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クローズUP

70歳まで働ける職場へ2020.02.01

厚労省 事業主に努力義務

厚生労働省は70歳までの就業機会の確保へ向けた環境整備を進める。一方で、「高年齢雇用継続給付」を段階的に縮小する。同省は関係する雇用保険法と高齢者雇用安定法の改正案を今通常国会に提出する。

70歳までの就業機会の確保は、現在65歳以上70歳未満の定年を定めている事業主に対し、雇用する高年齢者の65〜70歳までの安定した雇用を努力義務化する。

具体的には、事業主が資金を提供するなどの「創業支援措置」を行い65〜70歳までの安定した就業機会を確保した場合を除き、現行の65歳までの雇用確保措置と同様、企業に(1)定年制の廃止(2)定年の引上げ(3)65歳以上の継続雇用制度の導入――のいずれかの措置を求める。

また、現行の65歳までの雇用確保措置では、希望する高年齢者全員を対象とすることが義務だが、65歳以上の高年齢者は体力や健康状態がさまざまであるため、対象者を一定の要件の下で限定することを可能とする。

一方、高年齢雇用継続給付の見直しは、希望者全員が65歳以上まで働ける企業の割合は78.8パーセントに達した(2019年)、働き方改革に伴う関係法令の改正により今後は高年齢労働者も含め雇用形態に左右されない公正な待遇の確保「同一労働同一賃金」が求められる――などから、同給付を段階的に縮小する。

縮小の実施時期は、(1)定年制の廃止(2)定年の引上げ(3)希望者全員を対象とする65歳以上の継続雇用制度の導入――のいずれかの措置の実施を事業主に義務付けている現行の高年齢者雇用確保措置の経過措置(継続雇用の対象者の限定)が終了し、60歳以上65歳未満の全ての従業員が希望すれば継続雇用制度の対象となる2025年4月。同年に60歳となる人(今年55歳になる人)への同給付の給付率を半分程度に縮小する。

「高年齢雇用継続給付」は、従業員を65歳まで継続して雇用する企業への支援策として1994年に創設された。60歳を超えた従業員の賃金を減額して雇い続けても、減額分の一部を雇用保険で補填するという労使双方にメリットのある制度だ。一方で、同給付創設後の高齢者雇用の進展を受け、これまで数次にわたり制度の見直しが指摘されてきた。

新たな就業機会確保措置の施行は来年4月。同省は、これら雇用確保措置を講じる事業主への支援策として、助成や相談体制などの充実を図る。

警備業連盟 19道府県に設立2020.02.01

全警連が賀詞交歓会

全国警備業連盟(全警連、理事長=青山幸恭・ALSOK社長)は1月23日、都内のホテルで理事会と新年賀詞交歓会を開催した。

理事会では、これまでの活動状況や全国での警備業連盟の設立状況などが報告された。同連盟によれば、23日現在で全国19道府県に設立。会員数は見込みも含め計1488社。近く複数地区でも発足する予定だ。

賀詞交歓会には、道府県連盟の役員や会員、未設立地区の賛助会員などが出席した。また、同連盟の“応援団”として自民、公明両党の衆参国会議員約20人も駆け付けた。

あいさつで青山理事長は、5年間務めた全国警備業協会会長時を振り返り、「国会議員を含め皆で一つの流れをつくることの必要性を感じた。これまでは法改正にしても、改正後に初めて対応を検討するだけだった」と、連盟設立の意義を強調。人手不足や働き方改革など、警備業を取り巻くさまざまな課題に連盟として積極的に取り組んでいく意向を示すとともに、出席した国会議員に協力を要請した。

これを受けて、自民党の鈴木俊一衆院議員(総務会長)は「東京オリンピック・パラリンピック大会は、安全安心の下での競技開催が一丁目一番地。大会の成功の一端は警備業が担っている」、公明党の井上義久衆院議員(副代表)は「2回目の東京五輪は警備業が社会インフラとして定着するチャンス。皆さんと一緒になって考え、必要な仕事をさせてもらう」と、ともに警備業への期待と応援を表明した。

