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不適正取引、実態明らか2018.12.01

「自主行動計画」で協会調査

「契約をしても、支払いのときには『これだけしか払えない』と一方的に値下げされた」「社保加入などを含め適正料金を説明しても理解されない」「お客さま(発注者)とは、対等の立場になることが難しく、『仕方がない』と諦めている」――<警備業における適正取引の推進に向けた自主行動計画>の進捗状況を調査したアンケートの結果は、警備業の苦渋に満ちた実態が浮き彫りになった。 

調査は先ごろ、地方警備業協会が不適正な取引の実情を把握して、今後の「自主行動計画」の周知と実効に役立てるため独自に実施した。内容は内部資料として“非公表”とされたが、本紙はアンケートの結果について、協会名を明記しないことで紙面化することになった。

調査方法は、現在までの3年以内に不適正な取引形態の有無について、アンケート用紙を郵送して匿名での回答を求めた。回答を寄せたのは加盟社の83パーセントに達し、警備業における不適正な取引への関心の高さがうかがえるものとなった。

とりわけ、警備員が50人以下の2号警備・事業所からの回答は全体の半数に及んだ。不適正な取引の事例報告では、赤裸々に窮状を訴える多くのコメントが寄せられた。主な設問への回答、コメント、まとめは次のようなものだ。

«不適正な取引の事例»(複数回答で多い順)▽警備料金の支払い時の減額▽発注内容の契約書面の不交付▽自社商品の購入と清掃など契約外作業の強制▽“買いたたき”と呼ばれる著しく低い警備料金の設定▽支払い代金の期日を守らない遅延など。

«不適正な取引であるのに、現行取引を継続する理由»(抜粋)▽不適正な契約内容は受注から排除、もしくは解除したいが、新規のユーザーの獲得が困難(27パーセント)▽現在の取引の依存度が高く、取引額も多くを占めており、継続をしなければ売上額が大幅に減少する(24パーセント)など。

«回答者のコメント»▽「立場が弱く、仕方がないと諦めている」▽「官公庁発注の臨時警備は、口頭による依頼で注文書・契約前書面の交付がなかった」▽「支払い時に『これだけしか払えない』と一方的に値下げされ、端数(1000円未満)を切られた」▽「業務終了の半年後にやっと代金が支払われた▽「料金が『他社より高い』と値切られ、社保加入の加料を説明しても理解されなかった」▽「発注の取り消しでキャンセル料をもらったことは皆無」など。

«協会まとめ»(抜粋)適正取引を強く訴えた結果として、取引打ち切りへの不安から現状維持を望み、いわゆる“泣き寝入り”の状況が垣間見えた。今後に開催予定の経営者研修会など、あらゆる機会を捉えて「自主行動計画」の周知施策を推進しなければならない。