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クローズUP

全国警備業殉職者慰霊祭2025.11.21

合祀 新たに5人

全国警備業協会(村井豪会長)は11月10日、「全国警備業殉職者慰霊祭」を都内で行った。労働災害により亡くなった警備員の会社関係者、都道府県警協の会長など56人が参列。警備業界一丸となって「悲惨な事故の根絶」に全力を尽くす誓いを新たにした。

殉職者慰霊祭は、全警協創立50周年を契機として2022年度から行われて4回目。今年は新たに5人が祀られ、合祀は50人となった。

村井会長は式辞で「警備員としての高い誇りと使命感を、身をもって示された。職務に対する強い使命感、他者に対する献身的な思いやりに、衷心より敬意と感謝の念を捧げます」と悼んだ。

警察庁の山田好孝生活安全局長、全警協の佐々木誠労務委員長、殉職警備員の関係者を代表してALSOK(東京都港区)の常駐警備事業担当・𠮷田浩儀常務執行役員が、それぞれ追悼の辞を述べた。

今回合祀されたALSOKの宇佐美芳和さんは、2024年6月28日、警備業務に従事中に不慮の事故に巻き込まれた(享年48歳)。1998年に入社し、沖縄県などで業務に就いていた。

𠮷田常務執行役員は「上司はもとより同僚、後輩からも慕われ、人間味にあふれて、将来を嘱望された優秀な社員でした。私たちは宇佐美さんの意志を継いで社会の安全安心に貢献してまいります」と述べた。

参列者は黙とうを捧げ、祭壇に献花を行った。

横浜で警備業女性活躍全国大会2025.11.21

65人参加 講演や討議

「警備業女性活躍全国大会」が11月6日、横浜市中区内で開催された。

同大会は「警備業に関わる女性リーダーが集まり絆を深めて未来の警備業を創造する」を目的に昨年5月に北海道で初開催され、今回が2回目。神奈川県警備業協会の女性部会「ポラリス」(平林尚子部会長=神奈川警備保障)が主催した。

来賓の神奈川警協・岩野経人会長は「平林部会長は4年前から『女性活躍に向けて語り合う場を作りたい』と切望していた。会合が警備業にとって有意義な場となることを期待しています」と述べた。

参加者は4人一組になり「警備業での女性登用」「警備業の良いところ」――の2テーマでグループディスカッションを行い、意見をまとめて発表した。

「働き盛りの30代・40代は子育ての時期になるので女性が働きやすい雇用体制を考えてもらうことで求職者が増えると思う」「警備業は重要なインフラや建造物の安全安心を任される仕事で誇りを持てる」などの意見が寄せられた。

大手企業・銀行役員のほか横浜市アドバイザー、国際機関日本共同代表などを歴任するアキレス美知子氏が「女性活躍推進を考える」と題して講演。自身の経歴や生き方を紹介した上で、女性が充実した人生を歩み社会で活躍するためのヒントや考え方を伝えた。

平林部会長は「全国から多くの人に集まっていただき感謝しています。昨年は北海道大会に出席し、同志が語り合うことでエンパワーメント(業務への統制感)が向上し安心感を得ました。今後もこの機会を大切にしていきたいと思います」と総括した。

出席した女性部会は、神奈川・北海道(幡優子部会長=テックサプライ)・東京(黒田奈苗部会長=パシフィック警備)・石川(北原泉部会長=アクロス警備)・岐阜(森幸恵部会長=大警)・大阪(若林勝美部会長=ブラザーメンテナンス)・福岡(森田知恵子=セーフキーパー)。ほかに茨城・埼玉・山梨・静岡・長野・愛知・京都・兵庫・愛媛・高知の女性経営者など合計65人が参加した。

来年は大阪開催を予定している。

特集ワイド 事業支援するシステム2025.11.21

自動連携で負担軽減、効率化

警備業界では今、管理者と警備員の業務を効率化し質の向上を図る「管制システム」の導入が進められている。開発メーカーの中で警備業への参入が最後発ながら、使いやすさと充実した機能で注目を集めているのがメディカルフォース(東京都品川区、畠中翔一代表取締役CEO)の1号・2号警備向けオールインワンサービス「警備フォース」だ。その機能と導入事例を紹介する。

