警備保障タイムズ下層イメージ画像

TOP NEWS

「建築保全業務労務単価」警備業務3.3%アップ2019.12.21

増加率、全職種平均上回る

国土交通省は12月10日、2020年度の「建築保全業務労務単価」を公表した。国が管理する庁舎などでの施設警備や設備点検、清掃などの業務の全職種・全国平均の労務単価は19年度に比べ2.9パーセントアップした。警備業務の増加率は、19年度比1パーセント減となったが、検定資格の有無に関わらず平均3.3パーセントアップ。全職種平均を上回った。 

施設警備業務1級の検定資格保有者または高度な技術力・判断力・作業の指導など総合的な技能を持つ実務経験6年以上程度の「警備員A」は、全国平均で1万3950円。19年度に比べ430円(3.2パーセント)アップした。

2級の検定資格保有者または作業の内容判断ができる技術力・技能を持つ実務経験3年以上6年未満程度の「警備員B」は、同410円(3.6パーセント)増の1万1870円。

警備員Aや同Bの指示に従って作業できる実務経験3年未満程度の「警備員C」は同320円(3.1パーセント)増の1万510円。警備員A、B、C全てで全職種平均の増加率2.9パーセント増を上回った。

最高額は、A・B・Cともに東京で、A1万6400円(同500円、3.1パーセント増)、B1万4000円(同500円、3.7パーセント増)、C1万2400円(同400円、3.3パーセント増)。最低額はA・B・Cともに沖縄で、A1万1200円(同400円、3.7パーセント増)、B9500円(同400円、4.4パーセント増)、C8400円(同300円、3.7パーセント増)だった。

正規の勤務時間を超える時間外単価や午後10時から翌午前5時までの夜勤単価を算出する際に用いる「割増基礎単価率」は、警備員Aが9.7パーセント、同Bが10.0パーセント、同Cが10.4パーセント。

現場に宿直する場合の「宿直単価」(1回当たりの定額)はA、B、Cともに3900円。

東北地区連、初の「青年部サミット」2019.12.11

警備業の未来、語り合う

東北地区警備業協会連合会(会長=千葉英明・宮城警協会長)は12月6日、仙台市内で初の「青年部サミット」を開催した。東北6県の青年部が一堂に会し、警備業の課題解決へ向けた方策などを熱く語り合った。

サミットには、青森、岩手、秋田、山形、福島各県警協の青年部会(青年部)の代表者と、宮城警協青年部メンバー全員が出席した。地区連からは千葉会長と前田泰彦・福島警協会長、宮城警協の副会長と理事が、また、全国警備業協会の福島克臣専務理事と小澤祥一朗総務部次長、仙台大学の遠藤保雄学長は来賓として参加した。

主催者あいさつに立った千葉会長は「理想とする警備業の未来を大いに語ってほしい」と述べ、各県青年部にエールを送った。

プログラムは(1)仙台大・遠藤学長の記念講演(2)宮城青年部・夏原潤氏による「適正料金」をテーマにした研究事例の紹介(3)協議――の3部構成。なかでも協議では、「適正取引推進等に向けた自主行動計画の周知徹底方策」「人手不足対策」「災害発生に伴う被災地出動に向けた有償活動のあり方・県等との協定策定」の3テーマについて、グループに分かれて活発な意見が交わされた。例えば「災害」グループでは、災害発生時の自治体支援として、「協会への対策本部設置」や「迅速に対応するために対策本部要員の確保と連絡網・手段の整備」などが提案。また、「ボランティア出動では各社が警備員派遣を渋る」「有償活動では指揮命令の問題がある(派遣法に抵触)」など、さまざまな視点・角度から意見が交わされた。

約2時間にわたる協議の末、各グループがテーマごとに取りまとめた今後の取り組みは、各県青年部会が実践し、さらなる研究を進めていくことで合意。「成果文書」として作成し、各県青年部会の代表者が署名した。

北海道がオブザーバー参加

サミットには、北海道警協青年部会の清水拓也部会長(警協副会長、華連警備保障)がオブザーバー参加した。同青年部会は、50歳未満の経営者や経営幹部27人で今年9月に発足。今回のサミット出席が初活動となる。

清水部会長は「災害発生に伴う被災地出動に向けた有償活動のあり方」をテーマとしたグループ討議に参加。2018年9月に発生した「北海道胆振東部地震」での北海道警協の取り組みの紹介や活動の中で生じた課題や問題を提起するなど積極的に発言した。

サミットについて清水氏は「東北6県の協力・団結力・パワーを感じた」と感想を語るとともに「北海道警備業の発展に尽くしていきたい」と今後の青年部会活動への意欲を示した。

中国地区連と四国地区連、初の「合同会議」を開催2019.12.01

災害対応で連携強化へ

中国地区警備業協会連合会(会長=村本尚之・広島警協会長)と四国地区警備業協会連合会(会長=北川豊彦・香川警協会長)は11月19日、岡山市内で「中国・四国地区警備業協会連合会の合同会議」を開き、「広域災害発生時の有償対応」をテーマに意見交換を行った。地区連が合同で会議を開くことは初の試みで、台風や集中豪雨、懸念される南海トラフ地震発生を視野に、連携を一層強化することで意見が一致した。

地区連合同会議には中国5県・四国4県の各県協会会長と副会長、専務理事ら計34人、全国警備業協会から中山泰男会長と福島克臣専務理事、小澤祥一朗総務部次長が参加した。

中山会長はあいさつで「地区連の枠を超えた合同会議は、相互の抱える問題点について各々の立場から議論・共有し、対策を導く意義ある機会と感じている。協議の結果は、今後の両地区連の活性化につなげていただきたい」と述べた。

災害支援に関する“瀬戸内海をはさんだ連携”はかねてより双方で語られてきたが、昨年の「西日本豪雨」により広島、岡山、愛媛で甚大な被害があったことから気運が高まり実現した。

中国地区からは広島警協が、同協会で進めている有償化に向けた取り組みを映像を使って説明した。同協会によると2014年に発生した「広島土砂災害」の警備料金は協会が負担、「西日本豪雨」の警備は集まった義援金から支出した。今年1月、県警生活安全総務課長から災害支援協定見直しの打診があったことを機に、有償活動に向けた基本協定・細目協定の改訂を検討。県危機管理課・県警本部と行っている協定見直しの進捗状況を報告した。

岡山警協(松尾浩三会長)は、「西日本豪雨」で県との災害支援協定に基づいて行った初の有償活動を取り上げた。10月の台風19号による水害発生で、長野警協と宮城警協が被災地の防犯パトロールを行った際に、その前例として岡山警協の契約内容を伝えたことを報告した。松尾会長は提示する見積り金額について、(1)前例に基づく固定金額(2)新しい公共工事設計労務単価を積算した金額――の2つの方法があると説明。また発生した災害が「激甚災害指定」であることも有償化に向けた重要なポイントとなることを示した。

四国地区からは愛媛警協(二宮義晴会長)が、「西日本豪雨」で1か月間行った防犯パトロールについて、有償活動ではなくボランティアで対応した経緯を説明した。

両地区連は、広域災害発生に備えた情報共有が必要であることから、今後も隔年の頻度で、幹事地区持ち回りによる合同会議を開催することを決めた。