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29年度の最低賃金額 25円増、848円に2017.8.1

引上げ額、過去最高

厚生労働省の中央最低賃金審議会(会長=仁田道夫・東京大学名誉教授)は7月27日、塩崎恭久厚労相に平成29年度の地域別最低賃金額改定の〝目安〟を答申した。全国平均の引上げ額は昨年度を上回る過去最高の25円、全国平均の最低賃金額(時給)は848円となる。

引上げ額の目安は、全国をA〜Dランクに分けて決定された。

「Aランク」は今回から埼玉が追加され、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪の全6都府県となり、引き上げの目安額は対前年比1円増の26円となった。

「Bランク」は山梨が加わり、茨城、栃木、富山など全11府県。引き上げ目安額は同1円増の25円。「Cランク」は徳島が加わり、北海道、宮城、群馬など全14道県。目安額は同2円増の24円。「Dランク」は青森、岩手、秋田、山形など全16県で、目安額は同1円増の22円となった。

全国平均の引上げ額は25円で、昨年度の24円に比べ1円アップ。平均最低賃金額(時間給)は848円となり、最低賃金額が目安額どおりに引き上げられた場合、最低賃金が時給で決まるようになった平成14年度以降で最高額となる。

鹿児島警協 県警と協定2017.8.1

ドラレコ情報を提供

鹿児島県警備業協会(上拾石秀一会長)は7月21日、事件や事故が発生した際に県警(河野真本部長)にドライブレコーダー(ドラレコ)記録データなどの情報を提供する協定を結んだ。同種協定の締結は、全国で16番目、九州では佐賀県に次いで2番目となる。

協定締結式で上拾石会長は「必要なデータを提供し、事件解決や犯罪抑止につながれば、会員はもちろん、協会全体の大きな喜びだ」と、協定締結による県内の安全安心の実現に意欲を示した。これに対し河野本部長は「警備業協会と力を合わせ、日本一安全な県づくりに邁進できることを心強く思う」と応じた。

県内では2014(平成26)年に県警とバス、トラック、タクシーの各業界団体が同様の協定を締結。鹿児島警協はこれに続く4番目の協定締結になる。今後、警協加盟社の車両230台に搭載されたドラレコが県民の安全安心をサポートする。

近畿地区連「警備のプロに任せよ」2017.8.1

総会で全警協会長が強調

近畿地区警備業協会連合会(若林清会長=大阪府警備業協会会長)は7月21日、神戸市内で「平成29年度総会」を開催した。会議には2府4県の警協会長と専務理事、副会長など26人が参加。全警協から青山幸恭会長、福島克臣専務理事、小澤祥一朗総務課長が出席した。

青山会長は、業界で問題になっている元請け建設会社職員による交通誘導「自家警備」について、次のように見解を示した。

「道路は公共のものであり、店舗や工場など施設とは違う。交通誘導は社会性がある業務であることから、“警備のプロ”に任せるべきだ。警備業は質を一層高め適正な警備料金を確保する方策をたて、業界の課題である“人材不足の解消”を早急に図る必要がある」と強調した。

福島専務理事は7月20日、警備業の更なる発展を応援する議員連盟(警議連)の竹本直一会長を訪問し、自家警備問題について要請を行ったことを報告した。その上で「通知内容にある3つの柱のうち、自家警備のあり方だけが、地域ごとに工事発注者や建設業団体、警備業団体などの関係者で設置するよう通知文に示された『交通誘導員対策協議会』での議論対象となっており、残り2つ(料金の適切な積算、適切な工期設定と施工時期の平準化)は対象外となっている。また、同協議会は都道府県ごとに関係者で設置するとのことだが、中央で原理原則を固めた上で各地で協議するべきだ」と指摘した。

2府4県警協の専務理事は「(府県などから)交通誘導員対策協議会開催についての連絡はまだない」と報告した。

特集ワイド 真夏の警備、快適に2017.8.1

警備業、特に2号業務は夏季、炎天下の過酷な環境で業務を行っている。快適性を保つことは警備員の熱中症や労働災害を防ぐだけでなく、集中力が増すことで警備の質の向上、安全確保につながる。7月19〜21日に東京ビッグサイトで開かれた「猛暑対策展」(主催=日本能率協会)に出展された、最新技術を使った暑さ対策ウエアやヘルメットなどを紹介する。

