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東北地区連
「経営健全化推進」の巡回セミナー2016.12.21

宮城警協が開催、順次各県で

東北地区警備業協会連合会(千葉英明会長=宮城警協会長)が取り組む経営改善活動「経営健全化推進」の“巡回セミナー”第1弾が12月13日、仙台市内で宮城県警備業協会の労務管理セミナー「経営健全化の道筋」として開催された。東北地区連では、今回のセミナーを皮切りに、順次東北各県でセミナーを開催。来年の各県定時総会で経営健全化推進を“決議”し、加盟社を挙げて経営健全化を実現していく。

「経営健全化推進」は、東北地区連が、昨年から取り組みを開始した経営改善活動。国土交通省の社会保険未加入対策を契機に、警備員の社保加入だけでなく、処遇全般を改善しようとするもの。その前提として、業界で横行してきた“ダンピング”を排除し、適正警備料金を確保していこうという取り組みだ。

宮城警協・労務委員会の永山明労務委員長(ブルースカイ)は開会挨拶で「国交省発の社会保険加入への取り組みがスタートして5年。いよいよ来春から制度(未加入者の公共工事からの排除)が実現される。第4コーナーを回り、ゴールは目の前に迫っている。取り組みに一層の拍車をかけてほしい」と、同セミナー開催の目的を述べた。

セミナーには、宮城警協の会員約70人と全国警備業協会の福島克臣専務理事、小澤祥一朗総務課長が参加。まず、経営健全化推進を提唱した東北地区連の経営健全化推進委員会の赤津紀正委員長(福島警協副会長、アムーヴ)が、これまでの警備業界を振り返りながら経営健全化推進の目的や必要性を説明した。同氏は「国交省が進めてきた社保の“加入促進期間”が来春終了する。社保未加入警備員が公共建設工事から排除されるなど、経営局面が大きく変わる。今が業界を変える最後で最初の最大のチャンス。今やらなければ“元の木阿弥”となる」と述べ、経営健全化推進への理解を求めた。また、現在の警備員不足に関し同氏は「警備員不足ではなく、警備員の業界離れ、警備会社の雇用難だ」と指摘。警備員の処遇改善、そのための適正料金確保の必要性を訴えた。

続いて、経営健全化推進の研修用資料「経営健全化推進の道筋形成」の作成に当たった宮城警協青年部選抜の推進委ワーキンググループの夏原潤氏(ゴリラガードギャランティ)、増子弘氏(日本パトロール警備保障)、澤田大介氏(コスモ警備)が登壇。3人を代表して夏原氏が「法令遵守・処遇改善ための適正警備料金の確保」について説明した。

夏原氏は「経営健全推進は“儲かる話”」と前置きした上で、「警備員の平均月収額は他産業と比べ約10万円、1日当たり約5000円少ない。この差を埋めなければ警備業に人は来ない。それは、労働集約型産業である警備業にとって滅亡を意味する」と、現状への危機感を示した。その打開策として「警備員への先行した賃上げが労務単価の上昇につながり、最終的に警備料金のアップとなる。“給料を上げると会社の利益が上がる”という料金メカニズムを理解し、実行する勇気を経営者は持たなければならない」と力説した。

青森警協「鳥インフル防疫」に協力2016.12.11

まん延防止 警備員、全力で

青森県警備業協会(柿崎忠雄会長)は11月29日、鳥インフルエンザ発生を受け、県の要請で「防疫措置」への協力を開始した。県内5か所の「消毒ポイント」では、警備員が関係車両を誘導、鳥インフルエンザのまん延防止に対応中だ。本紙は12月2日、2か所の消毒ポイントを取材した。

消毒ポイントでの関係車両の交通誘導警備業務には、11月29日の夜から青森綜合警備保障(柿崎忠雄代表取締役社長)が、12月2日からは三沢警備保障(佐々木仁代表取締役社長)とトスネット北東北(土岐保信代表取締役)の計3社が着手した。残りの消毒ポイントについても、青森警協加盟社の体制が整い次第、順次、業務に当たる予定だ。

2日午前、“暴風雪警報”が発令され、雨・あられ・雪が交互に吹き付ける悪天候の中、国道280号バイパス沿いの蓬田(よもぎだ)村内の消毒ポイントには、青森綜合警備保障青森支社のSS室警備課所属の村上知規係長(45)が従事していた。

