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千葉地裁判決「休憩、仮眠は労働時間」2017.5.21

警備員の主張認める

千葉地方裁判所は5月17日、大手警備会社で働く警備員が「スーパーでの夜間警備の休憩時間と仮眠時間中も仕事は続いていた」として賃金の支払いを求めていた裁判で、警備員の主張を全面的に認め、会社に未払いの割増賃金などの支払いを命じた。

警備員Aさん(52)は以前、2つのスーパーに施設警備員として勤務していた。夜間は、1人勤務と3人勤務だった。

1人勤務の現場では、夜間に仮眠と仮眠前に30分の休憩が設けられていたが、ともに仮眠室での待機と緊急時の迅速な対応が義務付けられていた。

3人勤務の現場では、休憩や仮眠が交代で行える状態だったが、会社から緊急時には3人で対応するよう指示されていた。

このためAさんは平成25年7月、「両現場で勤務していた時の休憩時間と仮眠時間は労働から解放されない労働時間だ」とし、その間の未払いの割増賃金の支払い求めた。

また、提訴を機にAさんは、会社から夜間警備勤務から外され、実質的な大幅な減給処分を受けたことから、提訴を原因とした不当な配置転換による嫌がらせだとし、慰謝料の支払いを求めた。

訴えに対し千葉地裁の小濱浩庸裁判長は、両現場での休憩時間と仮眠時間を労働時間と認定し、請求額とほぼ同額の未払いの割増賃金と付加金(労働基準法に基づく制裁的な金銭の支払い。未払い額を上限)の計約180万円の支払いを会社に命じた。慰謝料については訴えを退けた。

判決についてAさんの代理人の黒葛原(つづらはら)歩弁護士は「警備業の役割は大きい。しかし、警備料金は買い叩かれやすく、コスト削減のしわ寄せは現場警備員の待遇に跳ね返ってくる。会社は今回の判決を機に“安全安心には対価が必要”というメッセージを社会に送り、賃金原資の確保に努めてほしい」と語った。

春の叙勲 愛知・松本、岐阜・幾田両氏に栄誉2017.5.1

23年秋以来、2氏同時受章

政府は4月29日付で平成29年春の叙勲受章者を発表した。警備業からはガード・リサーチ代表取締役で愛知県警備業協会会長の松本圭一氏(70)とセキュリティー代表取締役で岐阜県警備業協会会長の幾田弘文氏(70)の2氏が旭日双光章を受章した。警備業界の受章者は21人となり、2氏同時受章は「平成23年・秋の叙勲」以来で、同じ中部地区警備業協会連合会からの受章だ。

松本圭一(まつもと・けいいち)氏は、昭和47年12月「ガード・リサーチ入社」。63年10月代表取締役に、平成23年10月には代表取締役会長最高経営責任者就任した。

警備業協会では、昭和63年4月の愛知県警備業協会理事就任をスタートに、平成4年4月同副会長、24年4月同会長に就任。同年4月中部地区警備業連合会会長、同5月に全国警備業協会副会長に就任した。

主な受賞は、平成9年6月と21年6月の愛知県警察本部長・愛知県警備業協会会長連名表彰。25年5月の警察庁長官・全国警備業協会会長連名表彰など。

平成16年、若手経営者が集う検討会をスタートさせ、23年8月「青年部会」を正式に立ち上げた。また、24年4月、各都道府県警備業協会の中でも早期に一般社団法人へ移行した。平成25年9月には、全国に先駆けて加盟社の「社会保険加入調査」を行った。

幾田弘文(いくた・ひろふみ)氏は、昭和63年7月にセキュリティー入社。平成5年9月代表取締役社長に就任した。

警備業協会では平成8年4月に岐阜県警備業協会理事に、11年6月同副会長、22年4月に同会長に就任した。

主な受賞は、平成13年5月の岐阜県警察本部長・岐阜県警備業協会会長連名表彰。23年5月の全国警備業協会会長表彰。25年5月の警察庁長官・全国警備業協会会長連名表彰など。

平成28年の「警備の日」にちなんだ〈子ども作文・絵画〉と〈警備員や家族による写真〉のコンクールの実施。29年4月には営業マン育成のための「営業担当者研修会」の開催など、アイデアあふれた協会運営を行っている。平成24年9月の天皇、皇后両陛下が開会式にご臨席された「ぎふ清流国体」では、大会警備本部長として地元警備会社6社のJV・警備員1500人を陣頭指揮した。