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全警協会長に村井氏2024.06.21

新副会長は稲葉、池田、折田各氏

全国警備業協会は6月5日、2024年度定時総会を都内で開き、5年にわたり会長を務めた中山泰男氏(セコム)が退任、副会長の村井豪氏(ALSOK)が会長に選任された。警備業界が複数の課題に直面する中、村井新会長による取り組み推進に期待が集まる。新副会長に稲葉誠氏(東京警協副会長=セコム)、池田博之氏(大阪警協会長=東警サービス)、折田康徳氏(福岡警協会長=にしけい)が就任して新体制がスタートした。

村井新会長は就任あいさつで「責任の大きさに身の引き締まる思い」として、中山前会長がコロナ禍などの困難を乗り越え業界発展に尽力した功績をたたえた上で、協会運営に取り組む決意を述べた。

来賓の警察庁・露木康浩長官は、匿名・流動型犯罪グループ、特殊詐欺など治安情勢について説明し「犯罪に強い社会を構築する上で警備業の役割は重要性を増している」と一層の協力を呼び掛けた。

議案は全て承認された。事業計画では、「価格転嫁リーフレット」を活用して業界全体の適切な価格転嫁に努める。警備員不足問題への対応として、退職自衛官の採用に向け防衛省と連携強化を図る。また、外国人雇用に関して特定技能制度・育成就労制度(仮称)導入について警察庁と連携のもと検討を行う。

警備業のイメージアップを図るプロモーション動画を作成して都道府県協会と加盟員に活用を促進する。さらに「警備の仕事の大切さ」をアピールする書籍を作成し、全国の小学校と公立図書館に配布するなど広報活動を推進する。

会長、副会長以外の新役員は次の通り(敬称略)。

【理事】鴨志田聡(茨城)、松尾浩三(岡山)、但馬英二(大分)

新会長略歴

【新会長略歴】村井 豪氏(むらい・つよし) 54歳。早稲田大学大学院修了。2010年、綜合警備保障執行役員。16年、取締役常務執行役員。19年、取締役専務執行役員。22年、代表取締役グループCEO兼CTO就任。22年5月より24年5月まで東京都警備業協会会長。24年6月5日、全国警備業協会会長就任。

村井新会長あいさつ(要旨)

私は7代目の会長となりますが、実際に警備員としての職務経験を持つ点で、やや経歴が異色であるかと思います。施設警備、機械警備、警備輸送、身辺警護まで、さまざまな現場を経験しました。警備業の課題と真摯に向きあい、会員の皆さまと共に課題解決に取り組んでまいりたいと思います。

経営基盤の拡充、適正価格の実現、外国人雇用も含めた人材確保など喫緊のテーマも目白押しです。業界を成長に導かれた先人の思いを受け継ぎ、未来へとつなげていくつもりですが、労働力の不足やDXの進展など、経営環境はこれまでと大きく異なります。

業界として大きな転換点を迎えており、『変化はチャンス』と捉えて良いと思います。時代の変化に適合して、さらに人が集まる一層魅力的な警備業界を目指していきたい。今まで以上に全警協と各都道府県協会が連携を密にし、スピード感を持って取り組んでいくことが重要であると認識しています。

中山前会長 退任あいさつ

中山氏は全警協顧問に就任した。会長退任にあたり「会長を5年と副会長を4年、合わせて9年にわたって全警協にて取り組んできました。警備業の存在感の高まり、諸活動の成果は、少しずつ上がってきているのではないかと自負しています」と語り、関係者に感謝の言葉を述べた。

2024新会長2024.06.11

池田氏(大阪)松下氏(鹿児島)鴨志田氏(茨城)五島氏(徳島)高木氏(佐賀)

5月22日から28日、21道府県警備業協会で定時総会が開催された。大阪など5府県で会長が交代、新体制がスタートした。人材確保や適正警備料金など各種課題を克服し、さらなる飛躍に向けたリーダーシップに期待が寄せられている。

大阪警協

1期2年務めた豊田正継会長(関西ユナイトプロテクション)が退任し、池田博之氏(東警サービス)が新会長に就任した。

豊田前会長は「2025大阪・関西万博」に関して「開催地を受け持つ当協会の真価を問われる大事なイベント。現在、会員向けの各種研修会を行うほか、特別委員会を設けて準備を進めており、引き続き万全を期して警備に取り組みたい」と述べた。

さらに「警備業は社会に不可欠な生活安全産業として地位を確立し事業を拡大しているが、人手不足や経営基盤強化、適正価格引き上げ、デジタル化への対応など課題を抱えている。協会会員が一丸となり、近畿地区連や全警協と連携して課題解決に取り組む必要があります」と呼び掛けた。

