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関東地区連 新会長に神奈川・岩野氏2024.04.21
島村氏は茨城警協会長も退任へ
関東地区警備業協会連合会(島村宏会長=茨城警協会長)は4月11日、山梨県笛吹市内で2024年度の通常総会と会長会を開催した。7期14年地区連会長を務めた島村氏が退任、新たに神奈川警協会長の岩野経人氏が地区連会長に就任した。
会議には関東地区10県の会長(栃木は副会長)と専務理事が出席した。来賓として全国警備業協会の黒木慶英専務理事と小澤祥一朗総務部次長、関東管区警察局広域調整第一課の鈴木美紀調査官が加わった。
島村会長の辞意を受け、各県会長による互選で後任会長を選出。新会長に神奈川警協の岩野会長、副会長には埼玉警協の炭谷勝会長が選ばれた。
島村会長は理事として再任、新たに顧問に就任したが、5月の地元・茨城警協総会で協会会長を辞すことを明らかにした。
地区連会長退任に当たり島村氏は「これまで“警備業の隆盛を期す”をモットーに取り組んできた。新会長の下、地区連がさらに発展することを祈る」と述べ、今後は顧問として地区連を側面から応援していく意向を示した。
岩野新会長は「さらに(各県協会間の)相互協力関係を強化したい」と今後の地区連運営方針を述べ、各県協会の協力を求めた。
意見交換会から出席した全警協・中山泰男会長は「関東地区連は全警協の中で最大の勢力。半面、業界の課題により影響を一番受けてきたが、地区連単位の青年部会発足など全国をリードして大きな役割を果たしてきた」と島村前会長の労をねぎらった。
地区連会長所属警協が茨城から神奈川となることにより、同地区連が全国に先駆けて2022年に発足させた「関東地区警備業協会連合会青年部会」部会長も交代。茨城警協青年部会の佐藤平八郎氏(ジェイエスケイ)から神奈川警協青年部会の髙里憲悟氏(アスカ)にバトンタッチする。
警備業入社式2024.04.11
「社会に貢献」「チャレンジ」
新卒社員と飛躍を図る――。4月1日、警備各社は入社式を行った。経営者は次世代に寄せる期待を語り、新社会人は社業に取り組む意気込みを述べた。
千葉警協
千葉県警備業協会は千葉市中央区内で「合同入社式」を行った。会員4社から新入社員25人が出席した。
合同入社式は、会社の枠を超えて「同期の絆」を紡いでもらいたいと2019年度に始めた。20、21年度は新型コロナの影響で中止、22年度から再開し、今年度で4回目となった。
式辞で加藤会長は「内面に磨きをかけ、社会の安全安心に貢献する人材へと大きく飛躍してほしい」と述べた。
入社2年目の長嶋希さん(25、ALSOK千葉)が先輩としてあいさつし、「若い世代の私たちで警備業界をさらに盛り上げていきましょう」と呼び掛けた。
新入社員を代表して河鍋鼓太郎さん(23、MSK)が「必要な知識・技能の習得に全力を尽くす。時代の変革に対応する発想と使命感を持って社会に貢献する」と宣誓した。
日警保安、セキュリティワンの新入社員も出席した。
セントラル警備保障
CSP東京研修センター(町田市)で「定期採用社員入社式」を行った。
新入社員は97人(男性78人、女性19人)。澤本社長は「不透明な時代に、AIなどの活用を広げ創造的なビジネスモデル構築が求められています。努力に加え“ひらめき”が大切。若い発想で知恵を出し、チャレンジしてほしい」と激励した。
新入社員を代表し関西事業部・鈴木堅孝さんが「安全安心な日常はかけがえないものと痛感します。切磋琢磨し未来を切り開いてまいります」と決意を表した。
新入社員はビジネスマナー講習を含む3泊4日の新任教育を3月中に受けた。入社祝賀会では、同社CMに出演している岡田准一さんの祝福メッセージ動画が披露された。
KSPグループ
横浜市内でグループ入社式を開催した。KSP(横浜市、田邊中社長)、KSP・WEST(さいたま市、柏倉智之代表取締役)、KSP・EAST(東京都千代田区、田邊龍美社長)の3社から男性11人、女性5人の新入社員が出席した。
田邊中社長は「配属後の1年間、与えられた仕事に真剣に取り組んでみてください。真摯な姿勢から得られる信頼は何より重要なものです」と訓示した。
