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春から事業者の努力義務2026.01.01
高年齢者労災防止対策
厚生労働省の検討会は12月26日、「高年齢労働者の労働災害防止対策に関する報告書」を取りまとめた。報告書を元に同省は2月中にも大臣指針を策定・公表、4月から高年齢労働者に対する労災防止措置を警備業など事業者の“努力義務”とする。警備業での対策確立は急務だ。
身体機能の低下など高年齢者の特性に配慮した労災防止措置の努力義務化は、2025年5月公布の改正労働安全衛生法に明記された。施行は26年4月1日。同法に基づく具体的な労災防止措置については、厚労大臣が指針で策定・公表することとされた。
指針は同省が20年に策定した労働安全衛生部長通達「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン(エイジフレンドリーガイドライン)」を見直し、大臣指針(新指針、仮称:エイジフレンドリー指針)に“格上げ”する。
新指針が事業者に求める措置は(1)安全衛生管理体制の確立(2)職場環境の改善(3)高年齢労働者の健康や体力の状況の把握(4)高年齢者の健康や体力の状況に応じた対応(5)安全衛生教育――の5つの事項。「リスクアセスメント」や「ヒヤリハット」などで労働災害発生リスクを事前に洗い出し、前記(2)から(5)で示す事項を参考に優先順位の高いものからの取り組みを求めている。
職場環境改善は、身体機能が低下した高年齢者が安全に働き続けられる施設や設備の検討と対策の実施。警備業にも大きく関係する「暑熱な環境への対応」では、高年齢者は暑さや水分に対する感覚機能が低下するとともに、暑さに対する身体調整機能も低下することから、涼しい場所の整備と利用の勧奨を求める。
健康や体力の状況の把握は、行政や研究機関が開発、公開している既存の「チェック票」などの導入・活用。具体的な方法・名称などは今後通達で例示する。
健康や体力の状況に応じた対応は、配置転換などの就業上の措置。その際、「高年齢者の排除」ではなく、「適切な就労の場の提供」であることを労使で取り決める「働き方のルール」の構築を求めている。
安全衛生教育は、法令に基づく教育の確実な実施とともに、作業内容とリスクについて理解できるよう十分な時間を掛けること、初めて経験のない業務に就く人には特に丁寧な教育訓練を行うことを求めている。一方、教育などを行う管理監督者には、高年齢者が実際に働いている現場を見て作業に無理がないか把握することを通達で示す。
事業者への支援として設けられていた「エイジフレンドリー補助金」も拡充。「職場環境改善コース」の中にあった熱中症予防対策を新たなコースとして独立、支援を厚くする。
