視点
外国人雇用2026.02.01
業界全体で受け入れよう
国土交通省によると昨年、日本を訪れた外国人(インバウンド)は4000万人を超えた。前年から約16%増加し、過去最多となった。政府は2030年までに「訪日外国人6000万人達成」を目標に掲げている。
観光目的のインバウンドではなく、3か月以上の在留資格を持つ「在留外国人」も増えている、10年前から毎年10%ずつ増え続け、昨年6月には約370万人に達したことを出入国在留管理庁は発表した。日本の人口は減少傾向にあるが、日本に暮らす外国人は増加傾向にある。警備業の課題である人手不足を改善するために「外国人雇用」はこれから一層注目されていくだろう。
「外国人を警備員として採用できるのだろうか」と考える警備業関係者は今も多い。最大の問題となるのは「在留資格」だ。警備業は現在、「特定技能」や従来の「技能実習」など“就労系”在留資格の対象分野ではないからだ。
外国人向け求人サイト「ガイダブル・ジョブズ」を運営するガイダブルの田邉政喜社長は「永住者・定住者(日系人など)・日本人との配偶者など“身分系”在留資格を持つ外国人であれば、日本人と同じように警備員として働くことができます」と話す。
現場業務では「日本語力」が必要となる。ガイダブルでは、サイトに登録があった外国人に一次面接として在留資格や日本語能力を確認し、その上で企業面接につなげている。企業の「外国人雇用への不安」を軽減する取り組みだ。
筆者は2号警備が主業務の警備会社に勤務するベトナム人の警備部長を取材したことがある。管制を含む業務全体を任され、社内DX推進の責任者でもあった。「定住者」の在留資格を持ち、日本語を流暢に話す優秀な“人財”だった。
特定技能制度に加え、来年4月からは「育成就労制度」がスタートする。人手不足が深刻な分野で、外国人が働きながら技能を習得しキャリアアップを目指す。全国警備業協会は両制度の対象業種に警備業が追加されることを目指してワーキンググループを設置、12月の閣議決定に向けて協議を重ねている。
文化や宗教の違い、言葉の壁など課題はあるが、業界全体で知識を共有しながら労働環境を整え、外国人を貴重な戦力として受け入れるときだ。
【瀬戸雅彦】
