警備保障タイムズ下層イメージ画像

TOP NEWS

新型コロナ 警議連に要望2020.3.21

竹本会長、支援を表明

「警備業の更なる発展を応援する議員連盟(警議連)」(会長=竹本直一衆院議員・国務大臣)は3月11日、千代田区永田町の議員会館内で総会を開催した。全国警備業協会(中山泰男会長)と全国警備業連盟(青山幸恭理事長)は、影響が広がりつつある新型コロナウイルス感染症対策に関し、警備業への支援を要望した。

総会のテーマは(1)2月に国土交通省が決定、3月から適用している公共工事設計労務単価(2)厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策(3)航空保安検査業務の課題――など。警議連からは竹本会長をはじめ、議連最高顧問で元・国家公安委員長の古屋圭司衆院議員など自民党の衆参国会議員20人が、警備業界からは全警協の中山会長、福島克臣専務理事、楯悦男常務理事が出席した。全警連の青山理事長、航空保安事業センターの福田博理事長なども加わった。

開会あいさつで竹本会長は、警備業界にも影響が広がる新型コロナウイルス感染症に触れ、「苦境に立つ業界の声に耳を傾けていきたい」と支援を表明。中山会長は「警備業では先行きへの不安が広がっている」と、警備業界の現状を説明するとともに、警議連の支援表明に謝意を述べた。

続いて、全警協が6日に警議連に提出した要望書について、福島専務理事が説明した。同要望書は、経営支援や警備員の健康管理対策、法令上の措置など全4項目にわたる。

経営支援では、政府方針を受け各種イベントの中止や施設の休業が続出。国土交通省も同省発注工事の一時中止などを行っていることから、これら措置で大きな影響を受ける警備会社の資金繰りをはじめ、業務休止に対する休業補償など必要な支援対策を講じるよう求めた。

警備員などの健康管理対策では、2月25日に政府が決定した「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」で〈空港、港湾、医療機関等におけるトラブルを防止するため、必要に応じ警戒警備を実施する〉が明記。今後、これら警備業務が想定されることや、すでに「感染者が入院する医療機関」「感染者や濃厚接触者がいた事業所」などの警備の実施事例があることから、警備員へのマスクの優先的確保など警備員の感染防止や健康管理を図るための措置を要望した。

法令上の措置は、警備業法や関連法令で定められている各種有効期間の延長や、年度内ごとの現任教育の実施など、期限内に履行されなかった義務の履行免責を求めた。

また、新型コロナウイルス感染症対策関連の警備業務が、労働基準法第33条第1項の「災害その他避けることのできない事情によって、臨時の必要がある場合」に該当し、同法の労働時間の規制から除外されることの確認も要望した。

「復興最前線」支える警備業2020.03.11

東日本大震災から9年

3月11日で東日本大震災から9年――。被災地では今も復興へ向けた取り組みが続いている。福島では東京電力福島第一原子力発電所の事故で「帰還困難区域」となった双葉町など3町に出されていた“避難指示”が初めて解除。地元警備業は同区域への出入管理を行うなど、復興を支えている。

避難指示は、双葉町では3月4日午前0時、大熊町は5日午前0時、富岡町は10日午前6時に、それぞれ解除された。

指示が解除された場所は、いずれも双葉、大熊、富岡の3町内にあるJR常磐線の駅やその周辺。14日の同線全線開通に合わせた。

26日には、東京2020大会の「聖火リレー」が、近隣の広野町にある「Jヴィレッジ」からスタートするが、政府は3町や広野町のある「浜通り」地域の交通の利便性向上で復興を加速させたい考えだ。

東電福島第一原発から半径20キロメートル圏内にある3町は、原発事故直後から立ち入りを禁止する「警戒区域」に指定された。現在も町内の大半が、区域内での宿泊が禁じられ、立入りも条件付きでしか認められない「帰還困難区域」に指定されている。

同区域内では現在、国による除染作業などが急ピッチで行われている。区域につながる各道路には鋼製の“ゲート”が設置され、立入りが厳しく制限。各ゲートでは警備員が「通行証」の確認など出入管理を行っている。

現在も“全町避難”が続く双葉町では、県内沿岸部を南北に走る国道6号線から少し入った場所にある“無人”の町役場近くにもゲートが設置されている。

同ゲートで通行証の確認などの警備業務を行っているのが地元の警備会社「コスモさくら警備保障」(鹿島栄子代表取締役)だ。同社の本社は今も富岡町内にあるが、「帰還困難区域」内にあるために近隣の広野町内に“仮本社”を兼ねる営業所を置いている。

同社が担当するゲートの多くは午前6時に開き、遅い所では午後8時に閉まる。警備員2、3人でチームを組み、常駐してゲートの警備業務に当っている。ゲートを通過する区域内での除染や工事を行う関係車両の通行証チェックや安全な誘導など、原発被害からの復興“最前線”を地元の警備業が支えている。

千葉の警備員「陽性」2020.03.01

新型コロナ、感染広がる

新型肺炎(新型コロナウイルス感染症)の影響が警備業に及んでいる。千葉県は2月21日、県内警備員の感染が確認されたと発表した。3月3〜6日開催予定の日本最大級のセキュリティー展示会「SECURITY SHOW 2020」の主催者は21日、安全を考慮して中止を決定した。全国警備業協会(中山泰男会長)は25日、都道府県警備業協会に通知を行い職場環境の整備を求めた。

千葉県内で新型肺炎(新型コロナウイルス感染症)への感染が確認された警備員は、県内北西部の建設現場に勤務する60代の男性。2月6日にから倦怠感や食欲低下が見られたものの勤務を続け、20日に検査の結果「陽性」と判明。21日に県内の医療機関に入院した。発症前2週間以内に海外渡航歴はなく、肺炎患者との明確な接触も確認されていない。

警察庁は2月20日、全国警備業協会に対して事務連絡「新型コロナウイルス感染症の発生を踏まえた職場環境の整備について」などを通知した。これを受けて全警協は25日、都道府県警備業協会に同事務連絡と同様の通知を行った。

事務連絡と通知は、ともに厚生労働省が17日に示した「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」を踏まえたもの。「目安」では相談・受診の前に心掛けることとして「発熱など風邪の症状が見られた時には会社を休んで外出を控える」としており、通知では従業員が休みやすい職場環境の整備を求めた。感染予防のための「手洗い」「咳エチケット」などの励行、出社せずに自宅でパソコンなどを使って仕事を行う「テレワーク」や時差出勤などの積極的な活用も呼び掛けている。

「SECURITYSHOW2020」の中止は21日に決定した。前日20日の厚生労働省の「イベント開催に関するメッセージ」や東京都の「大規模屋内イベントの原則中止・延期の方針」などを受けた判断。警備業からはALSOK(東京都港区、青山幸恭社長)とセントラル警備保障(新宿区、澤本尚志社長)の2社と警備関係機器メーカー4社などが出展を予定していた。

警備業では警備員や内勤従業員への感染拡大はもとより、大型クルーズ船の来航中止や各種イベントの自粛・中止などによる警備業務への影響も懸念される。