クローズUP
「自家警備、慎重な対応を」2017.7.21
警議連 国交省に申し入れ
「警備業の更なる発展を応援する議員連盟」(警議連)会長の竹本直一衆院議員は7月11日、本紙の取材に応じ、国土交通省が6月8日に総務省と連名で全国の自治体や建設業団体に対して行った通知「交通誘導員の円滑な確保について」に関し、国交省に慎重な対応を申し入れることを明らかにした。
「警備業の発展に水を差す」
竹本会長は、同通知にある都道府県などの地域ごとに設置を求めている「交通誘導員対策協議会」での検討事項(交通誘導員不足が顕在化・懸念される場合の対策)に、元請け建設会社自らが交通誘導を行う“自家警備”を推奨するとも受け取れる記述があることから、「警備業界の不安を煽るもので、警備業の健全な発展に水を差す」と指摘。また、交通誘導の専門的教育を受けていない元請け建設会社職員が交通誘導を行うことについて、「交通誘導は誰でもできると社会に誤解を与えてしまう」とも述べ、自家警備に疑問を投げかけた。
同会長は、7月28日に警議連の会合を開き、国交省をはじめとする関係省庁に対して自家警備の実施に慎重な対応を申し入れる。また、同通知が、警備員不足による一部地域での公共事業執行への影響を背景としていることから、厚生労働省が行う警備業への人材確保対策支援の更なる充実を求めるなど、警備員不足についても必要な対応を支援していく意向を示した。
ALSOK「スポーツの夕べ」2017.7.21
伊調選手があいさつ
ALSOK(東京都港区、青山幸恭社長)は7月18日、都内のホテルで「スポーツの夕べ2017」を開催した。700余人が来場した。
五輪4連覇を達成し国民栄誉賞に輝いたレスリング女子の伊調馨選手をはじめ、世界選手権大会に出場する柔道女子78kg級の梅木真美選手、柔道男子(男女混合団体戦)73kg級の中矢力選手ら強化選手25人がステージに並んだ。
村井温会長は、これまでの五輪に同社の選手32人が出場して金メダル7個、銀メダル5個を獲得した実績を讃えたあと、「56年ぶりとなる東京五輪は、選手たちに更なる期待が寄せられます。開催までの3年の間には有力な若手やライバルが次々と出てくる可能性がある中で、選手たちは出場を目指して一生懸命に取り組んでいます」と述べた。
選手を代表して伊調選手は、「世界選手権に出場する8人はもちろん、ここに並ぶ全員が東京五輪を目指して頑張っていきます。今後も変わらずご声援をお願いします」と挨拶した。
特集ワイド 夏休み、子供の防犯2017.7.21
子供への誘いかけや連れ去りなどの被害は、春から夏にかけて集中している。特に夏休み期間は、子供だけで行動する機会が増えることから注意が必要だ。ALSOK(東京都港区、青山幸恭社長)は小学校教諭を対象に「小学生の防犯に関する意識調査」を行った。その結果と防犯対策について紹介する。
警察庁が7月6日に公表した「平成28年の犯罪情勢」によると、19歳以下の少年を被害者とする刑法犯認知件数は減少し、平成28年は同19年に比べて17万3537件(57.0パーセント)減となった。しかし12歳以下の児童を被害者とする暴力的性犯罪の認知件数の推移をみると、増加傾向にあった「強制わいせつ」は平成27年に大きく減少したが、28年にわずかではあるが再び増加した。
ALSOKは、2004(平成16)年から行っている全国の小学生を対象とした出前防犯授業「ALSOKあんしん教室」を実施したクラスの担任教諭700人を対象に、2016年4月1日から17年3月31日にかけて、小学生の防犯や生活に関する記入式のアンケート調査を実施した。同社はその結果を「担任の先生に聞く小学生の防犯に関する意識調査」としてまとめ、7月5日に公表した。
「児童たちの危機意識」については、約4割の先生が「高まっている」と回答。特に重大事件の発生した地域ほど、危機意識の高まりが顕著に表れる結果となった。
「危険な目に遭った児童がクラスにいる」と回答した先生は9.7パーセントいることがわかった。そのうち44.1パーセントが「声掛けにより連れていかれそうになった」という事例であり、その声掛けは「迷子の犬を一緒に探して」「駅まで案内して」など、子供の親切心につけこむ手口だった。
ALSOKでは、犯行によく使われる誘い文句のパターンを4つに分類し、注意を呼び掛けている。子供の親切心につけこむ“親切系”のほか、「ペットを見せてあげる」「タレントにならない?」など興味・好奇心をそそる“興味系”「お母さんが病院に運ばれたから一緒に行こう」など動揺させる“ハプニング系”「雨が降ってきたので家まで送ってあげる」など子供が困っているところにつけこむ“困惑系”――の4パターンだ。同社では、いざという時に対応できるよう多くの事例を子供に示して、「自分だったらどうすればいいか」を考えさせる訓練を、学校や家庭で日頃から行うことが大切と強調する。
子供への誘いかけや連れ去りなどの被害が集中している時期としては、新生活シーズンである「4〜6月」が30.9パーセント、夏休み期間の「7〜9月」が26.5パーセントだった。被害があった時間帯をみると、大人の目が少なくなる「下校中」が38.2パーセント、「外出中(日没前)」36.8パーセントと被害が集中していることがわかった。
夏休みは子供が自由になる時間が増える上に日没時間も比較的遅いことから、外で過ごす時間が増えたり行動範囲が広がりがちだ。なるべく一人で行動しない、常に防犯ブザーを携帯する、「危険な場所」に近づかないなどの約束をこの機会に子供と改めてしておくことが大事だ。「危険な場所」とは、例えば人があまり通らない薄暗い道や木が生い茂った公園など「まわりから見えにくく、誰もが入りやすい場所」のことで、子供を狙う人物がいても怪しまれず、助けを呼んでも分かりにくい。また「駐車場」も無理やり車に連れ込まれる恐れがあるため、近づかないように話しておきたい。
共働きの家庭や核家族化の進行により、夏休みは子供だけで留守番をする機会が増える。「担当しているクラスで、自宅で留守番中に不審者が訪問してきたり不審な電話がかかってきたことのある児童がいますか」と先生に聞いたところ、13.5パーセントが「いる」と回答。留守番中の子供を狙った犯罪を防ぐには、犯行者に「子供ひとりで留守番をしていることを悟られない」ことが大切だ。そのためには学校や外出先から家に帰るとき、つまり「留守番する前」から気をつけておくべき約束がある。同社ではこれを「いいゆだな(い=家の鍵を見せない、い=家の周りをよく見る、ゆ=郵便受けをチェック、だ=誰もいなくても「ただいま」と言う、な=中に入ってすぐ戸締まり)」という覚え言葉にして小学生に教えている。
「不審な訪問者対応」のポイントとしては、一人で留守番していることを悟られないようにする、絶対に玄関の扉を開けない、インターホン越しに話す――などが重要。過去には宅配業者や点検業者になりすまして押し入った事例があることから、どのような理由でも玄関扉を開けてはいけないことを念入りに子供に伝えておきたい。
「不審な電話対応」のポイントは、一人で留守番していることを悟られないようにする、個人情報を伝えない、早めに丁寧に電話を切る――の3点。通話が長引くと不要な情報を伝えてしまう恐れがあるので、「忙しいので失礼します」と丁寧に電話を切ることを子供に教えておく。