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「胆振東部地震」で北海道警協2018.9.21

「災害対策連絡室」を設置

今月6日未明に発生し最大震度7を観測した北海道「胆振東部地震」は、死者41人という甚大な被害をおよぼした。

北海道警備業協会(小松裕会長)は6日午後7時、小松会長の指示により協会事務局に災害対策連絡室を設置した。

同連絡室は10日、北海道建設部と厚真町、建設会社から、土砂崩れや道路陥没などの被災現場に警備員を配置する要請を受け、会員に文書で支援要請を行った。同警協の2号警備委員会(木田義信委員長)は会員会社との調整を行い、復旧工事の現場に警備員を配置した。

「自主行動計画」の周知へ2018.9.21

東北地区連が実務者研修会

東北地区警備業協会連合会(会長=千葉英明・宮城警協会長)は9月13日、秋田市内で「警備業における適正取引推進等に向けた自主行動計画」の周知・普及へ向けた“実務担当者研修会”を開催した。

内村和人・地区連副会長(秋田警協会長)をはじめ、東北各県警協の交通誘導部会の委員や専務理事など計16人に、全警協の小澤祥一朗総務部次長が加わった。

高橋敦・地区連事務局長(宮城警協専務理事)は、宮城県内での関係機関・団体への周知・普及活動について報告した。

同氏は、中小企業庁の委託事業「下請かけこみ寺」の県内窓口に問い合わせたところ、「警備業からの相談は皆無。警備業の自主行動計画は承知していない」との回答を得たと、地方レベルでは計画の周知は不十分だと指摘。全警協と連携した効果的・具体的な周知方法を問題提起した。

全警協・小澤次長は、計画の概要とともに、警察庁が5月に国土交通・厚生労働・金融などの各省庁に全警協の自主行動計画作成を通知したのを受け、これら省庁所管の建設業やビルメンテナンス業、銀行などの業界団体に計画の説明などを行っていることを明らかにした。

質疑応答では、「計画の推進は警備料金アップにもつながる」、「営業担当社員にも計画を理解させることが必要」、「非加盟社にも働きかけ、業界全体としての取り組みが必要」――などの意見が寄せられた。

特集ワイド 警備業の災害支援2018.9.21

7月に西日本を中心に死者227人という未曾有の被害を出した「平成30年7月豪雨」。広島、岡山、愛媛の3県警備業協会は被災地の警戒や交通誘導などの災害支援活動を展開した。今月6日には「北海道胆振東部地震」が発生、41人の死者を出した。北海道警備業協会は会員の被害状況確認などを行った。今夏に起きた2つの大規模災害に対応した警備業の支援活動についてまとめた。

岡山警協 避難所周辺の誘導巡回

岡山県倉敷市真備町では、小田川と支流の高馬川の堤防が決壊し広範囲が冠水した。岡山市や笠岡市、井原市、総社市で、土砂災害や浸水被害が発生した。

岡山県警備業協会(松尾浩三会長)は県と結んだ「災害時における交通及び地域安全の確保等に係る業務に関する協定」に基づき、災害支援活動を有償で行った。その活動内容は次の通りだ。

【活動期間】

7月21日〜8月31日

【活動場所】

真備総合運動公園(物資配布など被災者の支援所)、岡田小学校(避難場所、以下同)、薗小学校、二万小学校、倉敷市真備支所(浸水被災地)

【警備員人員】

延べ739人

【活動内容】

駐車場の誘導、公園の夜間警備、避難所の巡回など。

広島警協 支援事業に30社参加

広島県では安芸郡熊野町や坂町、呉市などで土石流や土砂崩れが発生した。東広島市や三原市、竹原市、福山市などで川が氾濫したほか、建物の床上浸水など被害が相次いだ。

広島県警備業協会(村本尚之会長)は、2014年8月に広島市北部で発生した土砂災害の時と同様に、被災地の侵入犯罪を防止する活動を行った。県警本部と締結している「災害時における交通及び地域安全の確保等に係る業務に関する協定」に基づく支援事業として活動することは困難なことから同警協の「災害対策支援事業」として実施した。活動はボランティアではなく同警協の発注事業と位置づけ、1号警備業務として警備員を配置し傷害保険は各社のものを使用した。活動の内容は次のようなものだった。

