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新労務単価 全職種平均2万円突破2020.02.21

年休取得の費用反映

国土交通省は2月14日、2020年度の「公共工事設計労務単価」を公表した。全国全職種の平均単価は前年度に比べて822円(2.5パーセント)増の2万214円。過去最高値を更新し、初めて2万円の大台を突破した。同単価は3月1日から適用される。

公共工事設計労務単価は、法定福利費相当額の加算など2013年度から8年連続で引き上げられた。

今回の見直しで国交省は、労働市場の実勢価格や社会保険加入に必要な法定福利費相当額に加え、「年次有給休暇の5日取得義務」に伴う費用も反映した。

伸び率は対前年度比2.5パーセント増となり、前回の4.1パーセント増を下回ったものの、全国全職種平均の単価は2万214円となり、初めて2万円の大台を突破した。

警備業は、交通誘導警備業務の1級または2級の検定合格警備員「交通誘導警備員A」が対前年度比2.4パーセント増(前回は6.8パーセント増)。地域や標本数などで重み付けした加重平均の単価は1万4053円(371円増)、単純平均単価は1万3991円(329円増)。A以外の「交通誘導警備員B」は同2.2パーセント増(同7.0パーセント増)。加重平均単価は1万2321円(323円増)、単純平均単価は1万2036円(264円増)となった。警備業の伸び率は、A・Bともに全職種平均を下回った。

都道府県別の状況は、Aではこれまで東京が最も高かったが、今回は愛知の増加額が東京を上回り、東京と愛知が1万5500円で並んだ。

「民賠請求」増加に警鐘2020.02.11

民法改正 キステム・髙木氏講演

埼玉県警備業協会(山﨑守会長)が1月27日に開催した「労働安全大会」で、社会保険労務士の髙木雄太氏(キステム=東京都台東区、開發一行社長)が働き方改革をテーマに講演した。その中で髙木氏は、今年4月1日施行の民法改正に言及。債務不履行などの時効延長により、労働災害を発生させた企業への民事損害賠償請求リスクが高まると警鐘を鳴らした。一方で、同法での「契約自由の原則」の明文化や請負に関する見直しが、キャンセル料確保の追い風になると指摘した。

さいたま市内で開催された「労働安全大会」には、社長や経営幹部など90人が参加した。

講演を行った髙木雄太氏は、社会保険労務士のほかに同協会非常勤講師や全国警備業協会技術研究専門部員の肩書も持つ。

同氏は、働き方改革の進捗状況や今年4月からの中小企業への時間外労働の上限規制適用などを説明。原資確保のための警備料金値上げの必要性を訴えた。

4月施行の改正民法については、改正が企業に与える2つの影響を指摘した。

1点目は労働災害と民事責任への影響。労働災害が発生した際、被災従業員への補償は労災保険の各種給付で行われる。しかし、同給付による補償は損害項目の一部に限定。このため、使用者の安全配慮義務違反による債務不履行責任、使用者に故意・過失があった場合の不法行為責任などについては、それぞれ民事損害賠償請求で責任追及が行われるケースが多い。

現行の民法では、債務不履行責任の消滅時効(時効)は10年、不法行為は3年。民法改正では損害賠償請求権の時効期間を長期化する“特則”が新設され、4月1日以降は債務不履行が20年、不法行為が5年に、それぞれ延長される。

髙木氏は、時効長期化で「損害賠償請求が増加する」と警鐘を鳴らした。対応として、民事訴訟で証拠提出と主張を的確に行うため、労働基準法や労働安全衛生法、警備業法で規定される書類の保存期間――労働者名簿や賃金台帳(3年間)、健康診断個人票(5年間)、警備員名簿や指導計画書(2年間)などについても、「長期間にわたり保存した方がいい」とアドバイスした。

2点目は、「契約自由の原則」明文化などによる業務キャンセル時の料金支払い(キャンセルポリシー)への影響。髙木氏は、改正民法第521条に「契約の当事者は、法令の制限内において、契約の内容を自由に決定することができる」が明記されたことを紹介。キャンセルポリシーの法的根拠が明らかになったと指摘した。さらに同法の請負に関する見直し(1)キャンセルに注文者の責任がある場合は報酬の全額請求が可能(同536条第2項)(2)仕事の完成前にキャンセルされた場合でも、注文者が利益を受ける時は、請負人は注文者の利益の割合に応じて報酬の請求が可能(同634条)――を挙げ、「キャンセル料確保の追い風になる」との見方を示した。

盛り上がれ「東京2020」 開幕まで残り半年2020.02.01

お台場に〝巨大モニュメント〟

「東京2020大会」の開幕まで残り半年となった1月24日、東京都は港区の都立お台場海浜公園付近の水上に巨大なオリンピックシンボル「ファイブリングス」を設置した。

ファイブリングスは横32.6メートル、縦15.3メートル、幅1.7メートルの鋼製で重量は約70トン。神奈川県内の造船所で台船上に製造・設置され、17日に現地に運ばれた。夜間には点灯される。

設置期間は、オリンピック終了までで、8月中旬にはパラリンピックシンボル「スリーアギトス」(横23.4メートル、縦17.5メートル、幅2メートル)と交代する。

設置場所のお台場海浜公園は、五輪でトライアスロン競技の会場となるほか、付近の臨海部には数多くの競技会場がある。都は東京2020大会の象徴的な場所への巨大モニュメント設置で大会を盛り上げる。

24日に設置場所近くのホテルのテラスで行われた「東京2020イヤー記念セレモニー」には、小池百合子都知事をはじめ山下泰裕・日本オリンピック委員会(JOC)会長などの多数の関係者が参加。開催まで半年前の節目を祝うとともに、「ファイブリングス」を初点灯した。