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警備業ヒューマン・インタビュー
――広報活動2024.05.01

入里健二さん(セキュリティスタッフ専務取締役)

警備員の言葉、伝えたい

<<福岡県警備業協会の広報委員長を務めて10年目、情報発信に取り組まれています>>

広報委員会は、協会加盟企業に向けた広報誌「SECURITY FUKUOKA(セキュリティ福岡)」を制作しています。年に3回編集・発行し、昨年秋に100号の節目を迎えました。

最新の101号では、協会創立50周年記念式典・講演会・祝賀会の様子と、周年行事に携わった関係者の思い、賀詞交歓会や経営者研修会、博多駅前などで行った「警備の日」街頭キャンペーン、さらに特別講習合格者のお名前など盛りだくさんの46ページです。

<<最新号やバックナンバーは協会ホームページで公開され、スマートフォンで閲覧できます>>

「セキュリティ福岡」は加盟企業に毎号1冊が送付され、内勤の社員は回覧できますが、現場へ直行直帰の警備員は手に取ることができません。そこで「時代にふさわしくスマホで手軽に見ることができれば」と関係者で話し合い、誌面のPDFファイルを公開しています。経営幹部に限らず警備員の皆さん、一人でも多くの警備業に関わる人たちに読んでいただきたいとの思いを込めています。

さらに、一般の方々もインターネットで「セキュリティ福岡」に触れて、警備業についての知識が少しでも増えるきっかけになれば大きな喜びです。

慢性的な警備員不足が業界の課題となる中で、まだ数は少ないながら「スマホでセキュリティ福岡を見て、警備の仕事に親近感を持ちました」という求職者が警備会社の面接を受けに来るようになっています。

<<業界の内外に向けた警備業PRで、工夫していることは?>>

年間の協会活動について会長あいさつや各行事の写真を交えて周知を図るとともに、警備の第一線で働いている皆さんの言葉を発信していこうと心掛けています。

3年ほど前、当時の専務理事の提案で「セキュリティ福岡」をリニューアルすることになり「表紙は毎号、警備員に登場してもらおう」「最後の1ページまで読みたくなるものにしよう」などの意見、アイデアが活発に飛び交いました。新しい企画として、私が加盟企業に出向いて経営幹部や入社1年未満の警備員にインタビューするコーナーが始まりました。そのタイトルは『広報委員長のチョッと、お邪魔してよかですか?』。少しずつ加盟企業に浸透しまして好評連載中です。

先日、交通誘導警備に従事する20代の女性警備員にインタビューした時、こんな言葉を聞きました。彼女は友人から「どうして警備員を選んだの? しんどい仕事でしょう」と言われて、「警備は世の中に絶対に必要な仕事だよ」と答えたそうです。

ひたむきに業務に取り組む人々のさまざまな言葉を広く伝えることで、警備業の認知度アップにつながってほしいと願っています。

今後は協会ホームページをさらに活用し、タイムリーな情報発信を行いたいと関係者一同で準備を進めています。恒例の「11月1日は警備の日」キャンペーンも、加盟企業から一層の協力を得て今まで以上に盛り上げていきたいと考えています。

<<社業では奥さまの入里真弓代表取締役と「セキュリティスタッフ」を経営しています>>

地域に密着した交通誘導警備、雑踏警備などを手掛け、早いもので設立23年目を迎えました。

設立当初は建設会社や土木会社を駆けずり回って営業したものですが、その後、リピーターのお客さまに恵まれました。弊社の警備員が資格取得に励むなどして技能を磨き、お客さまの期待と信頼に応えて今があると思っています。

また、警備業とは直接関連のない異業種の団体に複数加盟して活動してきた中で、多くの仲間と出会いました。その仲間から「イベントを開くので駐車場の警備をお願いできないか」「防犯カメラを取り付けたい」などの相談を受け、業務受注の機会が広がりました。

<<福岡市西区内の警備業者による「西警察署警備業防犯連絡会」の活動を重ねてきました>>

会長を務めて17年目になります。西警察署の担当官の方々と連携して「女性と子どもを犯罪から守る」活動、防犯教室の開催や通学路のパトロール、防犯ブザーの配布などに会員は一致団結して努めてきました。

こうした防犯ボランティア活動は、地域に根ざして皆さまとのご縁を大切にして成長してきた警備業者として恩返しの一つです。

作家で講演家の中村文昭氏の言葉「頼まれごとは試されごと」を座右の銘としています。人から何かを頼まれるのは自分を信じてくれているからと思って行動してきました。これからも社業と併行して、協会広報委員会の活動、地域社会への恩返しに取り組んでいきます。