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特殊詐欺対策を目玉に2017.9.21

岡山警協が県警と協定

岡山県警備業協会(中居正志会長)は9月6日、岡山県警察本部(西郷正実本部長)と「犯罪の起きにくい社会づくりの推進に関する協定」を締結した。協定には「特殊詐欺被害防止のための活動」や「犯罪の起きにくい社会づくり推進・応援企業への積極的な参加」などが盛り込まれた。

協定内容は(1)地域の安全パトロールや子供の見守り活動に協力し、事件事故や不審者に関する情報を速やかに警察に通報する(2)特殊詐欺被害防止のため、広報啓発や警備業務を行っている店舗設置のATMへの立寄り警戒と利用客への声かけなどに協力する(3)県警推進の「犯罪の起きにくい社会づくり推進・応援企業」に積極的に参加し、各種地域安全活動に取り組む(4)事件事故、災害などが発生した場合は、県警の要請により、車両に搭載されたドライブレコーダーの記録データを、必要と認められる範囲で提供する――というもの。

協定締結のきっかけは、今年3月に中居会長が県警本部に吉村清孝生活安全部長の赴任あいさつに訪れた際、「協会として社会貢献するため、何か役に立つようなことがあれば」という話をしたのが始まり。その後、県警本部の生活安全企画担当者と同協会平田政彦専務理事などで検討・調整を重ね、今度の協定締結となった。

 

働き方改革 法改正、臨時国会に提案へ2017.9.11

時間外労働、厳しく規制

厚生労働省は、政府の働き方改革実現会議が今年3月に決定した「働き方改革実行計画」と、同省の労働政策審議が6月に取りまとめた建議「時間外労働の上限規制等について」を受け、労働基準法など働き方改革関連法の改正へ向けた議論を本格化させた。

改正へ向けた議論は、8月30日の労働政策審議会の労働条件分科会でスタートした。今後、安全衛生分科会、職業安定分科会、雇用環境・均等分科会、同一労働同一賃金部会、人材開発分科会の6つの分科会・部会で議論が行われ、今秋開催予定の臨時国会への法案提出を目指す。

30日の労働条件分科会では冒頭、同省が平成27年の通常国会に提出、その後“継続審議”となっている労働基準法改正法案と、今年6月に建議を取りまとめた時間外労働の上限規制の法案とを一本化して国会に提出したい意向を初めて示した。しかし、日本労働組合総連合会(連合)などの労働者側委員からは「時間外労働の上限規制の法案は、長時間労働是正のために早期に実現すべきだが、27年の改正労基法案とは趣旨が異なり法案一本化には反対」と異論を唱えるとともに、27年法案に盛り込まれていた「企画業務型裁量労働制の対象拡大」と「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設」への反対を主張し、労使の議論は平行線をたどった。

続く9月4日の同分科会でも労使の議論は対立したままとなったが、荒木尚志分科会長(東京大学大学院法学政治学研究科教授)が議論を整理、次回分科会に法案要綱を諮問するよう同省に指示した。

同省が成立を目指す働き方改革関連法案(改正労基法案と時間外労働の上限規制に関する改正法案)の中心となるのは、過労死や過労自殺などの原因となる過重な時間外労働の規制などで、概要は次の通り。

▽月60時間超の時間外労働に係る割増賃金率(50パーセント以上)について、中小企業への猶予措置を廃止する。

▽10日以上の年次有給休暇が付与される従業員に対し、5日については時季を指定して付与する。

▽フレックスタイム制の「清算期間」の上限を1か月から3か月に延長する。

▽企画業務型裁量労働制の対象業務に「課題解決型提案営業」と「裁量的にPDCAを回す業務」を追加し、健康確保措置の充実や手続きを簡素化する。

▽金融商品のディーリング業務やアナリスト、コンサルタント業務、研究開発業務など一定の業務・一定の年収の従業員を労働時間規制の適用対象から外す。

▽週40時間を超えて可能な時間外労働の限度を、原則として月45時間かつ年360時間とし、違反には特例の場合を除き罰則を課す。特例として「臨時的な特別の事情がある場合」として労使が合意して労使協定を結ぶ場合でも、上回ることのできない時間外労働時間を年720時間(月平均60時間)とする。

▽前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息を確保することを事業者の努力義務とする(勤務間インターバル制度)。

 

「いざという時」に備えて2017.9.1

警備業 各地の防災訓練で活動

9月1日は「防災の日」――。“いざという時”に備え全国各地では、この日をはさんで自治体を中心に各種の防災訓練が行われる。特に近年は、東日本大震災や熊本地震など相次ぐ地震災害に加え、各地で豪雨による甚大な被害が生じるなど、国民の防災への関心は高まっている。安全安心を担う警備業に対しても、災害時の活動に期待が寄せられている。