特集ワイド 着たくなる警備服2020.02.01

「あの警備服を着てみたい!」――警備服や装備品の企画・販売を行う金星(東京都千代田区、石井一史社長)は、斬新なデザインと高い機能を併せ持つ警備服の販売を昨夏から開始、この冬に品数を一気に広げた。同社では警備業界の最大の課題となっている“慢性的な人手不足”を魅力的な警備服の販売で改善しようと取り組んでいる。意匠を凝らしたラインアップと課題へのアプローチを取材した。

石井社長は、かねてから一般の人が着てみたくなるような魅力的な警備服がないことを感じていた。自身が学生時代にデザインを学んでいたこともあり、特にビジュアル面で改善の余地があると思った。

代表取締役に就任した2017年からその想いを具現化するため商品開発に動き出した。日々のユーザーとの会話や警備業協会女性部会の研修会、海外視察などを通して、社員と服のイメージを固めていった。

「ポロシャツ」が大ヒット

そして昨夏、“令和時代の新スタンダード”の一つとして、従来なかった半袖ポロシャツタイプで裾を出して着用する警備服を販売。吸水速乾ニットを使用し快適な着心地で、長袖Tシャツやアームカバーとの組み合わせも可能。かっこ良い外観と快適性で、西日本を中心に予想以上の売れ行きとなった。

手探りで販売に踏み切ったポロシャツタイプが好評で、ユーザーが変化を求めている手応えを感じた同社は、当時開発を進めていた冬用警備服としてジャケット2タイプ、ブルゾン2タイプ、防寒コート2タイプ、ズボン1タイプ、制帽2タイプを一気に販売することにした。

開発した警備服はすべて、軽量でストレッチ性が高く、腕が動かしやすいため、着用時のストレスがないことが共通した特長だ。

「冬ダブルジャケット」は、生地に高級感があるチェック柄を採用。右胸のフラップや共生地ベルトなど高いデザイン性を実現している。襟は開く・詰めるの2パターンで着用可能だ。1万4000円(税別・4L以上のサイズは別料金=他も同じ)。

「アルファダブルコート」は「冬ダブルジャケット」同様、高級指向のコンセプトで作られている。1万7000円。

保温性高い「冬用」

「冬プルオーバーブルゾン」は、胸にある横向きの大きなジップが特徴的だ。立体的な生地を使っているが、裾絞り機能で冷気を防ぐため保温性が高く、調整したコードは裾で留めることができる。こちらもストレッチ性は十分だ。ブラック×オレンジとネイビーの2色がある。5900円。

「ベータコート」は、「冬プルオーバーブルゾン」同様、ストレッチ性と保温性を実現し快適な着心地。ブラック×オレンジとブラック×ネイビーの2色。9800円。

「冬ジャケット」は、アウトドアの味わいを採用。非常に軽量に仕上がっており、ストレッチ性が高い。特徴的な色のコードを配置したデザインだ。ブルー×ブラック、グレー×ブラックの2色。1万3000円。

「冬ブルゾン」は、縦型ジップを使用するなどスポーツウエアの味わいを取り入れ、ホイッスルの収納にも便利。裾絞り仕様で冷気の侵入を抑える。インナーの自由度が高く、警備員個人での調整がしやすい。ブルー×ブラック。5800円。

「冬DCズボン」は、裏がフリース生地になっていて冬場でも暖かい。収納可能な留め具付きコードを絞ることで冷気を抑え裾を引きずらない。ダークネイビーとブラックの2色。4000円。

「冬制帽」「ドゴール帽」は、共に内装にアジャスト機能があり、頭の大きさに合わせて各自で2サイズの調整が可能。冬制帽3400円、ドゴール帽4100円。

今年の夏には、昨年好評だった「夏半袖ポロシャツ」のカラーバリエーションを追加する計画だ。昨年のオレンジ×ネイビーとピンク×ネイビーの2カラーに、新色としてサックス(水色)×ネイビーを追加リリースする。3600円。

さらに全く新しい発想の夏服が登場する予定で、現在開発中とのことだ。