「警備フォース」は、警備員(以下「隊員」)の配置、上・下番連絡、給与計算、請求など警備業における業務システムを一元管理できるクラウド型サービスだ。業務に必要な情報をシステム間で自動連携することで作業負担を軽減。警備会社の業務効率化やコスト削減を実現させて事業の成長を支援する。

特長を(1)管制業務(2)連絡業務(3)経理業務――の3業務に分けると、それぞれ次のようなメリットがある。

【管制業務】

▽配置時に必要な情報を一画面で全てリアルタイムに確認できる。

▽過去に配置した隊員は「再配置機能」により効率的に配置できる。

▽顧客や隊員同士の関係性を過去の事例から判断しアラート表示でトラブルを未然に防ぐ。

▽隊員ごとに現場までの最短距離や交通費を自動計算し経費削減に寄与する。

【連絡業務】

▽隊員はLINEで連絡や報告をすることが可能。

▽隊員は現場の日時・住所・地図などの情報を1タップで送付できる。

▽隊員ごとにLINEや電話など上・下番の連絡方法が異なる場合でも1画面で進捗管理可能。

▽下番連絡時に警備報告書が送付され回収できる。現場長のサインや現場写真も管理者に送付できる。回収に要する工数や帳票代、交通費、輸送費などの経費を削減できる。

▽上・下番時には隊員の位置情報の取得が可能。

▽隊員画面からシフト申請ができる。管理者側でシフトが確定した後は隊員側で変更できないように設定可能。

▽隊員画面から給与明細を確認できる。明細書は任意でダウンロードや印刷が可能。必要であれば年次有給休暇表示もできるため、隊員からの問い合わせ数の削減に寄与する。

【経理業務】

▽隊員の稼働実績や残業・深夜などの手当情報と連動して給与を自動計算する。インボイス制度にも対応済みだ。

▽変形労働時間制を含む全ての給与体系を実装し、社会保険や所得税、住民税などの控除まで自動計算する。

▽案件ごとに会計の「請求済み」「未入金」「入金済み」といったフェーズ(段階)管理が画面上で可能。

▽複数の請求を1枚にまとめてクライアントに送付できる。

▽請求漏れを防ぐため請求状況の確認(進捗の可視化)が可能。

「警備フォース」は今後、次の2つの機能をオプションで追加する予定だ。

1つ目は、事業所や支社ごとの現場、隊員管理を実現する「支社管理機能」。隊員情報を拠点単位で共有できるほか、本社で全体を横断的にチェックすることもできる。

もう一つは売上集計や原価計算、粗利率算出などを実現する「経営分析機能」。売上や人件費を自動集計し、クライアントや現場ごとの粗利を可視化する。経営レポートも作成可能だ。

導入時の料金は初期費用30万円、サービス利用料金(月額)は隊員31人〜100人は900円×隊員数、101〜500人は800円×隊員数、500人以上は要相談。目安として隊員数30人の場合は月額2万7000円、50人の場合同4万5000円、150人は同12万円。

初期費用の内訳は、サービス利用環境の用意やマスタ・アカウント設定支援、データインポート作業、操作説明の費用など。サービス利用料にはサポート費用が含まれ、ユーザー数やシステム内のデータ容量、端末数による料金変動はない。

「警備フォース」はISMSクラウドセキュリティ認証「ISO/IEC27001・2022」を取得しており、安心してクラウドを利用できる。

▽問い合わせ先 ☎070―1522―7514(担当者直電)

メディカルフォース・畠中代表取締役CEO

当社は2020年に創業し、最初に開発を手掛けたのが医療関係のシステムです。自由診療クリニック向け業務を一元化するクラウド型管理システム「medicalforce(メディカルフォース)」で、21年3月から提供開始しました。リリースから4年で、約600院のクリニックに導入されました。

その経験と知見を生かしながら、警備業に特化して新たに開発したのが「警備フォース」です。24年5月から提供開始し、すでに50社以上の警備会社に導入されています。

「警備フォース」の特長は、多くの機能を備えていること、週1回のペースで頻繁にシステム改善を図っていること、導入していただいた会社へのサポートを手厚く行っていること――などです。システムは使いやすさにこだわっています。直感的に操作できるよう画面デザインを工夫し、できるだけ少ないクリック数で操作が完了するように設計してあります。

機能は現在、業務の効率化に主軸を置いていますが、今後はさらに進んで「導入することで会社の売上が向上する」システムを心掛けていきます。具体的には隊員の方々の採用推進や離職防止、発注元にとって満足度が高い警備業務の提供などを支援します。システムで業務の効率化を実現させたあと余剰工数をどの業務に当てれば売上向上に効果的かという提案もしたいと考えています。

