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警備業への影響広がる2020.04.21

「緊急事態宣言」全国に

政府は4月16日、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、同対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」の対象地域を全国に拡大した。感染が全国に広がっていることなどを受けた措置で、全国の警備業にも深刻な影響が広がっている。

政府は4月7日に東京など7都府県に初の緊急事態宣言を出した。しかし、宣言対象地域からの人の移動で感染が全国に広がっていることや、5月の大型連休期間中の人の移動を抑制するために対象地域を全国に拡大した。

新たな緊急事態宣言の期間は、東京などに出した7日の宣言と同じ5月6日まで。期間中、各都道府県は、国と連携した外出自粛要請や興行場・催し物の制限、学校などの使用制限などの要請・指示などの措置が可能となる。

北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都の6道府県は「7都府県と同程度にまん延が進んでいる」とし、すでに宣言を出している7都府県とともに「特定警戒都道府県」に位置付け、特に重点的に感染拡大防止の取り組みを進めていく。

警備業は、イベント警備をはじめ、商業施設などの営業自粛などで施設警備にも影響が出ている。また、建設現場でも工事関係者の感染が相次いで発生、全国で工事中断や現場閉所などが続出しており、交通誘導警備にも今後、影響の広がりが懸念される。今回、緊急事態宣言の対象が全国に広がったことで、各種施設の営業自粛、建設工事の中断などが一層進むものとみられ、警備業への影響はさらに広がりそうだ。

経済対策を見直し

政府は4月7日に閣議決定した「緊急経済対策」を見直す。「減収世帯への30万円給付」の「1人当たり一律10万円給付」への変更に伴う措置。

雇用維持対策では、雇用調整助成金の“緊急対応期間”を6月30日までとし、その間の助成率を中小企業5分の4、大企業3分の2に引き上げる。会社が従業員の解雇を行わない場合は、助成率を中小企業10分の9、大企業4分の3とするとともに、雇用保険の被保険者でない非正規雇用労働者も対象とする。

資金繰り対策では、個人事業主や売上が急減した中小・小規模事業者に対し、利子補給を組み合わせた実質無利子・無担保の融資の十分な融資枠を確保する。

特に厳しい状況にある中堅・中小・小規模事業者などには、事業継続のために新たな給付金制度「持続化給付金(仮称)」を創設。事業収入が前年同月比50パーセント以上減少の事業者について、中堅・中小企業は上限200万円、個人事業主は上限100万円の範囲内で、前年度の事業収入からの減少額を給付する。

初の「緊急事態宣言」2020.04.11

7都府県、5月6日まで

政府は4月7日夕、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け初の「緊急事態宣言」を出した。期間は5月6日まで。対象地域は、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県。宣言により対象地域の都府県は今後、国と連携した外出自粛要請、興行場・催し物の制限などの要請・指示――などの措置が可能となる。警備業にも教育の中止など影響が広がっている。

「緊急事態宣言」は、今年3月に新型コロナウイルス感染症を措置の対象とする改正が行われた「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づくもの。必要な経済社会サービスを可能な限り維持しつつ、密閉、密集、密接の「3つの密」を防ぐことなどで感染拡大を防止する。

宣言発出に際し政府は、GDP(国内総生産)の約2割に当たる事業規模108兆円の経済対策を実施することを表明。具体的には、中小・小規模事業者への6兆円超の現金給付をはじめ、無利子融資の民間金融機関への拡大や、26兆円規模で納税や社会保険料の支払猶予を行い、企業の事業継続を後押しする。

緊急事態宣言を受け全国警備業協会(中山泰男会長)は、政府方針に従い当面の間、業務を縮小する。4月7日には都道府県警備業協会に今後の緊急連絡方法などを通知した。

一方、緊急事態措置実施の対象となった区域の各警備業協会では、対応に追われている。

千葉県警備業協会(横倉健会長)は、宣言前から感染拡大を受けて多くの受講生が1か所に集まる特別講習をはじめとする各種教育事業を中止または延期。協会の各種委員会開催も軒並み中止している。総会については、役員改選期に当たることから当初予定通りに5月22日に開催するが、加盟社からの委任状を多く集め、総会当日の出席者をなるべく少なくするなど規模縮小を検討。感染拡大が進めば「延期の可能性もある」(事務局)としている。

埼玉県警備業協会(山﨑守会長)は、4・5月に予定していた特別講習と現任教育を全て中止した。5月中旬を目途に6、7月の日程を判断する。要望が多い新任教育は現在も実施するが、受講生を20人に限定するとともに、講習前に全員を“検温”、感染防止に努めている。総会は、当初の5月26日開催予定を6月16日に延期することを決定した。また、4月6日に山﨑会長名で出した新型コロナウイルス感染症への埼玉警協としての対応を示した「基本方針」の“第2弾”を、宣言直後の同8日に全加盟社に発出。対応を改めて周知した。

警備業、新たな対応へ2020.04.01

「東京2020」1年延期

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を受け、「東京2020」は来年7月に延期されることが決まった。五輪の延期は史上初。全国を巡る聖火リレーも延期となった。

警備業界は「大会警備JV」参加社を中心に、新しい対応が迫られる。警備計画の練り直しや、今夏に向けて予定していた雇用の抑制、新たな開催時期に向けた人員の再確保などが必要になった。

集団発生のリスク回避のため大規模イベントが相次いで中止となり、警備業務がなくなり損失が出ている会社もある。感染収束が見えない中、新たな日程が定まったとはいえ、各社の人員調整は難航しそうだ。

全国警備業協会の中山泰男会長は、業界に向けて団結を呼び掛ける談話を発表した。

全警協・中山会長 今こそ業界一丸で

新型コロナウイルス感染症によるさまざまな影響により、警備業界の皆さまが大変苦労されていると存じます。東京2020大会の延期は、業界として大会警備の成功に向け着実に準備を進めてきただけに、延期が与える影響は甚大なものがあると思われます。

我々は決してここに留まることなく、来年に向けて与えられた期間を活用し、より世界に誇れる安全安心な大会の実現を目指して業界一丸となって取り組み、この目に見えない脅威も克服してまいる所存であります。