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クローズUP

「社保加入徹底」呼びかけ2017.4.1

全警協、警察庁と連名ポスター

全国警備業協会(青山幸恭会長)は、警察庁と“連名”で「社会保険加入徹底」を呼び掛けるポスター・チラシを作成、加盟各社に送付した。これを受けて警察庁は、3月15日付けで都道府県警察に対し、各種申請などの際に警備業者に同チラシを配布するよう依頼した。社保問題で全警協と警察庁が連携するのは初。

これまで同庁は、社保については所管が異なることなどから、業界の動向を見守ってきた。しかし、社保加入促進が政府方針であることなどから、全警協の要請を受けて連携することとしたもの。警備業者の社保加入に改善が見られない場合、同庁は定期立入検査での指導、厚生労働省の社保担当部局や日本年金機構への通報などを行うのではないかとの見方もあり、警備各社の社保への一層の取り組みが求められそうだ。

紙面向上委員会 第9回会合2017.4.1

本紙は3月3日、第9回の「紙面向上委員会」を開催した。新メンバーによる2回目で、労働時間や人材確保などをテーマに、紙面のあり方や業界動向などについて意見が交わされた。

田中敏也氏(リライアンス・セキュリティー)、實川利光氏(アルク)、鈴木伸也氏(日本海警備保障)の3氏は、労働時間について発言した。

田中氏は「“キーワード”が働き方や労働時間にシフトしてきている」と、労働時間短縮の動機づけとなる記事展開を本紙に注文した。實川氏は「長時間労働解消には、(深刻な人手不足だが)人を確保して対応するしかない」、鈴木氏は「手待ち時間の取り扱いによっては、現場の運営が困難になる」と、両氏ともに労働時間問題への対応の難しさを指摘した。

絵野裕美氏(東洋相互警備保障)は「給料も大切だが、雰囲気や人間関係も重視する」と、最近の働く人を分析。良好な人間関係が社員定着に不可欠とした。

齋藤文夫氏(全国警備業協会)と早川正行氏(前神奈川県警備業協会)は「公共工事設計労務単価」に触れ、施設の労務単価との相違点(齋藤氏)、自治体入札金額への反映の分析(早川氏)などに言及した。

特集ワイド 注目、青年部&女性部2017.4.1

警備業界の次代を担う若手経営者の「青年部会」と、女性の活躍推進に向けた「女性部会」の取り組みが注目されている。全警協は3月2日に初の全国合同会議を開催した。出席した部会長らは同会議を「各地と連携を深めるきっかけになった」などと評価する。京都・千葉・福島の青年部会、大阪の「ひまわり会」の活動を見てみる。

警備業界の青年部会は、愛知県警備業協会(松本圭一会長)の若手経営者の集まりから始まった。“業界の実状に関する検討会”などを7年にわたって重ねた後の平成23年、正式に青年部会がスタートした。

一方、前年の22年には茨城県警備業協会(島村宏会長)で、「業界発展に向けて若い経営者が結束して課題に取り組む時期を迎えている」として「青友会」が発足。現在、13府県(表参照)で活動する青年部は今後、東京、山梨、沖縄にも広がる。

女性部会は、大阪府警備業協会(若林清会長)で平成13年に「ひまわり会」が発足。政府が“女性活躍推進”を打ち出し、警備業も女性の雇用拡大がテーマとなる中、東京、福岡で活動が始まっている。

全警協の青山幸恭会長は、青年・女性部に期待するものとして「人材確保などの諸課題に対し、一層の協力と新しいアイデア」を挙げる。

京都警協青年育成委員会 配置基準実例集を作成

京都府警備業協会(宇多雅詩会長)の青年部「青年育成委員会」は昨年、「交通誘導警備業務等に係る検定合格警備員配置基準実例集」を作成し、会員に無償配布した。PDF形式で全13ページのデータは協会ホームページからダウンロードできる。

藤野祐司青年育成委員長は同実例集を作成した趣旨を、こう語る。「配置基準の解釈に関しては協会研修会などで質問も多いため、会員が共通の認識と理解を持てるよう作成に取り組んだ。適正業務の実施とともに、ユーザーとの契約時に検定合格警備員の配置について先方の理解を深めてもらう“営業ツール”としても活用できます」。

3月12日には若手警備員10人(男性7、女性3、平均年齢26歳9か月、勤続年数2年)による座談会を開き、<警備業に若者がもっと入ってくるためには>などのテーマでヒアリングも行った。

小山義徳専務理事は同委員会の活動を評価し、「人材難などの解消に向けて、若者の感性で一層の活躍を期待します」と話している。

千葉警協青年部会 求職者へのチラシを作成

千葉県警備業協会(横倉健会長)の邨田(むらた)昌英青年部会長は、合同会議の感想を「他の青年部が行う研修会の企画方法などに関心が高まり参考にしていきたい」と述べる。

同部会は昨年11月1日、同協会で初の労働安全衛生大会「セーフティフォーラム2016in千葉」を企画・運営した。邨田部会長は「“労働安全衛生大会”は硬い印象があり、より一層興味を持ってもらうようソフトな名称を考案し、好評でした。来年度は安全に関する幅広いテーマを取り上げて、更に多くの方に参加してほしい」として、内容を検討していく。

また、同部会はハローワークに置いて警備業務を紹介、PRするチラシを作成中だ。邨田部会長はチラシの趣旨を次のように説明する。「単にハローワークの窓口に置いてもらうだけでなく、窓口の担当者が警備業について求職者から質問を受けた場合に、わかりやすく警備業を紹介してもらうことに役立つチラシ作りをハローワーク側と打ち合わせて進めています」。

福島警協しゃくなげ青年部会 新卒者にアピール

福島県警備業協会(竹田憲吾会長)のしゃくなげ青年部会は、今年7月9日に開催する2回目の「セキュリティ・ジョブ・フェア2017」に向けて準備を進める。同フェアは昨年スタートし、ユーザーに警備業務への理解をより深めてもらうとともに、高校や専門学校の新卒者には警備業に興味・関心を持ってもらう“就職支援活動”としてアピールするもの。今年は協会の法人化30周年の記念行事としても位置づけられている。

村﨑雅彦部会長は「今年は昨年以上に、新卒者に向けた警備業のアピールに力を入れるため、高校などへ早めに開催案内を行います。内容は昨年と同じく警備業務の技能披露が中心ですが、新しい要素も取り入れようと皆で意見を出し合っているところです」と張り切る。

大阪警協ひまわり会 「根本は適正料金」

大阪府警備業協会(若林清会長)のひまわり会は、女性経営者が横のつながりを大切にして親睦を深めることを目的として活動を開始した。平成25年秋の叙勲で藍綬褒章を受章した中嶋幸子氏(中央保安警備保障)が初代会長を10年にわたって務め、平成16年から毎年、9月9日「救急の日」に普通救命講習と護身術教室を開いてスキルアップを図っている。

時事的なテーマ(BCP=事業継続計画、マイナンバー、認知症サポーター等)で講師を招き研修会も開催。3月16日には女性経営者・経営幹部など29人が参加して日本銀行大阪支店を見学し、知見を広めた。

谷富子部会長は「すみれ会、あやめ会の部会長と意見交換したことは、お互いの思いを確かめ合う良い機会になりました。今後は両会との“女性部座談会”も検討していきたい」と述べた。女性の雇用拡大や職場環境の改善などの課題については「いずれの課題克服も根本的な所で適正料金の確保が不可欠であり、ユーザーの理解を得られるよう粘り強く交渉することが大切と考えている」と語った。