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熱中症対策強化 連名で要請2025.07.21

厚労省、警察庁、国交省「警備業に建設業は協力を」

厚生労働省、警察庁、国土交通省の三者は7月4日、「建設現場での警備員と建設業従事者に対する熱中症予防対策強化」を警備業と建設業に要請した。三者連名による両業界への要請は初めて。熱中症予防対策強化のために厚労省が6月1日に施行した改正労働安全衛生規則を受けた。要請に国交省の工事発注部門や建設業所管部門も加わったことで警備業の熱中症予防の取り組みへの建設業の理解と協力が期待される。

要請したのは、厚労省が職場での熱中症予防対策を所管する労働基準局労働衛生課、警察庁は警備業を所管する生活安全局生活安全企画課、国交省は工事発注部門の大臣官房技術調査課や建設業団体を所管する不動産・建設経済局建設業課など。

要請を受けたのは、警備業は全国警備業協会(村井豪会長)、建設業は全国建設業協会(今井雅則会長=戸田建設会長)など100超の団体や機関。両業界団体に加え、国交省の地方整備局など直轄工事発注担当部局、地方公共団体に対しても通知された。

要請は、熱中症予防のために「建設工事の発注者」「工事の元方事業者(元請け、ゼネコン)」「警備会社」などの主体ごとに次の“望ましい”取り組み事項を明示した。

【工事発注者】

▽警備員による熱中症予防も含め、施工時の安全衛生確保のための適切な熱中症対策の施設対応や、水分・塩分補給・身体を冷却するための衣服などの備品対応に必要な経費計上などの配慮を行う。

▽受注者(元請け建設会社)より熱中症対策の強化の観点から、酷暑時の作業時間短縮、工事内容や工期の変更の申し出があった場合は、誠実に協議に応じ、発注者のルールに従って適切に対応する。

【工事の元方事業者】

▽警備業務を発注する場合は、国交省通達に基づいて作成した標準見積書に熱中症対策に必要な経費の明確化に努める。

▽警備会社から、熱中症対策強化の観点から必要な資機材の確保や交代要員も含めた人員の確保に必要な経費について申し出があった場合は、誠実に協議し、必要に応じて発注者と協議の上、必要な経費の確保に努める。

▽現場全体の熱中症対策に関する計画を策定する場合は、警備会社との事前協議により警備員の休憩時間確保など警備員を考慮した内容とする。

▽建設現場で工事従事者が使用可能な休憩施設や水分・塩分補給のための設備などを設けた場合は、警備員も利用可能とする。

【警備会社】

▽警備員の熱中症を予防するために、必要な資機材の確保や体調不良者が生じた場合に備えた代替要員を確保するための経費が必要な場合は、内容を明確にした上で、元請け建設業者と協議の上、その確保に努める。

▽元請け建設業者と事前協議し、熱中症予防も含めた建設業者が行う現場全体の安全衛生確保に向けた取り組みに協力するとともに、同内容を警備員に周知する。

▽建設現場に設けられた休憩施設や水分・塩分補給のための設備などの利用に当たっては、適切に利用できるよう警備員に必要な周知・指導に努める。

▽警備員の負担軽減に資する作業方法(座哨警備)、服装(ファン付きベストや通気性・遮熱性の高い制服)――などを採用する。

解説

厚労省が6月1日に施行した改正労働安全衛生規則により、警備事業者にも「熱中症発症者の早期発見のための体制整備」と「重篤化防止措置の実施手順の作成」、これら措置の「関係作業者への周知」が罰則付きで義務化された。

一方で、建設工事現場で交通誘導警備業務に従事する警備員は、工事従事者とは異なる場所に配置、昼休憩時間などでも警備業務を行うなど長時間にわたる拘束があり、警備員が熱中症を発症した場合に周囲からの察知が遅れやすい。工事規模・場所によっては、警備員が自宅と現場との直行直帰や単独での現場配置などを余儀なくされ、会社の管理や目が行き届かないケースもある。このため、警備会社のみでは改正安衛則に基づく措置の確実な実施が困難な場合がある。

厚労省が行った都内警備業者へのヒアリングでも「警備業務を発注する建設会社や工事発注者の理解と協力が不可欠」との指摘があった。

要請は、これら警備業者の声や警備現場の実情を反映。警備業と建設業、発注者が一体となった取り組みが期待される。

「熱中症対策、一層の強化を」2025.07.11

警備業全国安全衛生大会

全国安全週間中の7月2日、全国警備業協会(村井豪会長)は27回目の「警備業全国安全衛生大会」を都内で開いた。全警協労務委員会(佐々木誠委員長)の委員、都道府県警協の専務理事、来賓として警察庁・檜垣重臣生活安全局長が出席。「労働災害ゼロ」に向け大会宣言を採択した。