新役員は次の通り(敬称略)。

【会長】池田博之 63歳 2017年りそな銀行取締役副会長。同年東洋テック取締役。20年同社代表取締役社長。21年エレコム社外取締役。22年東洋テックビルサービス取締役。同年東警サービス取締役。24年東警サービス代表取締役会長。

【副会長】橋詰隆見(クロスサービス)【理事】井上保(エーティーエヌ)、深見士(阪神警備保障)、井上徹(東亞警備保障)【監事】澤村信三郎(榮光社)、山本史朗(シンテイ警備)、粟津直晶(T・Cエクセレント)

鹿児島警協

上拾石秀一会長(ガードシステム鹿児島)が理事と会長の退任を表明した。同氏は前任会長の突然の退任を受け2003年12月に会長就任。以降10期約20年にわたり会長や全国警備業協会理事などを務め、19年春には県警備業では初の叙勲「旭日双光章」を受章した。

退任に当たり上拾石前会長は「警備業は私の天職でした。わが業界は安全安心産業であり、今後もエッセンシャルワーカーとして発展させてほしい」と、会員に感謝の言葉を述べた。

松下健一新会長(東洋警備)は「警備企業幹部には警備員の生活を豊かにするという重要な責務がある。適正料金確保のために業界を挙げて発注者に対し粘り強く、警備業に誇りと勇気をもって交渉していかなければ優秀な人材の確保は難しい」と、今後の協会舵取りに意欲を示すとともに、会員への協力を求めた。

新役員は次の通り(敬称略)。

【会長】松下健一 74歳 1995年東洋警備創業、代表取締役に就任。2001年鹿児島県警備業協会監事就任。14年同理事就任。以降副会長などを歴任。

【副会長】仙田匡拡(シティ警備保障)、永山一巳(九州綜合警備保障)【専務理事】徳輝男(協会事務局長)【理事】上玉利勝史(ケイアイ・トラスト)、末吉平興(セノン南九州支社)、平林隆弥(セコム鹿児島統轄支社)、渡康嘉(南国警備)、徳元正浩(県暴追センター)【監事】原田忍(ファースト警備)、中島修(県交通安全協会)【相談役】上拾石秀一

茨城警協

延べ13期26年の長きにわたり会長を務めた島村宏氏(日警)が退任して顧問に就き、鴨志田聡副会長(東関東警備保障)が第13代会長に就任した。

島村前会長は「当協会は昨年、歴史の節目となる創立50周年記念式典を開催しました。これまで協会が困難や課題に直面し協力して乗り越えてきた過去と、これから協会が一体となり進むべき未来を思うと感無量です」と述べ、謝意を表した。

その上で、警備業界の一層の発展のために協会が取り組むべきポイントとして(1)警備業務の適正料金確保(2)青年部会活動の活性化と支援(3)女性と高齢者の雇用・活躍の促進――の3点を挙げ、理解と協力を呼び掛けた。

鴨志田新会長は「島村前会長の意思を引き継ぎ、協会の更なる発展のため、会員各社の支援・協力のもと力を尽くしてまります」とあいさつした。

新役員は次の通り(敬称略)。

【会長】鴨志田聡 54歳 1998年東関東警備保障入社、専務取締役を経て2008年代表取締役社長就任。茨城警協は12年に理事、15年副会長に就任。

【副会長】島村明弘(日警)【理事】岩田清(ユニオン・ガード)、渡辺潤(五光警備保障)、黒澤隆一朗(常陸警備保障)【監事】國府田康裕(セキュニティ)

徳島警協

1期2年務めた松岡宏会長(ALSOK徳島)が退任し、五島寛治副会長(ファイブセキュリティシステム)が新会長に就任した。

舵取りを託された五島新会長は「生活安全産業として地域を守るのが警備業の使命。警備員の適正価格を訴え、会員企業の経営基盤の強化と業界発展のために皆さまのご協力をお願いしたい」とあいさつした。

松岡前会長は「警備業界が抱えるさまざまな課題について、地道かつスピーディーに取り組み、魅力ある業界にしたい」と述べた。

総会は会員52社の全会一致で全議案を承認した。新年度は青年部会による防犯に関する街頭啓発のほか、会員企業が共同企業体を編成する阿波おどりの合同警備などを計画している。

新役員は次の通り(敬称略)。

【会長】五島寛治 69歳 1997年、ファイブセキュリティシステム入社。2018年、代表取締役就任。1998年、徳島警協入会。2014年から5期10年副会長。

【副会長】常盤征宏(合建警備保障)【理事】松岡宏(ALSOK徳島)

