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警備業ヒューマン・インタビュー
――SNS広報2023.11.21

杉山喜乃さん(トーセイコーポレーション代表取締役)

<<SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用した広報に取り組んでいるそうですね>>

私は3年前に代表取締役に就任してまもなく、広報部と人事部、MIRAI(みらい)部の3つの部署を設置しました。

当社では若い社員が企画や撮影、編集を行ってインスタグラムやX(エックス)、TikTok(ティックトック)などにアップし、会社の取り組みや日々の出来事を発信しています。SNSは警備業のイメージアップを促進する術でもあります。

当社には幅広い年齢層の社員が在籍していますが、現在は未来を担う「若年層」の採用に注力しています。静止画ではなく動画を配信することでオフィスの雰囲気などが伝わりやすく、「楽しそうな職場だと感じたので」と応募してくる人が増えました。

YouTubeは広報担当者の質問に私や総合職、隊員が答えるコンテンツを配信しています。今後は警備業のイメージがより向上する内容、当社と当社の仕事を知ってもらう内容にしていきたいと考えています。

<<SNSの他にも、何か新しい取り組みを進めていますか>>

「MIRAI部」では、さまざまな取り組みを行っています。例えば、月に1回「グルメの日」を設けて社内で食事会を開いています。先日はカボチャシチューやクッキーを作って、ハロウィーンパーティーを開きました。「グルメの日」は、日々現場への直行直帰の業務でなかなか顔を合わせる機会のない社員同士のコミュニケーションの場にもなっています。

社員の誕生日には一人ひとりに向けた私からのコメントを、社内の掲示板に載せるのと同時に、グループLINEで配信しています。MIRAI部では今後もさまざまな企画やイベントを考えており、その内容は逐次発信していきたいと計画しています。

<<8月にはAI交通誘導システムの見学会を主催し、多くの参加者が集まるデモンストレーションを行ったそうですね>>

きっかけは、今年の春に都内で開催されたセキュリティーイベントを見学したことです。会場でAI交通誘導システムを展示していたブースに立ち寄って説明を聞き、静岡県内で初のデモンストレーションを開催することになったのです。

沼津市内の自動車学校を会場に、静岡県警備業協会の立川勝彦会長をはじめ警備業関係者、行政関係者、建設業協会会長と建設業関係者など180人以上の方々に参加していただき、盛大なデモンストレーションとなりました。

MIRAI部で企画をして会場に2枚のサイネージ(電子掲示板)を設置し、当社で作成したプロモーション動画を流しました。ノベルティグッズや飲み物を用意したイベント色の強い内容にして、参加した方々に楽しんでいただきました。

会場の皆さまには、警備業の新たな可能性を感じてもらえたことと思います。業界では今後も人手不足が課題となることから、従来の固定観念にしばられず、業務の効率化や省人化を実現するDX化の流れに身を置くことが大切だと感じています。

<<杉山社長が警備業に携わるようになった経緯は?>>

私の父は50歳のときに大手食品メーカーを早期退職し、当社を立ち上げました。数人の社員と貸事務所でスタートし、私も内勤として働くようになりました。

その後、父が病気で倒れ、数年後に亡くなり、私が代表取締役に就任しました。私は新たに「誇り、発想力、速度」という経営理念を打ち出しました。

自分が置かれた全ての立場で「誇り」を持つこと、物事から常に何かを感じることを大切にして「発想力」につなげること、全てのことに「速度(スピード感)」を持って動くこと。それらを社員一人ひとりが常に意識することが、各自の成長と会社・業界の発展という未来につながっていくと思うのです。

<<多忙な毎日です。息抜きは何ですか>>

私は小学生の頃から今日まで、長い間水泳を続けています。学生時代は毎日4〜5キロを泳いでいました。水の中で聞こえる水音が好きで、心が整う気がするのです。

競泳の試合には自由形で出場していました。そのころ培われた「負けず嫌い」が経営者となった現在、仕事に活きているのかもしれません。

喜怒哀楽を自然に表現しながら自分の声に耳を傾け、時代に合わせて会社を進化させ続けたいと思います。

警備業ヒューマン・インタビュー
――管制・採用担当2023.11.11

菅野裕一郎さん(セフティコミニケーション警備部課長)

