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警備業上位48社減収2021.12.21

21年本紙調査 コロナ禍、影響浮き彫り

本紙は、2021年の警備各社の売上高を独自調査した。上位48社が前年に比べて減収となり、昨年の20社を大きく上回った。長期化するコロナ禍が警備業界に与えた影響が浮き彫りになった。

上位100社のうち売上高が昨年に比べて減少したのは48社で、上位10社に限ると7社が、昨年に比べ売上高減少となった。10社の合計は8833億円で、昨年(8952億円)より119億円減少した。

一方、11位〜100位までの90社の売上高合計は5194億円にのぼり、昨年(5185億円)に比べて9億円増加した。コロナ禍は、大手企業に与えた影響が色濃いことが明らかになった。

上位100社の売上高合計は1兆4028億円だった。昨年(1兆4138億円)と比べて、約110億円の減少となった。コロナ禍によりイベント警備が相次いで中止されたこと、施設警備や空港保安警備が縮小されたことなどが売上高の減少につながったとみられる。

青年部会を強化、躍進へ2021.12.11

関東地区連 設置県増やし、育成促す

関東地区警備業協会連合会(会長=島村宏・茨城警協会長)は11月25日、水戸市内で「会長会」を開いた。島村会長は、業界の課題解決に向けた“原動力”として、地区連における青年部会の強化、躍進を各県会長に呼び掛けた。関東地区10県のうち青年部会は4県にとどまっており、今後は設立に向けた動きが加速しそうだ。

会長会には、全国警備業協会から中山泰男会長、黒木慶英専務理事、小澤祥一朗総務部次長が出席した。業界の課題について討議するフリートーキングと、黒木専務理事による「警備業における現状と当面の課題」と題した講話の2部構成で行った。

地区連・島村会長はフリートーキングで「業界の諸課題に立ち向かい更なる発展、責任と役割を果たしていくためには、次世代を担う若い力が必要だ。関東地区連においても青年部会の設置県を増やし、育成を促してほしい」と述べた。

提案を受けて千葉警協・加藤智行会長は、同協会青年部会が中心となって行うセーフティフォーラムなどの活動を紹介し「若い人の発想力やパワーは協会活動に不可欠」と強調。埼玉警協・炭谷勝会長は「当協会には青年部会がまだないが、専務理事とも話し合いながら設立を前向きに考えている」と現状を報告した。

島村会長は「機会をみて関東地区の青年部会長に集合してもらい、青年部会の活動成果を発表する場を作りたい」と提案。青年部会は2010年に茨城警協が初めて設立し、現在30都道府県協会に発足している。

適正な警備料金の確保に向けた討議も行われた。

全警協・中山会長は「公共工事設計労務単価の交通誘導警備員は7年連続で上昇している。ほかの業種の単価も上昇しており、全職種の料金の中で交通誘導警備員が順位を上げるためには、各社が実勢調査に正確に回答することが求められる」と指摘した。

群馬警協・山﨑松惠会長は「適正料金を要求するためには、質の高い業務を提供することが必須。検定資格取得で質を可視化でき警備員自身のモチベーションも上がる」と述べた。

長野警協・竹花長雅会長は「当協会では10月、見積書の根拠となる積算基準について学ぶ勉強会を開いた。会員各社の知識を深めるために今後もこうした機会を作っていきたい」と語った。

全警協・黒木専務理事は「全警協のホームページに顧客との交渉における好事例集を公開しているので、会員各社で参考にしていただきたい」と呼び掛けた。

警備員17人が亡くなる2021.12.01

全警協の労災実態調査

全国警備業協会(中山泰男会長)はこのほど、2020年度の「労働災害事故実態調査」の結果を明らかにした。業務中に労災事故が発生した加盟員は前年度比3社増の802社、被災した従業員数は同87人減の1585人。うち警備員は同59人減の1525人だった。総被災者数のうち死亡は3人増の18人、警備員の死亡は2人増の17人だった。

2020年度に発生した業務災害で被災した警備員1525人の職種は、施設警備業務など「1号」571人(37.4%)、交通誘導・雑踏警備業務など「2号」592人(38.8%)、貴重品運搬警備業務など「3号」118人(7.7%)、身辺警備業務の「4号」3人(0.2%)、「機械警備」196人(12.9%)だった(45人は職種不明)。これを千人率(1年間に警備員1000人当たりに発生した労災事故の割合=災害発生率)でみると、機械警備が6.2で最も高く、次いで3号5.9、2号3.3、1号2.8、4号0.2の順。平均は3.4だった。

被災した警備員の「事故の型」は、「転倒」が最も多く586人(38.4%)。次いで「交通事故」247人(16.2%)、「熱中症」135人(8.9%)、「無理な姿勢・動作の反動」130人(8.5%)など。勤続年数では、「10年以上」が最も多く473人(31.0%)だった。次いで「3年未満」287人(18.8%)、「1年未満」265人(17.4%)の順。経験1年未満で被災した警備員の年齢を見ると、「20〜24歳」が43人、「55〜64歳」77人と、この2つの年齢階層での被災が突出して多かった。

労災事故が発生した場所は、「屋外」1099人(72.1%)、「屋内」423人(27.7%)。具体的な場所は、ともに「ユーザー施設(敷地)内」が最も多く、それぞれ369人(24.2%)、346人(22.7%)だった。

一方、通勤災害が発生した加盟員は前年度比10社減の368社、総被災者数は同13人減の531人。うち警備員は同23人減の485人だった。警備員の死亡は2人減の4人だった。出・退勤別では「出勤途中」が318人(59.9%)、「帰宅途中」が211人(39.7%)で、ともに「交通事故」が最も多く、それぞれ208人、136人だった。次いで「転倒」の85人、59人。交通事故で最も多かった通勤手段は「バイク」の157人。次いで「自転車」88人、「自家用車」78人の順だった。

労災事故実態調査は、全警協が加盟員の労災事故実態を明らかにし、その防止と労災保険収支改善の資料のために1986年年度(通勤災害は92年度)から毎年実施。20年度は6947社を対象に調査、5960社から回答を得た(回答率85.8%)。