働の組み合わせによる仕事などワークシェアも検討していく。

今回の会議について、同警協は「専門委員会委員長が問題意識を共有でき、有意義なものとなった」と評価、今後さらに検討を重ね、具体策を詰めていく。

春の叙勲 広島・橋本会長に旭日小綬章2018.5.01

兵庫・山口副会長は旭日双光章

政府は4月29日付けで、2018年春の叙勲受章者を発表した。警備業からはニットー(広島市)代表取締役で広島県警備業協会会長の橋本満氏(70)が旭日小綬章を、バンガード(兵庫県姫路市)会長で兵庫県警備業協会副会長の山口俊和氏(70)が旭日双光章を、それぞれ受章した。2017年秋の叙勲に続く2氏同時受章となり、警備業界の受章者は24人となった

橋本満(はしもと・みつる)氏は、1975年5月に「日東警備保障」を立ち上げ、代表取締役に就任した。90年6月「ニットー」に社名変更し、2005年に同社取締役会長、06年に代表取締役就任。

広島県警備業協会では、1986年5月の理事をはじめ2000年に副会長、03年4月に会長となり現在に至っている。

全国警備業協会では、03年に監事、08に理事就任。同年に中国地区警備業協会連合会会長に就任した。

主な受賞歴は、05年に広島県警本部長・広島警協会長連名表彰、11年に警察庁長官・全警協会長連名表彰。

2014年8月に広島市で発生した大規模土砂災害では、協会隊員を無償で1か月、毎日災害地区のパトロール活動にあたらせ侵入盗難などの被害防止に貢献した。日本初開催の「第24回アジア太平洋警備業協会(APSA)」広島大会では青年部会を中心に若いリーダーたちを参画させ、全警協と連携を図り円滑な大会運営に尽力した。


山口俊和(やまぐち・としかず)氏は、1977年5月、播州警備保障(現バンガード)に入社、89年11月に代表取締役、2012年9月に会長に就任した。

兵庫県警備業協会では、1990年3月に理事就任、99年8月から副会長として28年余、警備業の健全な発展に尽力し、業界の指導育成に貢献した。

1995年の阪神・淡路大震災発生に際し、警備業協会の意思統一を図り、被災地を中心とした地域安全防犯パトロールに、復興支援ボランティアとして約2か月にわたり、警備員延べ2630人を派遣した。翌96年の兵庫県警本部長との「災害時における交通誘導警備業務等に関する協定」、97年の近畿2府4県の「災害時における警備業協会間の広域支援に関する協定」の締結に尽力した。

01年7月、明石歩道橋の大規模雑踏事故発生を重く受け止め、加盟員の経営者と警備員指導教育責任者を対象とした事故防止研修会の開催に尽力し、再発防止に取り組んだ。

全身全霊で東奔西走

広島県警備業協会 会長 橋本満氏

春の叙勲において旭日小綬章の栄に浴し、大変身の引き締まる思いです。顧みますと昭和50年にこの業界に身を投じ、43年余の間、良いことも悪いこともありましたが、むしろ棘の道を歩んできた方が多かったように思います。このような私が早くから協会役員を仰せつかり、業界発展のために全身全霊で東奔西走しながら取り組んでこられたことが、唯一自負できるところです。とは申しましても、そこは諸先輩をはじめ、業界内外の多くの皆さまからいつも温かいご指導ご鞭撻を賜り、また家族、社員の理解・協力もあり、改めて敬意を表します。

今後も業界の更なる発展に尽力して参る所存です。

更なる発展に精進

兵庫県警備業協会 副会長 山口俊和氏

旭日双光章を賜り、身に余る栄誉と感激しています。これもひとえに業界内外の多くの皆さまの温かいご支援の賜物と心より感謝いたし、厚く御礼申し上げます。

お陰さまで警備業界41年、県協会理事28年、副会長19年と、微力ながら続けてこられました。その間、協会会員の融和と警備員のレベルアップのため、交通誘導現場での安全パトロールをスタートさせ今日に至りました。また、祖父、父、そして私と、3代続けて叙勲の栄に浴し、喜びもひとしおです。

今後はこの栄誉に恥じることなく、業界の更なる発展に一層精進いたす所存です。従前にも増してご厚情を賜りますよう、お願い申し上げます。

埼玉県警備業協会元会長

樋口恵二郎氏に死亡叙勲、旭日小綬章

SPDセキュリA会長で埼玉県警備業協会元会長の樋口恵二郎(ひぐち・けいじろう)氏が3月28日に死去したことを受け、政府は同日付けで故人を「死亡叙勲」とすることを決定した。勲位は旭日小綬章、叙位は正六位。伝達は5月14日の「お別れの会」で、全警協から遺族に行われる予定。

故・樋口氏は1971年にSPDセキュリAの前身のSPD警備保障を創業、県を代表する警備会社に育て上げた。

業界活動では、埼玉警協の前身として1971年に県内警備会社38社で発足した「警備会社連絡協議会」に、初期メンバーとして最年少で参画、県警備業界の発展に取り組んだ。83年に埼玉警協理事に就任し、2002~10年に第6代会長を務め、全国で唯一の“自前”の研修施設建設に尽力した。

主な受賞歴は、05年に全国警備業協会会長賞、08年に全警協会長・警察庁長官連名表彰。