愛知警協 避難者を安全に誘導

愛知県警備業協会(小塚喜城会長)は8月20日、春日井市内で行われた平成29年度の「愛知県・春日井市総合防災訓練」に参加した。同訓練には、県や県警、春日井市、国土交通省中部地方整備局、自衛隊など84機関の約3000人が集合。同協会からは災害対策等委員会の加藤中夫委員長(中京警備保障)と梅野賢人事務局長らに加え、「災害支援協力隊」から愛知警協北東支部の会員5社10人の計14人が参加した。

駿河湾から日向灘を震源域とする大規模な地震が発生、春日井市内では震度7の激しい揺れを観測し、多くの市民が倒壊した家屋などの下敷きになり、火災の発生、道路や電気、水道などのライフラインなどに甚大な被害が発生したと想定して、多岐にわたる訓練が行われた。

愛知警協の災害支援協力隊は、「部隊集合訓練」「緊急交通路確保訓練」「緊急車両の交通誘導及び避難者の安全確保訓練」――の3訓練を行った。

部隊集合訓練では、今枝豊北東支部隊長付(コスモ)が訓練隊長となり、隊員を指揮。会場近くの広場に部隊活動服とヘルメット、警笛、白手袋、誘導灯を装着して集合した災害支援協力隊の10人の隊員は、個人動作や隊形変換、誘導灯を用いた交通誘導の基本動作を繰り返し行うとともに、加藤委員長の部隊視閲と訓示を受けた。

緊急交通路確保訓練では、災害支援協力隊、警察官、自治体整理員の計約60人が、約1500メートルの緊急交通路への侵入車両停止や規制路線外への誘導、歩道通行者や横断者の安全確保などの交通誘導業務に従事した。また、愛知県警本部長車(県警本部長、春日井警察署長ら)、愛知警協車(加藤委員長、梅野事務局長ら)など7台が確保した路線を通過し、同訓練状況を視察した。

緊急車両の交通誘導及び避難者の安全確保訓練では、訓練会場出入口付近などで、出入りする訓練緊急車両が走行する訓練通路を緊急交通路と想定し、誘導灯などで交通誘導を行った。また、ヘリコプターが上空でホバリングし、救助活動をする際の安全を確保するため、避難者の誘導や必要な空間の確保などを行った。 

訓練を終え、加藤委員長は「訓練での毅然とした態度・動作は非常に良かった。災害はいつ発生するか予測できないが、毎日の仕事を通じ、警備という仕事の鍛錬に一層努めるとともに、安全産業である警備業の災害対策など社会貢献について考えていただきたい」と述べた。

埼玉警協 立入規制で安全確保

8月27日、埼玉県鶴ヶ島市内で「第38回九都県市合同防災訓練埼玉県会場」として、147機関が参加した「埼玉県・鶴ヶ島市総合防災訓練」が行われた。

埼玉県警備業協会(山﨑守会長)は、山﨑会長と同協会災害対策委員会の栗原晃委員長(新日本警備保障)をはじめ、「埼玉警協災害警備隊」の杉森智和隊長(大東管財)と同隊員など計12人が参加した

深谷断層帯・綾瀬川断層を震源とするマグニチュード8.0の地震が発生し、県中部を中心に甚大な被害が生じ、鶴ヶ島市内でも最大震度6強の揺れを観測したと想定。住民活動訓練、救出救助訓練、災害時医療訓練、ライフライン復旧訓練など7種の訓練が、(1)関係機関の連携の検証と協力の円滑化(2)住民の自助・共助の意識高揚と知識の向上(3)県と市との相互連携の強化や対応能力の向上――を目的に行われた。

埼玉警協は、会場内の巡視と建物からの救出救助訓練での立入規制を担当した。会場内巡視は、2人1組で訓練会場の鶴ヶ島市役所敷地内をくまなく巡視。場内の状況を無線で逐一埼玉警協警備本部に連絡するとともに、訓練参加者や見学者などの案内や会場内での異常やトラブル発生に目を光らせた。救出救助訓練では、県防災航空隊のヘリコプターによる要救助者の空中からの救出訓練を後方で支援。ヘリ接近時の市役所周辺道路での通行車両の迂回措置と、会場内の制限区域への見学者の立入規制などを行った。

なかでも、多くの参加者と見学者が訪れた会場では、災害警備隊の隊員が、事前に拡声器で立入規制の実施を広報。また、ホバリングするヘリから吹き降ろされる強風の中で、ロープで立入規制を行い見学者などの安全を確保した。