当社にはカスタマーサクセス(CS)の部署があり、お客さま1社につきCS担当者1人が付かせていただきます。問い合わせがあった際には、その回答以上のことを提供し、社業の向上に貢献できるように尽力しています。

私はスタートアップ企業を設立してシステムを開発、提供することを在学時から決めていました。大学ではAIを専攻し、生成AI(深層学習)の研究をしました。大学院に進んでからは学業と並行して企業でインフラの構築やウェブアプリケーションの立ち上げなど多くのシステム開発に携わり、今日につながる貴重な経験をしました。

生成AIとソフトウェアはどちらも人の仕事を自動化することで共通しています。まずソフトウェアで自動化し、複雑なシステム開発が必要な局面でAIを活用していきたいと思います。

警備フォース導入事例~URK

URK(東京都中野区、渡部和充代表取締役)は2025年2月に業務をスタートさせたばかりの2号警備を主業務とする警備会社だ。従業員数は現在36人。

渡部代表取締役は同社設立前、都内の警備会社で管制業務を担当していた。当時感じていた課題は、隊員のシフト管理にホワイトボードを使用していたことだった。1か月のシフト表を月初に書き込んでいたが、書くスペースが限られていること、書いた内容を月末に消して新たに書き直す手間など、アナログ的な管理に使いにくさと作業負担を感じていた。

そこでホワイトボードの代わりにスケジュール管理用のウェブソフトを使ってみた。しかし給与計算や請求などの経理業務には表計算ソフトを使用していたため、データ移行のための入力作業に手間と時間がかかり、ヒューマンエラーが発生する可能性もあった。

管制業務と経理業務を一本化させたシステムを探すことを決めた頃に偶然メディカルフォースから電話を受け、「警備フォース」の存在を知った。業務の課題解決につながることを確信して25年3月、新たに立ち上げた警備会社・URKに導入することを決めた。

稼働させてすぐ、ホワイトボードでの管理から脱却してこれまでとは比較にならない利便性を感じた。隊員の交通費を自動で算出できるなど業務が効率的になり、作業ミスの心配も削減された。ペーパーレスになったことで経費節減の効果もあった。

隊員の中には高齢者もいるため、まだ上・下番の自動連絡までは実現できていない。そこで年明けに隊員全員に集まってもらい説明会を開いて、隊員画面の操作を学ぶ機会をつくる。メディカルフォースのCS担当者も参加してわかりやすく説明し、使い方をマスターしてもらう予定だ。

これから会社の規模拡大とともに「警備フォース」のさまざまな機能を使って、業務全体の作業負担を軽くしていく。管制業務を担う専任者を付け、社長自身はできるだけ現場を巡察し、業務の質向上に向けた指導や「作業マニュアル」の制作に取り組むという。

渡部代表取締役は「人が行う作業はヒューマンエラーが必ず発生します。業務を自動化させることで作業の精度が上がり人件費削減にもつながります。当社は設立して間もなく小規模ですが、将来を見越してできる限り『業務のデジタル化』を図っていきます」と話す。

警備川柳を募集

メディカルフォースは「11月1日・警備の日」を記念して「第1回 警備川柳」の作品を募集している。日常の業務や業界への思い、安全安心のスローガンなどを、古くからある親しみやすい表現にまとめ、業界を盛り上げ社会からの関心を高めることが目的。応募の詳細は次の通り。

▽作品形式

5・7・5の川柳形式。一人何作でも応募可能。

▽応募テーマ

警備現場の「あるある(よくあること)」やエピソード、仕事への思いや工夫、防犯・安全に向けたスローガンなど。

▽応募対象

現場で業務を行う警備員・管制担当者など内勤者・経営者など、警備業界に関わる全ての人。

▽応募締切

12月26日(金)

▽応募方法

警備フォース「第1回 警備川柳」特設ページ応募フォームから。

▽結果発表

2026年1月下旬に受賞者へ通知(受賞作品は「警備フォース」ウェブサイトおよび外部サイトに掲載予定)。

▽表彰・賞品

大賞=アマゾンギフト券1万円×1人

優秀賞=同券5000円×3人

入賞=同券2000円×5人

特別賞=同券3000円×1人