田邊龍美会長は「1年といわず3年、5年と頑張ってもらいたい」と激励。新入社員を代表しKSP金沢支社・中村萌さんが「若さとチャレンジ精神で精進します」と述べた。
続いて研修を行い、中村ふじ氏(Coach F)がコミュニケーションや健康管理について講演した。
アサヒセキュリティ
中央区内で入社式を行い、大学・専門学校卒の男性11人、女性9人、高卒の男性21人、女性18人の59人が出席した。
赤木社長は新入社員に同社の業績などを解説、「安心して将来を託して下さい」と呼び掛けた。また“3つのお願い”として「あいさつ励行」「分からないことは質問する」「友人や家族を大切にする」――を挙げた。
新入社員は自己紹介と抱負を述べた。20日以降、恒例の宿泊研修を行い、3泊4日の日程でビジネスマナーや業務の基礎知識などを学ぶ。
入社式では東京警送隊の入社4年目以内の隊員から選抜された4人が「基本動作・警戒棒基本操作要領」の実技演習を披露、警備業務の範を示した。
警備業大手5社の入社予定2024.04.01
強まる「地元志向」
警備業大手5社など各社が行った2024年度の新卒採用活動の状況が3月27日までの当社調べで分かった。「売り手市場」が継続する中で、初任給のアップ、社長メッセージなど動画の活用、コロナ禍を経た学生の「地元志向」への対応など各社による取り組みが明らかになった。
多くの業種で若手人材の獲得競争が激化する中、警備業大手は採用計画割れとなった模様だ。
セコム(東京都渋谷区、吉田保幸社長)は24年度新卒採用予定者は470人を計画したが338人にとどまった。ALSOK(東京都港区、栢木伊久二社長)はグループ全体(単体は非公表)で1100人の目標に対し約900人。セントラル警備保障(CSP・東京都新宿区、澤本尚志社長)は253人の目標に対し97人。例年150人〜200人の幅で採用している全日警(東京都中央区、片岡由文社長)は151人だ。
選考方法はウェブと対面の併用が主流だが、新たな傾向としてCSPの担当者は「今年度は対面型の説明・面接を望む学生が圧倒的に多かった。コロナ禍の後に“対面を通じて相手と雰囲気を共有したい”と望む学生が増えた」と述べた。
コロナ禍以降の特徴として「地元での就職希望」がある。全日警は「応募者の地元志向は強まっている。入社後はメンターがきめ細かな面談を行い希望に合わせた勤務地や配置換えに応じている」としている。セコムの高卒採用109人のうち「地域限定」は72人、「全国」は37人で、担当者は「地元勤務の志向が増加する背景として、経済面や生活面での安心感を求める意識があるようだ」と話した。
インターネット活用では、ALSOKは選考に参加した学生だけが見られる動画をユーチューブで限定公開。会社説明会終了時に社長メッセージを、一次面接合格者には二次面接アドバイスを、合格者には先輩社員から“おめでとう”メッセージを、それぞれ動画で配信した。
待遇改善による人材確保を視野に、セコムは初任給を9000円引き上げた。初任給アップは3年連続だ。各社とも内定者の交流イベント、先輩社員との座談会などを行い、警備業への理解を図った。東洋テック(大阪市、池田博之社長)は新卒37人(男性27、女性10)を採用し「選考の間に社内見学や懇親会を開いて学生との接点を増やし、当社で働く魅力を伝えた。社員と学生の懇親を図ることで内定辞退率を低下させることができた」としている。
トスネット(仙台市、氏家仁社長)は、新卒採用10人(男性5、女性5)を計画したが3人(男性2、女性1)にとどまった。担当者は「少子化の影響か、就職先が未定の学生に対して親が“やりたいことが見つかるまで働かなくてもいい”というケースもあるようだ」と述べた。東洋ワークセキュリティ(仙台市、勝又和成社長)は、任期制自衛官を「自衛隊新卒」として2人採用している。
各社とも新卒者の入社後は、会社への帰属意識や定着率を高める取り組みを進める。セノン(東京都新宿区、稲葉誠社長)は「入社半年後にフォロー研修を行う。配属後の近況を共有するとともに会社への愛着や貢献の思いをより深めることにつながる」としている。