TOP NEWS
新しい時代の働き方ルール2024.12.11
厚労省、労基法改正へ
働き方のルールが変わる――。厚生労働省は労働基準法などの改正を検討中だ。2018年から順次施行されてきた改正労働基準法をはじめとする「働き方改革関連法」の職場での浸透や健康確保のための新たな知見などを受けて法令を改正、「新しい時代の働き方」に対応させる。
労働基準法の改正は、1月に同省が設置して検討を始めた、学識者による研究会で検討が進んでいる。11月12日には同研究会が報告書の骨子案となる「議論のたたき台」を示した。
警備業にも大きく関係すると思われるのが「休日」と「勤務間インターバル」。
休日は、長時間労働に起因する労災保険の精神障害の認定基準に「2週間以上の連続勤務が心理的負担の一つの指標」として挙げられていることから▽2週間(14日間)以上の連続勤務の禁止▽労使協定で休日労働を認める場合でも連続勤務の上限を13日間――を労基法に規定する方針だ。
現行の労基法は休日について、同第35条で従業員に原則「週1回の付与」を規定。例外的な措置として就業規則への明記など一定の要件を満たすことで「4週を通じて4日の休日付与(4週4休)」を認めている。
しかし、4週4休を用い、例えば、4週の始まりに連続で4日間の休日を付与すれば、その後は従業員を24日間連続で勤務(連勤)させることができる。加えて、次の4週では最後の週に4日間連続の休日を与えれば最大で48日間の連勤が可能となる。さらに同法第36条に基づく労使協定(36協定)を結べば、休日労働を行わせることも可能となり、連勤はさらに延長できる。
研究会報告書(案)は、「業務の繁忙や業種・職種の特性により長期間の連勤を余儀なくされているケースもあり、労災も発生している」と指摘、規制を強化する。
勤務間インターバル(勤務間休息)は、勤務終了後から翌日の出社までの間に一定時間以上の休息時間(インターバル時間)を確保する仕組み。労働時間等設定改善法の改正により制度導入が事業主の努力義務となっている(19年4月施行)。現在の導入企業割合は約6%の一方で、諸外国では導入が大幅に進んでいることから法による規制強化で導入促進を図る。
具体的には、インターバル(休息)時間「11時間」確保を原則とし、労基法による義務化や労働時間等設定改善法による措置義務化、配慮義務化などを検討。
同省は年度内にも研究会報告書を取りまとめ、労働政策議会での検討に移行。労基法などの関連法の改正を目指す。
鹿児島警協 鹿児島市と災害時協定結ぶ2024.12.01
要請受け交通誘導、避難所警備
鹿児島県警備業協会(松下健一会長)は10月30日、鹿児島市(下鶴隆央市長)と「災害時における警備業務に関する協力協定」を締結した。地震や桜島の大噴火などの災害発生時、同市の要請に基づいて避難所や物資集積拠点などで警備業務を有償で行う。
協定による警備業務は▽被災地で緊急交通路の確保など交通誘導警備業務▽避難所などで犯罪防止のための警戒活動を行う施設警備業務――など。受託警備業者は、鹿児島市と契約書を交わし、対価は「災害発生時直前の適正な価格」を基準として協議する。同市と協会が平常時から情報を交換し、地域防災計画に基づく防災訓練に協力する――ことなども盛り込まれた。
能登半島地震や8月の南海トラフ地震臨時情報で危機感が高まり、桜島の噴火が連日のように続く中、行政と警備業の連携として今回の協定締結に至った。
市役所で開催された締結式に下鶴市長と水之浦達也危機管理局長、協会から松下会長、防災委員会の巽誠宣委員長(サンプラスワン)、徳輝男専務理事が出席した。
下鶴市長は「自然災害は避けて通れないが、市民の不安や関心が高まる中で警備業協会との支援協定は心強い」と述べた。
松下会長は「警備業は生活安全産業として災害支援にも努め、市民の期待に応えるため一層の連携を図っていきたい」と言葉に力を込めた。
締結式の後、松下会長と役員、青年部会員など25人が参加し同市の繁華街で「警備の日」街頭キャンペーンを行った。松下会長は「警備業の災害対応への熱意は、業界に対する市民の理解と信頼につながる」と参加者を激励。一同は通行人に広報チラシや防災用品の携帯懐中電灯を手渡し「警備業は災害支援もやります」と声を掛けた。
「桜島防災訓練」に参加
「桜島火山爆発総合防災訓練」が11月16日、住民700人を含む約70機関1700人が参加し桜島全域で行われた。鹿児島警協の災害対応部隊「鹿警協支援隊」は、同市との協定締結を機に巽防災委員長と支援隊員など10人が初参加した。
訓練は、M7.1の地震発生により全島住民に避難指示が発令されたと想定。警察や消防の緊急車両が行き交う中、支援隊員はフェリーの港に向かう住民や観光客、避難バスや車の誘導、通行止めの交通規制などを行った。