佐賀警協

2期4年にわたり会長を務めた島田浩二会長(西九州警備保障)が副会長、高木進氏(ALSOK佐賀)が第7代会長に就任した。

高木新会長は「微力ながら協会の一層の発展のため尽力いたします。国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の成功に向けてご協力のほどお願いいたします」とあいさつした。

島田前会長は「慢性的な人手不足などの課題に対応するためには適正な警備料金を確保して経営基盤を強化し、警備員の処遇改善と労働環境の整備を図ることが肝要で、業界を挙げて自主行動計画の取り組みを推進していく必要があります。国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会を成功させるためには会員各社の協力が不可欠です。県民の方々に『警備業は社会生活に不可欠』と認識してもらう絶好のチャンスでもあります」と述べた。

新役員は次の通り(敬称略)。

【会長】高木進 59歳 2021年4月ALSOK佐賀入社、代表取締役社長就任。同年5月佐賀警協理事。同年7月副会長。

【副会長】島田浩二

2024新会長2024.06.01

愛媛・阿部氏 和歌山・前田氏

5月14日から20日にかけて、愛媛、長野、富山、和歌山の各県警備業協会で定時総会が開催された。愛媛、和歌山では新会長が誕生した。人材の確保、適切な価格転嫁、新技術導入など諸課題と向き合う中で、取り組みが注目される。

愛媛警協

1期2年務めた田中克幸会長(フジセキュリティ)が退任し、阿部克彦理事(愛媛綜合警備保障)が新会長に就任した。

田中前会長は協会運営への理解と支援に謝意を表し「新年度の事業計画として『警備業の適正な運用施策』『大規模災害時における活動』『労働関係法令遵守と労災事故の根絶』『関係機関・団体との連携強化』など9項目を掲げています。会員各社の協力のもと真摯に取り組んでまいります」と述べた。

警備業務における新技術活用については「AI交通誘導システムの活用が業界内で検討されるようになってきました。青年部会が中心になり、松山市内の教習所を会場にシステム活用の『周知会』を7月に予定しています」と述べ、参加を呼び掛けた。

阿部新会長は「労働人口減少・少子高齢化による人手不足や警備料金への価格転嫁、警備業務へのAI導入、外国人の警備員雇用など警備業界は課題山積です。県内警備業の社会的・経済的地位の発展と向上のため、これから力を尽くしていきます」と意気込みを語った。

新役員は次のとおり(敬称略)。

【会長】阿部克彦 68歳 愛媛県警で監査官室長、生活安全部長、刑事部長などを歴任し2016年定年退職。同年愛媛県交通安全協会専務理事、18年愛媛綜合警備保障入社、21年代表取締役就任。同年愛媛県警備業連盟理事長就任

【理事】荒井仁志(フジセキュリティ)、髙岡俊典(北四国警備保障)【監事】若林広明(太平ビルサービス松山支店)、越智宏司(セキュリティエヒメ)

和歌山警協

山﨑雅弘会長(山光)が任期満了で退任し、前田達也副会長(新生舎)が新たに会長に就いた。

前田新会長は「安定した仕事、安定した料金を確保したい。警備員の手取りの給料を増やす努力、安心して働くための環境をつくる努力をしたい」と抱負を述べた。「警備員が朝から生き生きとして仕事を始め、心地よい疲労感で一日の労働を終え、夕食を家族とともに取る。当たり前の、漫画に出てくるような風景を目指したい」と力を込めた。

今年度の主な事業では、交通誘導警備業務2級の学科試験に特化した事前セミナーを昨年度に引き続き開催。検定合格率の向上を図り、検定合格者配置路線の延伸に対応する。県と締結している災害支援協定の見直しを行い、効果的運用を図る。

会長を4期務めた山﨑前会長は退任あいさつで、和歌山国体や協会法人化30周年記念式典、コロナ禍を振り返り、「皆さんにいつも支えていただいた」と感謝の言葉を述べた。協会の新体制については「新しいアイデアを持って進めていただけると思っている」と期待を示した。

新役員は次の通り(敬称略)。

【会長】前田達也 55歳。綜合警備保障勤務後、新生舎に入社、2006年代表取締役社長。20年和歌山警協副会長

【副会長】重根一真(和歌山警備保障)【専務理事】得津卓志【理事】田口優一(エビス警備)、安木康(セコム和歌山統轄支社)、浦辻政和(県防犯協議会連合会)【監事】山﨑国寛(山光)、田中良(東和警備保障)