問題聞く機会、設ける

<<今年3月から課長職に昇進されました>>

管制をメインに採用、書類作成、営業などの業務を担当しています。課長はグループ会社では支店長と同様の立場で、多くの業務に携わっています。

<<会社は創業から30年を超え、交通誘導警備が主力業務です>>

現場は東京23区の東寄りが基本的なエリアですが、最近は23区外からの依頼も増えてきました。既存のお客さまの紹介で新規の仕事をいただくことが多くなり、神奈川や千葉など他県からの依頼もあります。

依頼が増えている要因は、折衝を通して工事の現場監督の意図を汲むことができる「隊長」がおり、隊長からの指示を受けた警備士がしっかり動いていることだと思います。

事故がないことも信頼につながっています。お客さまからは急な業務や警備士増員の依頼もありますが、管制が対応しています。

イベント警備にも力を入れてきました。昨年、東京中央警備業協同組合に加盟したことで、花火大会や祭り関係の仕事を受注できるようになりました。

<<警備業界では人手不足が叫ばれています。状況はどうですか>>

今年は20人が入社し、定着してくれています。人材確保については警備業だけでなく、飲食業やコールセンターなど他業種の成功事例を聞いて取り入れてきました。

1つはレスポンスを早くすることで、応募を受けて5分以内に電話をすればつながる可能性が高く、面接に来ていただける確率が上がります。

面接には1時間から1時間半をかけます。希望を聞いて勤務シフトを調整し、警備業務の内容を伝えて食い違いがないように気を付けています。

応募した人に電話をしてつながらなかったときは、携帯にショートメールを送るようにしています。人手に関しては協力会社に頼らずに、自社でできるところまで体制が整ってきました。

新任研修にも力を入れており、自社内で資料を作って研修に活用しています。交通誘導警備の現場を知るため現場で使われている車両の写真を載せたり、法律の知識は分かりやすい説明を心掛けるなどさまざまな工夫をしてきました。今後、ドライバー目線での警備士の危険な立ち位置などを伝える動画も取り入れていきたいと思います。

<<警備料金の確保は順調でしょうか>>

採用活動での尽力が功を奏して人材確保は順調で、売上の上昇につながっています。料金交渉では「よくやってくれているから」とお客さまの方から値上げの話をいただくこともあり、警備士や管制の日頃の対応が評価されていると感じます。

上がった料金は少しでも還元して働きやすい環境作りを実現させようと、空調服や無線機を会社から全警備士に配備してもらいました。

女性警備士の日焼け止めなどの費用に充ててもらう「サマーケア手当」を導入したり、お客さまから評価を受けた警備士の社内表彰も行っています。

<<良い流れができつつある中、今の課題はどんなことでしょう>>

契約業務のジャンルが偏っていることです。交通誘導警備では水道、下水道工事関係の割合が多く占めています。それらの仕事を大切にするとともに、ジャンルの幅を広げていこうと取り組みを進めており、最近は造園や道路調査関係の契約を取ることができました。

当社では「隊長会」「女性会」「新人会」「一般警備士会」の4つの会合を定期的に開催し、それぞれの立場で抱えている問題を会社が聞く機会を設けています。それらの会は、働く環境や採用の取り組みを一層良くしていくためにできることを考える場になっています。

警備士はみんな口をそろえて「居心地がいい」と言ってくれます。会社を一時離れ他社の勤務を経験して、再び戻ってきた人もいます。

<<警備業界を見て、思うところはありますか>>

会社から昇進などのチャンスをもらえる環境と分かってもらえたら、門をたたく若い人が増えるように思います。私もよいきっかけやチャンスをいただいて、頑張って続けられました。入社して3年ぐらい交通誘導警備の現場を経験したことは、管制業務に生きています。願いとしては、同世代の内勤者や警備士がもっと増えてほしいと思います。

警備業ヒューマン・インタビュー
――青年部活動2023.11.01

島本久嗣さん(日章警備保障代表取締役)

