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熱中症死者数、年1000人以下に2021.04.21

政府が「行動計画」

熱中症による死亡者数の増加傾向を受け政府は、取り組みを強化する。行動計画を定め、中期的目標に早期の「死亡者数年1000人以下」を掲げた。その第一歩として今夏、環境省と気象庁が今年度から全国展開する「熱中症警戒アラート」などに基づき、家庭や職場での適切な熱中症予防行動の定着を目指す。

2020年6月〜9月に熱中症で救急搬送された人は、過去3番目に多い約6万5000人だった。死亡者数も過去3番目に多い1433人で、18年以降1000人を超えている。

一方、政府は熱中症予防のために07年度から「熱中症関係省庁連絡会議」を開催、各種取り組みを進めてきた。しかし今後、気候変動などの影響で状況がさらに悪化することが予想。特に21年度は東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控えていることなどから従来の連絡会議を改め、環境大臣を議長、関係府省庁の担当部局長を構成員とした「熱中症対策推進会議」を設置、3月25日に初会合を開いた。

同会議がまとめた「熱中症対策行動計画」では、死亡者数ゼロへ向けて、できる限り早期に死亡者数1000人以下を目指し、顕著な減少傾向に転じさせることを中期目標とした。また、(1)高齢者など屋内の対策強化(2)職場など管理者がいる場での対策促進(3)新型コロナ対策との両立(4)オリパラ大会での対策促進――などを重点対策として掲げた。

具体的には、管理者がいる場での対策促進として、厚生労働省が熱中症予防のために事業者が実施すべき事項を取りまとめて全国警備業協会などに周知するとともに、都道府県労働局や労働基準監督署が個別の事業者に対して指導する。また、暑さ指数(WBGT値)の現場での実測などに重点を置いた「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」を推進する。

新型コロナ対策との両立では、高温多湿化でのマスクの着用が熱中症リスクを高めるおそれがあることから、適切なマスク着用法など新たな知見を盛り込んだ対応策を徹底する。

埼玉警協、全国初「PC教育」スタート2021.04.11

eラーニングに備える

埼玉県警備業協会(山﨑守会長)は、全国で初めてパソコン画面で受けられる現任教育「いつでも現任教育」を4月5日にスタートした。「非対面型」の講義に道を開いた改正警備業法施行規則(2019年8月施行)に基づく対応で、協会内に設置した専用PCを使い、マウスをクリックするだけの簡単な操作で教育が受けられる環境を整えた。複数人が1か所に集まりにくいコロナ禍の下、将来のeラーニング実施に備える取り組みだ。

協会が用意した新たな教育のパンフレットには、「空いている時間に現任教育」「いつでも現任教育」などの文字が並ぶ。コロナ禍で一堂に会した集合教育がやりにくくなった中、感染予防対策の一環として新たな教育手法を採り入れたと解説している。

新しい「PC教育」は、基本教育と業務別教育を合わせ、1日5時間を上限に2日で終了するプログラム。協会内の会議室には20台の専用PCが新設された。

講義は、画面に次々映し出される問題を解けない限り次には進めない仕組みだ。ただ問題はさほど難しくはなく、同協会は「従来の集合教育は夕方までかかっていたが、休憩時間を調整すれば午後の早めの時間に終えることもできる」と見込んでいる。あくまで受講者個々のペースで学べることがメリットだ。

機器の操作も簡単だ。電源を入れ、質問に対する答えをマウスでクリックして選択するだけ。万が一操作に疑問を感じても、部屋を巡回している協会職員に質問ができるため安心して受講できる。

この取り組みの立ち上げに携わった同協会の講師歴11年目の内田達也教育専門官は「高齢者に配慮した点がPC教育の大きな特徴。スマホなどを使って、いつでも・どこでも受講できるeラーニングという手法もありますが、スマホやタブレットにアレルギーを持つ高齢者は多く、一足飛びにはなかなかいきません」と話している。

PCのソフトに取り込んだテキストは従来の集合教育で使っていたのと内容的には同じだが、極力要点を絞って視覚に訴え、受講者を睡魔から守る工夫が凝らされている。

会社や受講する警備員の都合に合わせられる点もメリットだ。急な雨天で作業がキャンセルになった場合でも、午前11時までに受付を済ませれば、警備員の空いた時間を受講に充てることができる。また従来3か月先までが限度だった受講予約が半年先まで可能になり、業務の予定が組みやすい。

受講後は「教育実施簿」や「受講証明証」を作成・発行。会社は同書類を保管することで法定教育を実施した証明になる。

東京2020大会「聖火リレー」スタート2021.04.01

会場内、3社が警備

東京2020オリンピック聖火リレーが3月25日、福島県のスポーツ施設「Jヴィレッジ」(楢葉町・広野町)をスタートした。

「グランドスタートセレモニー」はコロナ感染予防のため無観客で実施。入場時には検温と手指消毒、手荷物検査を行って、感染とテロ犯罪の両方を封じる厳戒体制を敷いた。会場内はALSOKとシミズオクト、キョウワセキュリオンが会場入り口や手荷物検査場などの警備を行った。

東京2020組織委員会・橋本聖子会長は「この聖火が全国に希望を灯してほしい。東日本大震災の復興のシンボルであるこの地から暗闇の先につながる一筋の光の道となってもらいたい」とあいさつした。

内堀雅雄・福島県知事は「福島県から始まる聖火リレーと復興五輪は、私たち県民にとって特別のものです」と述べた。ランナーがつなぐトーチの素材には、復興仮設住宅のアルミ建築廃材が含まれている。

第1ランナーは2011年サッカー女子W杯で優勝、被災地に希望を届けた「なでしこジャパン」のメンバーが務めた。聖火は121日かけて47都道府県をまわり、7月23日の開会式で国立競技場(東京都新宿区)の聖火台に灯される。