クローズUP
山梨警協、県警とテロ防止協定2018.5.01
群馬、山口に続き3番目
山梨県警備業協会(栗山順司会長)と山梨県警察本部(青山彩子本部長)は4月23日、「国際テロリズム等の未然防止に関する協定」を締結した。栗山会長と県警・市川和彦警備部長は、署名・押印した協定書を交わした。
警協が県警とテロ防止で協定を交わすのは、群馬警協、山口警協に続いて3番目となる。調印式で、県警の岩柳幸夫警備部参事官は、経緯と内容を次のように説明した。
「2年後の東京2020に向けて、国際テロの脅威は一段と高まっている。本県は競技開催県に加わることが有力で、テロ対策は喫緊の課題だ。この協定は、県警から県警協への情報提供の支援、現場で業務にあたる警備員に国際テロの危険性を認識してもらう啓発活動、不審者や不審物発見時の警察への速やかな通報、その他国際テロを防止するための活動を通じ、官民一体のテロ対策をさらに進めるためのものだ」。
山梨警協は、5月31日の定時総会で国際テロに関する研修会の開催を予定している。県警のテロ対策担当官が講師となり、国際テロについて説明し、不審物・不審者を見つける着眼点や通報の仕方などを会員に周知する。
栗山会長の話 海外では国際テロが多発しており、東京2020に向けて一層の危機感を持つことが重要だ。県警と連絡を密にしながら情報を共有し、民間ならではのきめの細かい警備でテロの未然防止に貢献していきたい。
中部地区連総会2018.5.01
「あるべき方向へ前進」
中部地区警備業協会連合会(小塚喜城会長=愛知県警協会長)は4月19日、名古屋市内で総会を開いた。6県の会長、専務理事が出席したほか、全警協から福島克臣専務理事と小澤祥一朗総務課長が会議に加わり、当面する課題について意見を交わした。
小塚会長は、警備員不足、長時間労働を是正する「働き方改革」、警備員の規範と心得などの協議項目を提示、「警備業そのものが難しい時期に直面している。諸問題を一つひとつ解決しながら、あるべき方向へ前進しなければならない」と訴えた。
議題の中で多くの時間を割いたのは、全警協が推進する(1)警備員規範と警備員心得(2)適正取引推進に向けた自主行動計画(3)人口減少時代における警備業務のあり方――の3項目(いずれも本紙既報)を改めて周知することだった。
小澤総務課長は、具体例を明記した図表入りの資料を基に要点を解説、福島専務理事が補足説明と今後の取り組みを報告した。
「警備員規範」については、警備業各社が朝礼などで唱和できるイメージで作成したこと。「適正取引」は、全警協に不適正な取引に関する通報と相談窓口を設置、簡潔な1枚モノのリーフレットの作成、地区研修会でのセミナーの開催を検討する。「人口減少」では、警備員教育の合理化と検定制度の見直しを警察庁に働きかけることを明言した。
参会の各県会長からは、3項目の取り組みは分かりやすく、時宜を得たものであり、加盟各社に協力を呼び掛け、実践したいとの発言が多く出た。
福島専務理事は業界のイメージアップにも触れ、マスコットキャラクターの公募、イベントの開催、グッズの開発などを募集することを報告した。キャラクターの最優秀作品の賞金は30万円で、11月2日の「警備の日」に発表する予定だ。
特集ワイド 警備JV 7月に加入決定2018.5.01
「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会警備共同企業体(大会警備JV)」は4月18日、東京都警備業協会(中山泰男会長)が開催した「第9回東京2020オリンピック・パラリンピック警備対策委員会(東京警協・同対策委員会)」で、JVの現況を報告した。「東京の合同説明会は5回開催する。加入申し込みを受け審査を経て7月にはJV加入社を決定し、担当する会場の割り振りを今秋から始める」などの予定が説明された。
東京警協・同対策委員会に出席した大会警備JV事務局長の杉本陽一氏(セコム)と新たに大会警備JVの幹事長に就任した村井豪氏(ALSOK、東京警協副会長)は、4月3日に東京2020大会警備JVが発足したことを報告。さらに、両氏は東京警協・同対策委員会にJVへの協力を要請し、大会警備JVの現況について次のように報告した。
大会警備JV事務局は、1都3県警備業協会の加盟・非加盟会社に対し、加入に関する重要事項などを説明する合同説明会を開く予定だ。東京での合同説明会は大会警備JV事務局を会場とし、合計5回開催する。3県の会場については、現在調整中だ。
警備会社からの大会警備JV加入申し込みは、6月中旬から7月まで受け付け、その際に加入審査が行われる。加入条件としては、警備業の認定を受けており、大会期間中に一定数(10人以上の予定)の自社が雇用する警備員を出せること、反社会的勢力と関わりがないことなど。加入が決定した企業については、今秋頃から担当する会場の警備業務の割り振りが行われる。
大会警備JVの現時点でのスケジュールでは、2019年1月頃を目処に「業務分担同意書(仮称)」を参加する警備会社と交わし、担当する会場を確定させる計画だ。大会1年前の19年7月頃には、警備会社ごとに業務の最終的な割り振りを行い、「業務分担契約書(仮称)」を各社と交わして、大会組織委員会と大会警備JVの間で競技会場ごとの人員数を確定していく。
大会警備JV事務局では、ロンドン大会やリオ大会で警備員が最終的に不足し、賠償責任が発生した事例から、万が一のリスクに備え人数を確実に確保するため、1年前の受注を予定している。
大会警備JVの法的な位置づけは「民法上の組合」にあたり、加入を希望する警備会社は大会警備JVに出資をすることになる。出資金は3口以上5口以下(1口=1万円)である。
今月から始まる合同説明会やJV加入募集の対象は、警備業協会に加盟・非加盟に関わらず広い範囲となる予定だ。
一方で、現時点でまだ決まっていない事項もある。(1)最寄り駅から競技会場までの「ラストマイル」の警備(2)1都3県以外の県で競技が開催される競技の警備(3)競技会場チケットを持たない人も観戦を楽しめるよう都内3か所に設置されイベントなどを行う“祝祭空間”の警備――の3点だ。