総務省消防庁の調べによると、今年5月1日から7月23日までに全国で熱中症により救急搬送された人数は2万6142人となった(前年同期比で5764人増)。また熱中症の入院患者数は、7月1日から26日で200人にのぼった(前年同期比22人増、厚生労働省調べ)。

「猛暑対策展」には産業分野から身近な暮らしまで、様々なシーンで暑い夏を快適に過ごすため効果を発揮する製品やサービスが紹介され、警備業で活用できるものも多く見られた。

金星(東京都千代田区、石井裕一社長)はバックパック型パーソナルクーラー「COMPA(コンパ)II」を開発、発売した。冷気を服の中に送り込むことで、猛暑の中でも身体を快適に保つことができる。同製品は昨年販売された「COMPA」の改良版で、より長時間使用できるようになった。バッテリー持ち時間は8時間、保冷剤は4時間持ち、交換も可能だ。ファンボックス、保冷剤ボックス、保冷剤、バッテリー、チューブのセット(総重量1.9〜2.7キログラム)を背負い、チューブを襟首から衣服内に挿入させる。現在、特許申請中。2万4700円(税抜き)。

▽問い合わせ先=金星☎03―3511―8441

ベスト(東京都文京区、吉川五一郎社長)は、左右の腰の辺りに付けられた2基の小型ファンで服の中に外気を取り込み、汗を蒸発させることによる気化熱で身体を冷やす警備用「空調服」を販売している。警備会社の使用実績は多く、熱中症予防や疲労軽減に効果があるだけでなく、隊員の定着率アップによる採用コストの削減にも結びついている。オープン価格。

▽問い合わせ先=ベスト☎03―3943―5311

昭和商会(名古屋市、佐野修唯社長)は、熱中症対策グッズを数多く販売している。ヘルメット内部に小型ファンを内蔵させ、ヘルメット内部の蒸れた空気を外部へ排出する「AIRPAD(エアーパット)」を発売した。バッテリーは後頭部にセットしたケースに収納し3段階の風量調整が可能。厚生労働省の「保護帽の規格」にも適合している。

首元を直射日光から守り、小型ファンで外気を後頭部から首筋やヘルメット内に送風して汗の気化熱でヘルメット内を冷却する「Speed Cooler ひえたれハイパーファンタイプ」も発売。風力調整は3段階で可能で、最大風速で約13時間以上連続運転できる。インナーキャップ「Speed Cooler メットドライ」を併用すれば、一層冷却効果が上がる。水に浸し軽く絞って被るだけで、保水性や吸水性が高い繊維が汗を吸い取り、冷感が持続する。

小型ファンの代わりにヘルメット専用の保冷剤を用いる「Speed Cooler ひえたれハイパーII」もある。本体を水に浸して軽く絞り、専用ポケットに保冷剤を入れバックバンドに装着して冷却する。本体の表側はメタリック加工で太陽光を反射し裏側はポリマー繊維で汗を吸収する。水の気化熱と保冷剤の効果によるWパワーで冷却効果を発揮させる。

手軽な暑さ対策製品としては「Speed Cooler 冷感ロングタオル」がある。そのまま首に巻いてもヒヤリとするが、水に濡らして絞り振ってから使用すれば、さらに冷感がアップする。生地は肌触りが良く、吸水性が抜群で長時間の保水機能を持つ。サイズは900×300ミリメートル。

全てオープン価格。

▽問い合わせ先=昭和商会☎052―851―3153

クールスマイル(大阪市、中西雄三代表)は、ポンプを使って着衣内に水循環させることで身体を冷却させるインナー肌着「CA3E317i」を発売中だ。ベストタイプの水冷服“人間エアコン”「CA3typeE」と水循環冷却バッグシステムの組み合わせで、連続アイシングを実現。水冷服は洗濯機で洗える(洗濯ネット使用)。セ氏約15度の安定した冷却力を保ち、8時間の連続冷感を提供する。セット価格6万円(税抜き)。

▽問い合わせ先=クールスマイル☎06―6829―6079