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京都警協青年部会 養護学校で体験学習会2019.11.21

片側交互の交通誘導警備を指導

京都府警備業協会(宇多雅詩会長)の青年部会(市川良部会長=太陽保安警備)は11月13日、滋賀県内の養護学校で「警備業務体験学習」を行った。障害者に対する警備業務の理解促進に向けた取り組みは、全国でも初の試みだ。

体験学習が行われたのは大津市内にある県立北大津養護学校(松宮惠校長)。同校高等部の約30人の生徒を前に青年部会員13人が交通誘導警備と巡回警備のデモンストレーションなどを行った。

交通誘導警備では、実際に生徒が手旗やトランシーバーを用いて車両誘導を疑似体験した。校舎内廊下を道路に想定し、中央にカラーコーンやコーンバーなどで工事現場を設定。生徒は“現場”の両端部と現場脇に分かれ、車両に見立てた他の生徒が押す車いすや台車を手旗の合図で「停止」させたり、トランシーバーで互いに連絡を取り合い「徐行」「幅寄せ」「進行」の合図を行うなど、片側交互通行での安全な車両誘導を体験した。

トランシーバーでの「車両を進行させる件、了解。どうぞ」などの指示や報告のやり取りは、学校側がパネルを作成。青年部会員が生徒の前でパネルをめくりながらトランシーバーの使用をサポートした。

金属探知機や誘導灯など警備資機材の展示も行われた。ポケットに隠した携帯電話を金属探知機で探すゲームには、生徒たちも大喜び。「体に触れる時は“失礼します”と言葉を掛けてください」との青年部会員の指示に従い、楽しみながらボディーチェックの要領も学んだ。

青年部会では、今回の体験学習を機に障害者の職業技能競技大会「京都アビリンピック」でのデモンストレーション、さらには障害者の警備業への入職促進にもつなげたい考えだ。

青年部会と体験学習の準備を行ってきた同校の高尾陽子進路指導部長によれば、これまで同校ではビルメンテナンスや内装工事の業界団体が体験学習を実施。初めての警備の体験学習とあって「心配していましたが、プロの仕事に触れることができました。生徒たちは警備の道具にも興味を持っていたようで、皆楽しんでいました」と体験学習を振り返った。

京都警協青年部会は、障害者雇用の調査研究を活動の一つに掲げる。昨年は部会員5人が、警備業で障害者雇用に実績を上げるATUホールディングス(福岡市、岩﨑龍太郎代表取締役)の見学を行うなど意欲的な取り組みを進めている。今回の体験実習も、ATU社見学にも加わった前部会長の吉松正博氏(パイオニアガード)が、障害者雇用の調査のために北大津養護学校を“飛び込み”で訪問したのがきっかけ。学校の理解を得て実現した。体験学習での生徒への指導カリキュラムは、今年6月に行われた「アビリンピック福岡2019」で、ATU社が行ったデモンストレーションを参考にした。

全警協が「警備の日」全国大会2019.11.11

若い人、女性に業界周知へ

全国警備業協会(中山泰男会長)は11月5日、都内のホテルで4回目となる「『警備の日』全国大会」を開き、中山会長は「人手不足を解消するためには警備業界のこれまで以上の周知活動と信頼度向上が必要だ」と述べた。全警協は昨年決定した警備業界のマスコットキャラクターを活用し、特に若年層と女性へのPRを図る。大会では「東京2020大会」のセキュリティーについて、大会組織委員会の岩下剛警備局長が講演した。

中山会長は警備業界が発展を続けるためには、警備の仕事が国民の生活を守り社会に貢献していることを多くの人に知ってもらうことが大切だと強調した。

2015年3月に11月1日を「警備の日」と制定。ホームページを開設したりティッシュなどのグッズを配り、業界内はもとより一般向けにも警備業の認知度向上に努めてきたと述べた。

特に17年には女性へのアピールを目的に女性警備員の愛称を「警備なでしこ」に決定、昨年は多くの人に警備業に親しみをもってもらうため警備業のイメージキャラクター「ガードくん ガドワンくん」を制定。今後、この2つを使って、全警協と各警協、加盟員が一体となり積極的に広報活動を行おうと呼び掛けた。

PR策として全警協はイメージキャラクターを使った「警備の日」を周知するチラシを作成し、加盟員に配布した。

来賓であいさつした警察庁の白川靖浩生活安全局長は「全警協は適正取引に向けた活動や働き方改革の周知に力を入れており、警察庁としてもこれを支援したい」と述べた。

新宿駅西口で記念イベント

東京都警備業協会(鎌田伸一郎会長)青年部会の安見竜太部会長(シンテイ警備)は9月14日に新宿駅西口広場で開いた「警備の日」記念イベントについて報告した。安見部会長は、警備の仕事を知ってもらうことや人材確保に向けてのイメージアップなどを目的に、子供から高齢者まで幅広い人に来場してもらうためのイベントづくりに力を入れたと述べた。

お笑い芸人のコントや警視庁音楽隊のコンサートなどを行った結果、2800人もの来場があったと報告した。

件数・被災者数とも最多2019.11.01

全警協・2018年度労災調査

全国警備業協会(中山泰男会長)は、加盟6831社を対象に行った2018年度労働災害事故の調査結果を発表した。死亡者数は前年度より減少したが、事故件数と被災者数はともに調査を開始した1986年度以降、最多となった。交通事故は前年度より増えて死亡事故のうち最も多く、猛暑により熱中症被害が急増した。

2018年度の労災事故件数は2259件で前年度比52件(2.4パーセント)増、被災者数は2305人で73人(3.3パーセント)増となった。内訳は業務中に発生した事故(業務災害)1702件・1743人、自宅と会社または警備現場に出退勤途中の事故(通勤災害)557件・562人だった。

交通事故の被災者は、業務災害288人、通勤災害394人の計682人で、3.0パーセント増となった。

18年7・8月は猛暑が続き、熱中症の業務災害は189人で173.9パーセントの大幅な増加となった。

死亡者数は業務災害16人、通勤災害5人の計21人で13人(38.2パーセント)減少。死亡者数のうち13人が交通事故で、道路工事現場で乗用車にはねられたケースが4人あった。2人は7月の豪雨災害、1人は熱中症が原因で死亡した。

警備員の被災時の業務は2号業務が最も多かった。業務内容は「車両誘導中」348人、「移動中」288人、「巡回中」270人の順で、事故の型は「転倒」571人、「交通事故」275人、「熱中症」189人の順だった。

暴走車防ぐ職場環境へ

被災した警備員は、勤続年数10年以上が431人(25.8パーセント)と最も多く、次いで1年以上3年未満が307人(18.4パーセント)。事故は好天時、午前11時前後に最も発生しており、こうした傾向を警備員に周知することも重要だ。

交通事故による死亡は、居眠り運転や前方不注意など暴走車両の進入によるケースが多い。防止するためには経営者自らが安全な職場環境を確保し、警備員は教育と訓練による一層の能力向上が求められる。