村上氏は、通常はデスクワークを行っているが、今回の緊急事態を受けて現場に派遣された。同現場では6人の警備員が4時間交替の24時間体制で警戒。「畜産関係車両消毒ポイント」の看板を目にし、自主的に同ポイントに進入してくる関係車両の誘導に当たっていた。

同バイパスの新六枚橋付近の消毒ポイントには、トスネット北東北の三浦光春警備員(62)が、2日午前5時から従事。1人8時間の交替制で、24時間現場を警戒していた。

三浦氏は、前日まで建設現場での交通誘導警備業務に当たっていたが、その日の夕方に消毒ポイントでの業務を指示された。鳥インフルエンザについて聞くと「特に不安はありません。通常の業務と同じ、淡々とこなすだけ」との返事が返ってきた。

両消毒ポイントとも、県職員と警察官が待機。同ポイントに進入してきた農場関係車両を、警備員が消毒場所に誘導し、県職員が噴霧器で消毒。再び警備員が安全に公道に送り出す――という作業の繰り返しだ。

今回の鳥インフルエンザ防疫措置への協力は、家畜伝染病のまん延防止対策の一環として、平成25年に県と青森警協との間で締結された「家畜伝染病発生時などにおける交通誘導警備業務」協定に基づくもの。協定締結以来、青森警協は毎年、県など関係機関と訓練を実施してきたが、その内容は、県職員が防護服を着用する様子を見学するだけといったものだった。このため青森警協は、より実践的な訓練の実施を提案。今年8月と11月には、同意見が採用され、消毒ポイントの設置や大型車両の誘導などの訓練が行われた。

県農林水産部の小野正人・農林水産政策課長によれば、青森警協のほかにも県内の各種業界団体が、県との協定に基づき活動を展開中。バス業界は、現場農場で家禽の殺処分などに当たる県職員のピストン輸送に、建設業界は殺処分した家禽などの埋却に建設重機を投入して当たっている。

「防災基本計画」策定へ2016.12.1

四国地区連 南海トラフ巨大地震に備え

四国地区警備業協会連合会(北川豊彦会長=香川県警備業協会)は11月24日、高知市で「第35回臨時総会」を開いた。今年に入って熊本をはじめ、鳥取、福島など各地で地震が頻発。今後発生が予想される「南海トラフ巨大地震」に備えるため、四国の各県協会が連携し防災対策と災害支援に取り組む「四国地区防災基本計画(案)」が提案され、意見交換した。

会議には各県協会の会長、副会長、専務理事、全国警備業協会から青山幸恭会長と福島克臣専務理事が出席した。

四国地区連では協会相互の援助要請を有料で可能とする「災害時広域支援協定」を、平成12年に締結。今回はこの協定を元に、ボランティア精神で目的を達成することを基本方針とする新たな防災基本計画書を、全警協の「防災基本計画」を参考に策定する。

事務局は基本計画案について説明し、防災対策検討部会の設置、緊急連絡体制の確立、災害支援隊の設置、装備資機材の整備と支援物資の確保――などを提案した。今後、四国地区連で検討会を開催して協議を重ね、計画書の内容を詰めていくことになった。

青山会長は「本日、尾崎正直・高知県知事を訪問した。明日から2日間、県内黒潮町で『世界津波の日・高校生サミット』が開かれるが、県内では災害への関心が高まっている。警備業としてどのような貢献ができるか議論を重ねていく必要がある」と述べた。

北川会長と愛媛警協・二宮義晴会長は、各県協会において県警と締結した災害支援協定、特別講習講師をリーダーに編成した災害支援隊について、参考意見として、それぞれ発表した。

高知警協・国安秀昭副会長は「災害支援と警備業の情報交換という2つの観点から、今後、中国地区連と連携をとっていくことも検討の予知がある」との意見を出した。

また災害対策の一環として、「非常用マグネシウム空気電池」を各県協会に1個ずつ購入配布することを事務局が提案し、決議された。これは水を紙製容器に入れるだけで発電することから、災害発生時に携帯電話の電池切れによる情報の遮断を回避できる。