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京都・大阪・兵庫警協青年部会が合同意見交換会2024.02.21
人材不足解消へ討論
京都府警備業協会(宇多雅詩会長)、大阪府警備業協会(豊田正継会長)、兵庫県警備業協会(中尾忠善会長)の青年部会員35人による「三府県合同意見交換会」が、1月31日に京都市下京区内で開催された。「人材不足解消に向けて〜青年部会らしく考えよう」と題し、討論と発表を行った。
3府県の青年部会はいずれも2015年に発足、警備業の課題をテーマとする意見交換会を18年から行って連携を深めてきた。コロナ禍を経て開催は4年ぶりとなった。
宇多会長は「近年、全国の青年部活動は目をみはるものがある。若い世代の柔軟な思考力、行動力で深刻な人手不足解決への糸口を見出してほしい」と激励の言葉を贈った。
京都警協青年部会・安東純吉部会長(新京都パトロール)は、討論の趣旨を説明。「永遠の課題ともいえる人材不足に悩む会社が多い中で、知恵を出し合って解決へのヒントにつなげたい」と呼び掛けた。
討論は、人材確保と離職防止を視野に(1)警備業のストロングポイント(魅力)、ウィークポイント(2)警備員に対するカスタマーハラスメント(カスハラ)対策(3)警備員の社会保険加入、福利厚生への対応――の3テーマについて、グループごとに話し合った。次のような意見があった(要旨)。
<警備業について>警備員は将来設計につながる「キャリアップ」のプランが少なく、賃金は低い。一方、資格取得など努力して技能を高めれば評価され、管理職にもなれる。超高齢社会の中、高齢者もいきいきと働き続けることができる。
<カスハラ対策>ユーザー関係者からの暴言などハラスメントがあった場合、警備員は直接相手と交渉するのではなく会社を通じて申し入れを行うことで、改善や離職の防止につながると思う。警備員がウェアラブルカメラを装備すれば、トラブルの抑止効果が期待される。カスハラは、クレームが原因で起こる場合もあり、クレームを予防する努力も必要だ。
<社保・福利厚生について>原資を確保する上で価格交渉は欠かせない。従業員のための医療保険、退職金の積立制度などによって安心して働き続けることができる。
討論に先立ち、大阪警協青年部・阪本健太郎部会長(フォールズ)は、全国警備業協会の「広報プロジェクトチーム会議」に参加していることを説明。広報活動の大切さを訴えた。
兵庫警協青年部会・村岡孝一部会長(エースガード)は「共通する課題について青年部らしく活発に話し合い、交流も深まった」と感想を述べた。
神奈川警協 県と災害支援協定結ぶ2024.02.11
会員各社「有償出動」で受注
神奈川県警備業協会(岩野経人会長)は1月29日、神奈川県(黒岩祐治県知事)と「災害時等における地域安全の確保等に係る警備業務の実施に関する協定」を締結した。今後、県からの要請に基づき会員各社が適正料金で迅速・適切に警備業務を受注、実施できるようになった。災害時の地域安全の確保に係る警備業務の「有償出動」を柱とした協定は、警備業協会として広島、岡山、大阪に続き4番目となる。
岩野会長と黒岩知事は同日、県庁(横浜市中区)内で協定書を交わした。協定のポイントは次の3点だ。
▽適正料金による請負契約を前提とする。
▽書面に寄らず口頭で出動できる。
▽賠償責任負担を明確にする。
このうち「口頭出動」は、災害発生時に通信手段が途絶えた際に県からの出動要請の遅延をなくすためで、県はできるだけ早期に業務の内容・期間・場所を文書で提出する。
「賠償責任負担」は、神奈川警協が1996年12月に県警本部と結んだ従来の災害支援協定では、警備員の災害対応業務中の労働災害、物品損壊に伴う損害賠償は警備会社側の負担となっていた。今後は警備会社に責任がない場合は、県と協議し関係法令に基づいて対応する。
実施する警備業務については次の5点を明示した。
▽避難場所や避難所、帰宅困難者一時滞在施設における避難者または帰宅困難者の誘導、整理・案内、犯罪防止などの警戒。
▽災害廃棄物の仮置き場などにおける搬入・搬出車両などの誘導と整理。
▽広域物資輸送拠点および地域内輸送拠点における支援物資の搬入・搬出車両などの誘導と整理。
▽通学ルートにおける児童の誘導や通行車両の誘導と整理。
▽立ち入り禁止場所や制限区域における出入り管理と警戒を実施。
神奈川警協は協定の策定にあたり、全国警備業協会が2022年に策定した災害支援協定「ひな形」を参考にした。活動の内容に柔軟性を持たせるため、協定に基づく具体的な取り組みを定めた「細目協定」は策定しなかった。
岩野会長の話 児童を守るための通学路の安全確保を業務の一つに加えてもらうなど、地域に密着した活動が被災時の県民の安心につながればと思います。災害時には県民のため尽力いたします。
黒岩県知事の話 能登半島地震の被災地では盗難事件の発生などさまざまな問題が起きていると聞きます。県と警備業協会が災害時に備えて連携することは、県民にとって大きな安心材料になると思われます。
「ゲート」「会場」警備は東洋テックJVが受注2024.02.01
大阪・関西万博
2025年大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会・十倉雅和会長=経団連会長)は1月9日、警備業務の一般競争入札・11案件の結果を公表した。東洋テック(大阪市浪速区、池田博之代表取締役社長)が幹事会社を務める共同企業体(JV)、ALSOK(東京都港区、栢木伊久二代表取締役社長)などがそれぞれの警備業務を落札した。
「2025年日本国際博覧会ゲート警備共同企業体」(幹事会社・東洋テック)は「ゲート警備実施業務」を59億5000万円で、「会場警備共同企業体」(幹事会社・同)は「会場警備実施業務」を48億6932万9284円で、それぞれ落札・受注した。合計金額は108億1900万円で、両業務の契約期間は2025年4月から10月まで。
ALSOKは「施設警備実施業務」を39億5000万円で、「イベント警備実施業務」を9億92404703円で落札した。
発注元は万博協会で、昨年8月10日に一般競争入札を公告。入札では最低制限価格制度は採用されなかったが、事前に予定価格が公表された。入札の参加資格のうち「業務実績等」では、JVの代表企業は過去20年以内に国際的大規模イベントの警備で中心企業としての経験があること――となっていた。
東洋テックは「大阪・関西万博は、日本経済と大阪・関西の地域経済の活性化やビジネス機会の拡大により約2兆円の経済波及効果が見込まれるビッグイベントです。当社は、地域貢献、公共・公益に資するイベントへ積極的な貢献を果たすべく、大阪に本社を置く警備・ビル管理事業者として当社グループの総力をあげて取り組みます」としている。