建設業と交流、視野広げた

<<石川県警備業協会の青年部会長を今春まで4年間務められました>>

青年部会は、社業で多忙な部会員が所属会社の理解を得て、一致協力することでさまざまな活動を展開することができます。

私たちは警備業の認知度アップに向けて「警備の日」をPRし、社会貢献として通学路の見守りやボランティア清掃などを重ねました。コロナ禍で活動に制約を受けたものの、メンバーは「LINEグループ」で情報を共有し活発に意見交換してコミュニケーションを深めてきました。

<<印象深い活動は何でしょう>>

異業種交流として、石川県建設業協会・建設青年委員会の皆さんと昨年9月に開催した意見交換会は、とりわけ有意義な経験となりました。

警備業も建設業も、離職防止や働き方改革など共通の課題を抱えています。県建設業協会に青年部会があると知って、課題克服に向けて青年部同士で現状などを話し合うことを提案しまして実現したのです。

私たちは警備料金の上昇傾向や配置路線に対応する資格者の育成などを説明するとともに、建設業法、施工体制台帳、建設工事における警備業の位置付けなどに認識を深めました。

雨天中止などのキャンセル料については「警備会社ごとに支払いの基準が異なっているが、共通の基準を決めてはどうか」との提案がありました。契約書に「付帯業務の有無」を明記する重要さも確かめました。共通する課題と向き合う同世代の建設業の方々の思いを聞いて“視野が広まった”と感じたのです。職場環境の改善は現場任せにせず会社全体で推進すること、女性も働きやすい職場づくりは大切であることなども確認しました。

こうした異業種交流を通じて得た情報やヒントを各社・業界の取り組みに活かすことは、課題克服の糸口につながるのではないかと考えています。

また、警備業の広報活動、インターネットなどの有効活用も青年部が担う役割と思います。

<<石川警協ホームページでは、会員の警備員が出演して警備業を紹介する動画「地域の安全を守る〜警備の仕事」が公開中です>>

動画は4本で、1号〜4号の業務をそれぞれ紹介しています。青年部会のメンバーが映像制作会社と綿密な打ち合わせを重ね、制作期間は半年に及びました。

警備業について、より多くの人に知っていただくことは警備員に対する理解、地位の向上に結び付くと思います。公開中の動画をきっかけに、自社のホームページやSNSで警備業を広報する会員企業が増えればと願っています。

私は今春に青年部会長を退任して、協会監事を務めています。青年部は田口善朗部会長(北陸名鉄開発)のもと“OneHeart(心を一つに)”で取り組みを続けて、良い結果につながることを楽しみにしています。

<<社業では、交通誘導警備業務を主に手掛ける『日章警備保障』(金沢市)の代表取締役を務めています>>

当社は来年、創業30周年を迎えます。私は代表に就任して9年目ですが、教育の充実、資格取得の推進を図っています。

入社した警備員には、交通誘導警備2級の資格取得を目標に努力してもらい、取得の費用は会社が負担します。何回もチャレンジする社員もいて、本人があきらめない限り応援を続けます。資格を取得すると自信が生まれ、より高いプロ意識を発揮し、顧客満足を高めることにつながるものです。

交通誘導警備では近年、AIによる交通誘導システムの活用が全国で広がりつつあると聞きます。当社は、警備員が無線制御式の工事用信号機を操作する「GS(ガードシグナル)システム」(日立国際電気ほか開発)を石川県内では初めて導入し20年になります。片側交互通行規制の現場で、GSは当社警備員の“相棒”となって安全を守っています。

警備業はマンパワーの仕事であり人材育成こそ原点と考えていますが、育成とともにDX(デジタルトランスフォーメーション)時代に対応することも重要になっています。警備現場の改善に向けて、より安全で警備員の負担を減らす環境整備や労務管理システムの導入を進めていきます。

警備業界を取り巻く環境は依然として厳しいですが、より多くの若者、子供たちが「警備員さん」に親しみを持ち、将来は就職の選択肢に警備員を入れるよう、未来へ架け橋をつなぐ思いで青年部活動に携わってきました。より良い未来像を描いて取り組むことが大事だと思います。

協会活動、青年部活動、会員各社の取り組み、それぞれが相乗効果となって警備業の地位が高まっていくことを願っています。