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「犠牲者一人も出さぬ」宣言2023.07.21

全警協が安全衛生大会

全国警備業協会(中山泰男会長)は「全国安全週間」(厚生労働省など主唱、7月1日〜7日)期間中の7月6日、都内で「警備業全国安全衛生大会」を開き、「労働災害による犠牲者を一人も出さない」との大会宣言を採択した。

2022年の警備業における労働災害のうち、休業4日以上の死傷災害は1930人で、21年より28人減少したものの、死亡災害は21年と同じ25人だった。

中山会長は「他の産業で労災が減少傾向の中、極めて憂慮すべき状況」と述べ、「厚労省と作製した『未熟練労働者の安全衛生教育マニュアル』の普及啓発を通じ、労災事故の撲滅を目指すとともに、都道府県協会や加盟企業と一体となって対策を推進していきたい」と全警協の施策への理解と協力を求めた。

また、新型コロナが感染症5類に移行し政府がガイドラインを廃止したものの、一部の地域で感染拡大が収まっていない状況について「警備業は社会のセーフティーネットの役割を果たすため当面、ガイドラインは継続し、マスク着用などの感染防止措置は各社や個人の判断に委ねていきたい」と業界としての自主的な感染対策を呼び掛けた。

大会では出席者全員で警備業における労働災害により昨年亡くなった25人、今年亡くなった4人に対し黙とうを捧げた。

全警協は昨年度から始めた「全国警備業殉職者慰霊祭」を今年度は11月2日に挙行する。殉職者の功績をたたえ、冥福を祈るとともに、業界の結束を強め、二度と殉職者を出さない決意を内外に示す。

大会宣言案は全警協労務委員会の佐々木誠委員長(セシム)が読み上げた。

また、全警協が募集した労災防止の「論文」「ポスター」「標語」の入選者のほか、「全国警備業殉職者慰霊祭」で贈呈する「記念品デザイン」の入選者を中山会長がそれぞれ表彰した。

大会宣言(要旨)

警備業界における労働災害は、全産業の労働災害が長期的に減少しているにもかかわらず、死亡事故、重篤事故が多発し、極めて憂慮すべき状況にある。

その多くが暴走車両に突入されるなど、警備員に回避を期待することは困難だが、周囲の警戒・観察の不徹底などに起因する事故、経営幹部や警備員の努力によって回避可能な事故も少なくない。

労働者の健康をめぐる状況は、働き方の多様化などにより、仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる労働者が多くなっており、労働者の健康管理にも引き続き注力しなくてはならない。

労働災害の撲滅をはじめとする安全衛生に関する諸課題を克服していくためには、現場で日夜努力を続けている警備員の安全確保と良好な職場環境を、高い次元で整備していくことが何より肝要で、経営トップ自らが努力を重ねなければならない。

警備業を取り巻く環境は依然、厳しい状況にあるが、エッセンシャルワーカーとして顧客の安全・安心、社会の安全・安心に寄与していることを自覚し、かつ労働災害による犠牲者を一人も出さないという新たな決意で、心身ともに健康で安心して働くことができる安全で明るい職場づくりに向けて、全力で邁進することを誓う。

業者数、過去最多の1万524社2023.07.11

警察庁 22年「警備業の概況」

警察庁は6月30日、2022年12月末現在の「警備業の概況」を公表した。警備業法第4条に基づく認定業者「4条業者」は前年より165業者(1.6%)増の1万524社。過去最多を更新した。一方で、警備員は約8000人減の58万2114人。警備各社の人材確保難に一層の拍車がかかりそうだ。

全国の警備会社数は2020年に初めて1万社を超え、22年は過去最多を更新した。

各社の警備員数は、「5人以下」が最も多く2703社(25.7%)。次いで「10〜19人」2056社(19.5%)など。警備員数100人未満が9495社、全体の90.2%を占めた(前年比0.4ポイント増)。50人未満は8386社(79.7%)。1000人以上は44社、0.4%だった。

全国警備業協会(中山泰男会長)が調査、回答のあった9711社の売上高は3兆5250億3000万円。前年の9098社・3兆4537億6500円に比べて1社あたりの売上高は減少した。

4条業者が全国に設けている営業所数は全1万6344営業所。「主たる営業所(1営業所)のみ」が最も多く8920社(84.8%)。「5営業所以下」は1万258社(97.5%)だった。

警備業の認定を受けた都道府県以外の都道府県に営業所を設けている「9条前段業者」は、前年比39社増の延べ2575社。認定を受けた都道府県以外の都道府県に営業所を設けず警備業務を実施している「9条後段業者」は、同95社増の延べ5614社だった。

進む高齢化、減る若年層

警備員数は、58万2114人、前年に比べ7824人(1.3%)減少した。女性警備員は同441人減の3万9371人、全警備員数の6.8%だった。

雇用形態は、雇用契約に期間の定めのない、または4か月以上の定めのある「常用」が53万2322人、これ以外の「臨時」が4万9792人。警備員総数に占める臨時警備員の割合は8.6%だった。

在職年数は「3〜10年未満」が最も多く19万6557人(33.8%)。次いで「10年以上」17万598人(29.3%)。女性警備員は「1年未満」が最も多く9423人(10.2%)。

年齢階層は「50〜59歳」が最も多く11万3511人(19.5%)。次いで「70歳以上」11万1907人(19.2%)、「40〜49歳」8万5397人(14.7%)。

「70歳以上」は前年より1.3ポイント増、「40歳未満」は0.7ポイント減少し、高齢化が進む一方で若年層が入職していない実態が明らかとなった。

初の「部会長会議」開く2023.07.01

関東地区青年部会

関東地区警備業連合会青年部会(佐藤平八郎会長=ジェイエスケイ)は6月22日、水戸市内で「部会長会議」を開催した。関東各県の青年部会の会長が出席、会則や役員、予算、事業計画など活動の骨子となる事項を協議。全国初の地区連青年部会は、活動を本格的にスタートさせた。

関東地区連青年部会は2022年8月に発足した。当時、青年部会がなかった群馬警協は同年12月、新潟警協は23年2月に設置し、地区連10県全てに青年部会が設置された。

初の部会長会議には、関東地区連・島村宏会長(茨城警協会長)が出席したほか、全国警備業協会・小澤祥一朗総務部次長と東京都警備業協会青年部・安見竜太部会長(シンテイ警備)が来賓として参加した。

島村地区連会長は「若い世代の強みはICTやITに精通しDX時代に機敏に対応できることで、警備業のイメージアップ戦略にも斬新なアイデアを提案可能です。警備業界の将来に向けた持続可能な経営戦略の確立は青年部会の今後の活躍に託されている」と期待を寄せた。

関東地区連青年部会・佐藤部会長は「警備業界が抱える課題を解決し業績の向上を図ることはたやすいことではない。牽引役となるのは、全国の4分の1の会員数を擁する関東地区連青年部会であると言っても過言ではありません」と述べ、積極的な発言を求めた。

全警協・小澤次長は「全警協は全国青年部会長会議を6年前に初開催しました。当時は13青年部会でしたが、現在は39都道府県までに広がりました。巨大組織となった関東地区連青年部会が全国の青年部会をリードしていただけることを期待しています」とエールを贈った。

東京警協青年部会・安見部会長は、東京警協のこれまでの活動事例と今年度予定している新たな活動について説明した。