【活動期間】

7月30日〜8月28日

【活動場所】

海田警察署管内2区域、呉警察署管内1区域。呉区域については広島警察署管内区域に代えて実施することも可とした。

【警備員人員】

協定に基づく災害支援警備隊の広島地区、呉・海田地区の基本編成動員割り当て43社のうち対応可能な30社から延べ180人

【活動内容】

各方面に車両1台(2人乗車)が向い、車両または徒歩により空き巣など犯罪防止のためのパトロールを実施した。

愛媛警協 被災3地区で防犯パト

愛媛県では西予市野村町の野村ダムが満水に近づいたため放流量を急増させ、肱川(ひじかわ)が氾濫した。その下流にある鹿野川ダムでも放流により大洲市で川が氾濫した。宇和島市吉田町では多数の土砂崩れが発生した。

愛媛県警備業協会(二宮義晴会長)は、被災した3地区でのボランティアパトロール活動を次のように実施した。

【活動期間】

7月23日〜8月21日(途中、台風のため3日間中止)

【活動場所】

愛媛県大洲市、西予市野村町、宇和島市吉田町

【警備員人員】

会員12社、延べ98回出動、延べ車両85台、延べ人員174人

【活動内容】

3方面に分かれ、各方面車両1台(2人乗車)が、夜間、空き巣などの犯罪予防のための巡回パトロールと駐留警戒を実施した。二宮会長と渡部成二専務理事は8月9日夜間、活動する全地区で巡回パトロールの督励を実施し、活動中の警備員を激励した。

北海道警協 警備員の配置要請に対応

「北海道胆振東部地震」は、甚大な被害をもたらした。震源に近い勇払郡厚真町の山林で大規模な崖崩れがあったほか、厚真町、安平町、むかわ町で住宅倒壊、道央地域を中心に道路損傷などが発生した。苫東火力発電所が停止したため道内全域にわたってブラックアウト(大規模停電)が起こり、十分な電力が供給できない状況が続いた。

北海道警協は小松裕会長の指示により、事務局内に岡豊彦専務理事以下の「北海道警協災害対策連絡室」を設置。道警協会員の被害状況について、被災地域内の苫小牧支部、室蘭支部に連絡し大きな被害はなかったことを確認した。ほか5支部の事務局長にも状況を確認したが、各支部とも会員からの被害連絡は受けていなかった。

同連絡室は10日、北海道建設部や厚真町、工事を行っている現場の建設会社から「道道千歳・鵡川むかわ線で発生した土砂崩れの除去作業に交通誘導警備員を追加配置してほしい」との要請を受けた。同警協の清水拓也副会長と木田義信2号委員長は会員各社に連絡をとり、トラスト・セキュリティ(恵庭市、木村武志社長)等から警備員の増員をはかった。また、小松会長の指示で、交通誘導警備業務を行う全会員に文書で支援要請を行い、交通誘導警備員の確保に努めた。

同警協は、厚真町のほかの災害復旧工事現場にも交通誘導警備員配置の要請を受け、ドルフィンセキュリティー(苫小牧市、神尾寿美恵社長)、マジェスティックセキュリティー(むかわ町、長谷川昌代社長)の警備員が厚真町と新ひだか町の土砂崩れ現場で交通誘導警備業務を行った。

東日本警備(苫小牧市、安部幸雄社長)は、停電復旧のため各地の緊急送電線点検に交通誘導警備員を配置した。

札幌市東区の市道「東15丁目屯田通」では液状化現象による多数の道路陥没が起こり、華連警備保障(札幌市、清水拓也社長)等が復旧工事現場に交通誘導警備員を配置した。

札幌市清田区里塚でも液状化現象による道路陥没や家屋損壊が起こり、札信警備(札幌市、木田義信社長)等が交通誘導警備員を配置し対応した。