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A5.8%増の1万9千円2026.03.01

公共工事設計労務単価

国土交通省は2月17日、新たな労務単価を公表した。国発注公共工事に従事する交通誘導警備員の「公共工事設計労務単価」は、検定合格警備員のAが前年度比5.8%増の1万8911円、それ以外のBが同6.7%増の1万6749円(額は全国加重平均、伸び率は単純平均)。ともに全職種平均の伸び率4.5%を上回った。官庁の施設警備員の「建築保全業務労務単価」は、全国平均同9.1%増の1万7040円となった。

建設職種を含む全国・全51職種平均の「公共工事設計労務単価」は、前年度比4.5%増の2万5834円(加重平均)。初めて2万5000万円を超えた。交通誘導警備員など全職種の約8割を占める「主要12職種」は2万4095円(同4.2%増)。主要建設職種中、最も単価の低い軽作業員1万8605円(主な作業は清掃、後片付け、草むしり、散水、小運搬など)と警備員との比較では、Aが306円上回ったが、Bは1856円下回った。

交通誘導警備員の労務単価の引き上げ額は、警備員Aは関東が300円〜500円、中国200円〜500円と低調だったのに対し、中部と九州で1500円を超えた。

これにより、Aの最高額は昨年度に続き愛知で2万2400円。次いで静岡2万1800円、三重2万1400円、岐阜2万1100円と、中部4県が2万1000円を超えて上位を占めた。改定による2万円超は、北から宮城2万100円、福島2万200円、東京2万500円、神奈川2万200円、石川2万400円の計9都県。九州では、熊本を除く全県で1万8000円台となった。

警備員Bの引き上げ額が大きかったのは、九州1300円〜1700円、関東1100円〜1300円など。最高額は東京と神奈川の1万8700円。新単価は3月から適用される。

建築保全業務9%増

「建築保全業務労務単価」は、国交省が全国を10地区に分け、省庁が庁舎保全業を発注する際の“参考単価”として明示される。施設警備員は保有資格や経験年数などで3種類に区分。

施設警備1級検定保有者または警備業務の高度な技術力・判断力持つ実務経験6年以上程度の「警備員A」の全国平均単価は、前年度比1610円増の1万9590円。時間外単価や夜勤単価算出のための「割増基礎単価率」は9.9%。

2級検定保有者または実務経験3年以上6年未満程度の「警備員B」は、同1380円増の1万6720円。割増基礎単価率は9.8%。

警備員Aまたは警備員Bの指示に従って作業を行う能力を持つ実務経験3年未満程度の「警備員C」は、同1260円増の1万4810円。割増基礎単価率は11.1%。宿直1回あたりの単価「宿直単価」はA・B・Cいずれも5000円。伸び率は、いずれも約9%増だった。

保全技師、清掃員、警備員の全職種平均の単価は、前年度比8.5%増の1万9540円。警備員は、伸び率9.1%と全職種平均を上回ったものの、単価は2500円低かった。

新「建築保全業務労務単価」は4月から適用される。

解説

「公共工事設計労務単価」は、公共工事に従事する建設作業員や警備員の社会保険加入促進のため、必要な法定福利費相当額の反映などが始まった2013年度から14年連続の引き上げ。

単価は労働者本人が受け取るべき賃金を、日額換算(所定内労働時間8時間)として設定。時間外割増賃金や事業主が負担すべき法定福利や安全管理費など企業に必要な一般管理費などの経費は含まれていない。このため警備会社が元請け建設会社に警備料金を求める際には、労務単価に必要経費約40%を上乗せした額の請求が必要だ。

一方で、これまで公共工事設計労務単価は、下請け建設業者や警備業にとって“絵に描いた餅”に過ぎなかった。このため国交省は「労務費に関する基準(標準労務費)」制度を昨年12月に導入。現場で働く人の適正賃金=公共工事設計労務単価とし、これに必要経費を付加した「適正労務費」の確保に乗り出した。すでに公共工事設計労務単価の位置づけ、意味は大きく変化したのである。