TOP NEWS
熱中症の死傷 過去最多2025.06.11
24年労災 交通誘導警備員2人が死亡
厚生労働省は5月30日、2024年(1〜12月)に全国の職場で発生した転倒災害や熱中症など労働災害の状況(確定値)を公表した。全産業計の死亡者数は746人と過去最少となった一方で、熱中症による死傷者数(死亡と休業4日以上の業務上疾病者)は1257人と過去最多となった。
熱中症による全産業計の死傷者数は1257人。同省が統計を取り始めた2005年以降最多となった。うち死亡者数は31人。死亡災害について統計を取り始めた1989年以降、当時観測史上最も猛暑だった2010年の47人に次いで多かった。
警備業の熱中症による死傷者数は142人、うち死亡者数は2人。死亡したのは、いずれも交通誘導警備業務に従事していた警備員だった。
他業種との比較では、建設業(死傷者数228人、死亡者数10人)、製造業(同235人、5人)、運送業(同186人、3人)。警備業は死傷者数、死亡者数ともに「ワースト4位」となった。
20年からの過去5年間では、死傷者数は497人、うち死亡者数16人。特に死亡者数は建設業(54人)、製造業(19人)に次いで多かった。
一方、新型コロナ感染を除く労働災害全体の発生状況は、死亡者数は前年比9人減の746人と過去最少となった。しかし、休業4日以上の死傷者数は同347人増の13万5718人。4年連続で増加した。
警備業は、死傷者数は前年比90人減の2088人。うち死亡者数は同7人減の28人だった。
警備業の死傷災害を「事故の型別」でみると、「転倒」が最も多く882人。次いで腰痛など「動作の反動・無理な動作」249人、「交通事故(道路)」245人、「墜落・転落」213人。死亡災害は「交通事故(道路)」15人で最も多く、「転倒」と「墜落・転落」がともに3人だった。
「すずらん会」スタート2025.06.01
石川警協女性部会
石川県警備業協会(上田紘詩会長)の女性部会が5月14日に発足した。名称は「すずらん会」、部会長に協会副会長の北原泉氏(アクロス警備保障代表取締役)が就任した。女性部会の発足は大阪、東京、福岡、岐阜、北海道、神奈川に続き全国で7番目。
「すずらん会」は、活動方針を▽警備業界における女性の確保▽職場環境の改善▽他都道府県女性部会との交流親睦――と定めた。定例会合を行い、協会活動の活性化や女性を取り巻く雇用と労働環境の改善、女性向けの警備業務や経営に関する研修会の開催などに取り組むとしている。
会員資格は、協会加盟社に所属する女性の経営者や経営幹部、警備員、事務職員など。
石川警協では近年、女性が経営する加盟会社は増えつつあるが、協会活動に積極的に参加する女性経営者は少数にとどまっていた。こうした中で女性経営者から「女性部会を発足させたい」との要望があり、理事会が承認。14日に金沢市内で初会合を開いた。
「業界をPR、活性化に」
石川警協女性部会「すずらん会」北原部会長の話
「警備業が課題と向き合う中、協会活動により多くの女性が参加してほしいと考えています。メンバーは経営者、警備員や内勤の事務職員、それぞれの立場で話し合って交流していきたい。
部会の愛称「すずらん」は、4月に来訪された大阪警協「ひまわり会」の方々からのアドバイスを参考にしました。
能登半島では現在、災害からの復興に取り組んでいますが、警備員不足は深刻です。女性警備員の雇用拡大など人材確保に関するPR活動を展開し、部会活動を警備業界の活性化と復興の加速につなげたいと考えています」。