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視点

企業サイト2024.06.01

発信力高め、閲覧者増へ

改正警備業法が4月に施行された。都道府県公安委員会が交付していた「認定証」は廃止され、警備業者は、認定の有効期間などを記載した「標識」を作成、掲示している。標識は、主たる営業所の見やすい場所と、自社ホームページなどのウェブサイト、両方に掲示することが義務付けられている(一部免除の規定がある)。

警備会社に業務を依頼したいと考えているユーザーなどを含め誰もが、スマートフォンで警備各社の標識を確認することができる。社会全般のデジタル化に向かって、国が急速に取り組みを進めていると実感される。法令順守に関わる標識の掲示によって、警備会社のウェブサイトは今まで以上に重要なものとなった。

企業サイトは“会社の顔”であり、顧客や顧客候補などが閲覧することから“年中無休の営業マン”といわれる。人材確保においても重要な役割を担っている。数年来、警備各社のサイトは新規の開設や大幅リニューアルが行われ、発信される情報量は大いに増えていると感じられる。

自社が提供する業務の質の高さを示すため、警備業務検定など各種の資格を持つ社員の人数をサイトに掲載する警備会社は多い。なかには「『国家資格・交通誘導警備業務2級』の取得に必要な費用を、当社は全額負担します」として、試験勉強に向けてアドバイスを行うなど社員を応援する体制を整えていることを丁寧に説明している会社も複数ある。

警備員の育成にはコストが掛かり、法で定められた新任・現任教育に加え、国家資格である検定取得や社内研修などでスキルを磨き、顧客満足度を高めている――こうした警備業者の絶え間ない取り組みは、まだまだ世間一般に知られていない。自社が教育に力を注ぎレベルアップを図っていることについて積極的に発信することは、企業の信頼や認知の向上に結び付くに違いない。

教育に加えて、処遇改善、福利厚生の充実、熱中症防止策などの取り組み、社内の親睦行事や地域貢献活動などを実践して、タイムリーに発信する。サイトを訪れる顧客候補者、求職者が求めている情報を伝える。その積み重ねによって発信力はより高まり、サイトの閲覧数は増えることだろう。

多くの求職者がインターネット上で求人情報を収集し、企業サイトを見た上で応募するか決めるといわれる。社業の魅力について各社サイトでは、さまざまなアピールが行われている。

ある警備会社のサイトでは、降りしきる雨の中で合羽を着た警備員が拡声器を使ってイベント警備に奮闘するドキュメント動画などを公開している。その趣旨について、経営者は「警備の仕事を美化せず“ありのまま”を伝えることが必要です。美辞麗句でPRしても、入社した人が“現実は違った”と感じれば早期に離職してしまう」と話した。

「この会社で警備の仕事をして良かった」といった思いを警備員や内勤者が率直な言葉で語る動画などは、求職している人の心に触れるのではないか。

警備業の認知度アップに向けた広報活動は、業界にとって喫緊の課題となっている。都道府県警備業協会の青年部会などによるPR活動と、企業各社の情報発信の輪が相まって「警備員の仕事」に対する社会の認知度が一段と高まってほしい。

【都築孝史】