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ラグビーW杯「警備業界の力」結集2019.8.21

経験を「東京2020」へ

ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の開幕まで1か月となった。開催期間が1か月半と長く多くの来場者が見込まれることに加え、近年は国際スポーツ大会がテロの標的になることが多いため会場内外での厳重な警備が求められる。会場内外ともに警備業務を落札した企業に加え多くの協力企業が業務にあたり、警備業界が力を合わせて取り組む。業務に当たる警備各社はW杯警備の経験を東京オリンピック・パラリンピック競技大会(東京2020大会)警備に生かしたい考えだ。

アジア初開催となるラグビーW杯日本大会には20か国が出場し、全国12都市で9月20日から11月2日まで48試合が行われる。国内外から200万人の来場が予想されており、うち海外からの来場者数は約40万人と見込まれている。

警備は会場内と会場外でとりまとめる組織が異なる。会場内は「ラグビーワールドカップ2019組織委員会」(御手洗冨士夫会長=キヤノン会長)が、会場外は開催都市が担当。会場内警備は昨年9月に、会場外警備は今年3月から5月にかけて入札があり担当する警備会社が決まった。会場内外ともに落札した大手警備会社に加えて、多くの地元警備会社が参加して力を合わせて取り組む。

会場内警備はセコム(東京都渋谷区、尾関一郎社長)、シミズオクト(新宿区、清水太郎社長)、ALSOK(港区、青山幸恭社長)が落札した。警備計画がまとまっていないため最終契約が済んでおらず、試合ごとの警備人数は未定。現時点では会場規模にもよるが、1試合につき警備員やスクリーニング(手荷物検査)担当、誘導員などを含めて500〜1000人ほどになると見られる。

会場外警備は、自治体によって競技場までのバス輸送やイベント運営を含めた一括受注や、警備のみの受注などに分かれている。輸送を含めた一括受注の場合は旅行会社や広告代理店が落札したが、警備は大手や地元の警備会社が行う。

いずれの会場も自家用車での来場を認めておらず、最寄り駅からの徒歩かシャトルバスでの来場となる。駅から近い会場の場合はラストマイル誘導、駅から離れている会場の場合はシャトルバスの誘導や駐車場整理、会場までの誘導などが業務となる。

警備業界には長期間にわたる国際スポーツイベントということで会場内警備、会場外警備ともに来年の東京2020大会に向けたテストの意味合いもある。特に普段は雑踏警備を行わないセコムやALSOKなど大手警備会社は、W杯で得た経験を東京2020大会に生かしたい考えだ。

最低賃金、初の1000円超え 東京と神奈川で2019.8.01

全国平均は901円に 4年連続3%アップ

中央最低賃金審議会(委員長=藤村博之法政大学大学院教授)の小委員会は7月31日、2019年度の「地域別最低賃金額改定の目安」を取りまとめた。引上げ額の目安は全国26〜28円で、全国加重平均の最低賃金額は901円。4年連続で3パーセントアップとなった。また、東京と神奈川では初めて1000円を超え、政府目標に一歩近づいた。

引上げ額の目安は、全国をA〜Dランクの4ランクに分けて示され、前年度に比べてA〜Cが1円、Dが同3円、それぞれアップした。各ランクの引上げ額の目安は次の通り。

▽Aランク(埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪)=28円。

▽Bランク(茨城、栃木、富山、山梨、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島)=27円。

▽Cランク(北海道、宮城、群馬、新潟、石川、福井、岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、徳島、香川、福岡)=26円。

▽Dランク(青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)=26円。

地域格差是正のため、AランクとDランクの引上げ額差は2円と、昨年度の4円から縮小が図られた。

全国平均の引上げ額は対前年度比1円アップの27円。目安どおりに引き上げられれば平均最低賃金額(時間給)は901円となる。最低賃金が時間給で決まるようになった2002年度以降で最高額となり、東京と神奈川では初めて1000円を超える。新たな最賃額は今後、地方最低賃金審議会での議論を経て、今秋にも発効する予定。