冒頭、警備業の労働災害で昨年亡くなった27人と今年に入って亡くなった7人に黙とうが捧げられた。

村井会長は、企業の熱中症対策が6月から罰則付きで義務化されたことについて「これまでの努力義務的対策から法律上の義務へと大きく変化し、一層の対策強化が求められる」と指摘。改正規則のパンフレット配布などで加盟員に周知を図ったことや、全警協の労災事故防止対策の推進を強調した。労働環境改善の一環として紫外線から警備員の目を保護する「サングラス着用に関するガイドライン」を4月に策定したことに言及。全警協と各警協が一体となった各種施策のさらなる推進を呼び掛けた。

佐々木委員長は、次のような大会宣言を読み上げた(抜粋)。

「熱中症対策は命を守る最重要課題であり、メンタルヘルスを含む健康管理も大きな課題である。労働災害ゼロを実現するためには、経営トップが現場の声に耳を傾け連携を強化し、デジタル先進技術の導入、業務の効率化と安全性の向上を図って安全文化を醸成し、惜しみない努力を重ねていかなければならない」。

労災防止作品の入選者が表彰された(両部門1〜3位、敬称略)。

<アイデア>(1)「大規模地震における警備員の受傷について」竹内淳(東京、NECファシリティーズ)(2)「警備員に対するカスタマーハラスメントによる労働災害防止について」福田智子(栃木、北関東綜合警備保障)(3)「ヒヤリハット事案の重要性」西村まゆみ(石川、北陸綜合警備保障)

<ポスター>(1)川又洋介(栃木、北関東綜合警備保障)(2)橘潤耶(大阪、綜合警備保障)(3)佐藤麻衣(千葉、ファンタスタッフ)

滋賀警協 青年部が発足2025.07.01

「次代担う」29人入会

滋賀県警備業協会(井上雅裕会長)は6月19日、「青年部設立総会」を大津市内で開催した。会員企業から満50歳以下の経営者、経営幹部など29人が青年部に入会。初代部会長に澤井敬輔氏(アダムスセキュリティ代表取締役)が就任した。

滋賀警協青年部は、次代を担う若手経営者の育成を図り、警備業界と協会のさらなる発展に向けて▽会員の経営力向上と資質向上▽警備業界の地位向上、社会貢献▽警備業界の広報、ブランディング――などの事業に取り組むとしている。事業費には全警協からの補助金を充てる。

澤井部会長は就任あいさつで「全国的な青年部活動を見ると当県のスタートは遅い方だが、多くの部会員が集まっている。人数が多いことは組織の力を発揮していくために重要であり、地域社会の警備業発展に向けて一丸となって活動を進めていきたい」と決意を述べ、協力を呼び掛けた。

今年度の事業計画では、幹部研修会や経営者研修会、他府県青年部会との交流会の企画開催や、9月20日に県建設業協会などが参加して開催される「滋賀けんせつみらいフェスタ」にブースの出展を予定。協会事業への協力として「琵琶湖の日」に合わせた清掃活動、県警と連携した街頭啓発活動などに取り組む。

設立総会の冒頭、井上会長は「切磋琢磨して意見を交わし、警備業界の社会的地位の向上や、業界をアピールする広報活動に取り組み、『全国青年部会長等会議』などで当県からの情報発信を期待しています」と激励の言葉を贈った。

都道府県警協の青年部会は滋賀警協を含め設置は43を数える。鳥取警協も5月の定時総会で設立を表明した。北海道と東北6県による青年部サミット、関東10県による防犯啓発キャンペーンなど「地区連単位」の各種活動も展開中だ。

震災の教訓や災害復興をテーマとする宮城・石川両警協の青年部交流会、業界の内外から講師を招いて開催する複数県による合同研修会など、近年の青年部活動は連携と多様化が進んでいる。

「力合わせ、警備業もり立てたい」

滋賀警協青年部の役員就任あいさつで、三吉麻弥副部会長(SCC)は「若い力を合わせて警備業をもり立てていきたい。私は(女性経営者として)、警備業の女性活躍についても担っていければ」と抱負を述べた。

辻󠄀幸樹理事(コトナ)、竹内美来理事(NYS)の両氏は、青年部活動への意気込みをそれぞれ話した。

西本篤志監事(富綜)は次のように述べた。「今秋に県内で開催される『国スポ・障スポ』で“滋賀の警備員さんは素晴らしい”と感じる人が増えてほしい。会員企業が一致団結し資質向上などの取り組みを進めることは業界発展に結び付く。協会と青年部のタッグによる活動を通じ、一層魅力とやりがいのある警備業界になればと思っています」。