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クローズUP

千葉、髙橋両氏に双光章2021.05.01

宮城、東京で警備業界発展に尽力に

政府は4月29日付けで「2021年・春の叙勲」の受章者を発表した。警備業からはゴリラガードギャランティ(仙台市)代表取締役で前・宮城県警備業協会会長の千葉英明氏(72)と高栄警備保障(東京都渋谷区)代表取締役会長で東京都警備業協会副会長の髙橋徹氏(70)が、旭日双光章を受章した。警備業界の受章者は32人となった。今回の叙勲はコロナ拡大の影響で、昨年春と秋の叙勲に続き伝達式と天皇陛下への面会は見送られる方向だ。

千葉英明(ちば・ひであき)氏は、1991年10月にゴリラガードギャランティを設立、代表取締役に就任した。宮城県警備業協会では理事・副会長を歴任、2011年4月に会長となった。同年5月に全国警備業協会理事、6月に東北地区警備業協会連合会会長に就任した。

千葉氏は東日本大震災発生直後に協会会長に就任、被災地の犯罪抑止対策に向けた警備員の警戒活動を陣頭指揮した。同年8月、協会加盟会員の警備員27人の犠牲者・行方不明者を追悼する警備業合同慰霊祭を執り行った。

県警本部との連携強化を図り12年、「災害時における緊急支援活動に関する協定」、15年に「110番通報時における画像の提供に関する協定」をそれぞれ締結した。警察学校の初任科生に向けて警備業に関する講演を行うなど、協力関係の構築に務めた。

主な受賞歴は、15年に警備業の発展と指導教育に尽力した功績で警察庁長官・全警協会長連名表彰、16年に産業安全と労働衛生推進に尽くした功績で中央労働災害防止協会・緑十字賞など。


 

髙橋徹(たかはし・とおる)氏は、1977年4月に高栄警備保障を設立、代表取締役社長に就任した。東京都警備業協会では、2006年4月に副会長に就任。以後15年余にわたり、木村昌平氏、武居澄男氏、青山幸恭氏、白川保友氏、中山泰男氏、鎌田伸一郎氏と6人の会長を補佐しながら協会活動を支えてきた。1998年4月南西地区担当理事、99年4月災害対策委員長に就任し現在も務めている。

全国警備業協会では2000年から防災委員(東京代表)、15年4月に防災委員会委員長に就任した。代々木警備業防犯協力会会長・代々木防犯協会副会長として地域の安全にも貢献している。

髙橋氏は、東日本大震災発生から間もない11年5月、災害対策委員長として協会役員と協議、甚大な被害に遭った宮城県石巻警察署管内に「東京警協災害援助隊」27人の出動を決定。自らも現地に入り、宮城県警備業協会と石巻警察署を激励訪問し、防犯パトロールなど各種活動に当たる隊員を視察し慰労した。

主な受賞歴は、2016年に警備業の発展と指導教育に尽力したことで警察庁長官・全警協会長連名表彰、17年に地域安全活動を積極的に推進して警視総監表彰、19年に関東管区警察局長・関東防犯協会連絡協議会表彰など。

3度目緊急事態宣言2021.05.01

1都2府1県、5月11日まで

新型コロナの感染再拡大を受けて政府は4月25日、東京・京都・大阪・兵庫の1都2府1県に「緊急事態宣言」を出した。昨年4月・今年1月に続く3度目で、期間は5月11日まで。

今回の緊急事態宣言は、大型連休の短期集中対策。「飲食での感染防止対策」と「人流の抑制」などを強化する。酒類やカラオケ設備を提供する飲食店などには休業を、これ以外の飲食店にも午後8時までの時短を要請する。社会生活の維持に必要なものを除く催し物・イベントは原則として無観客とし、1000平方メートル超の多数の人が利用する施設にも休業要請する。

ほかに日中も含めた不要不急の外出や都道府県間の移動の自粛、在宅勤務(テレワーク)や連休中の休暇取得による出勤者数の7割減なども求める。

宣言を受け東京都警備業協会は、4月26日に予定していた「災害対策訓練」を中止するなど、警備業にも影響が出ている。

一方、4月5日に宮城・大阪・兵庫、同12日に東京・京都・沖縄、同20日に埼玉・千葉・神奈川・愛知の各地域に出していた「まん延防止等重点措置」は、緊急事態宣言の対象地域となった1都2府1県を外し、新たに愛媛を追加。期間も全て5月11日までとした。

 

特集ワイド 青年部活動、広がる2021.05.01

警備業の次世代を担う若手経営者や幹部などで構成する都道府県警備業協会青年部会が、新たに島根、長野の両県でスタートした。島根警協は4月27日に「設立会」を開いて全国で30番目に発足。長野警協は4月22日に事実上の発足となる「設立会議」を行った。業界発展に向けて若い感性を生かしたさまざまな活動に期待の声が高まっている。青年部会の現況を伝える。

青年部会は、慢性的な人手不足をはじめ数々の課題に警備業界が直面する中で、全国的に設立の動きが広がった。

昨年は、コロナ禍により協会活動の多くが中止・延期を余儀なくされた中でも、5県警協で発足した。

青年部会員は、多忙な社業と並行して各種の活動に取り組む。「警備の日」PR、SDGsなど地域社会への貢献活動、労働災害防止フォーラム、異業種交流会、警備業イメージソングの制作など多種多様だ。

なかでも警備員の地位向上、イメージアップを念頭に宮城警協青年部が企画した制服警備員によるファッションショー「ランウェイ」は反響を呼んだ。

近年は、青年部同士の横のつながり、“連携”をキーワードとした新たな流れができつつある。

東北地区連は2019年に「青年部サミット」を初開催した。6県の青年部が「自主行動計画の周知徹底」「人手不足対策」「災害時出動の有償化」などについて討論した。昨年からは北海道警協の青年部会も正式に加わり、テーマごとの研究を進めている。ほかにも北陸、近畿、九州などで青年部会の合同会議、勉強会などが開かれてきた。

連携することで、議論や研究は深まる。実践面でも、より大きな“うねり”を起こすことが可能になる。警備業の認知度アップを図るキャンペーン活動などに複数の部会が協力すれば、話題性やPR効果も増す。

全国警備業協会が2020年に設置した基本問題諮問委員会(成長戦略を検討する委員会)では、青年部会長4人がメンバーに選ばれた。業界のため汗を流す青年部会の存在感は高まる。

探究心で取り組む
島根警協青年部会

設立会は松江市内で行われ、15社15人で船出した。設立趣旨は「部会員の相互理解のもと、探究心をもって警備業発展に資する活動を行う」などだ。

会員から「次世代の新しいアイデアや意見、提案を協会の活動に反映させたい」などの声があり、協会は設立準備を進めてきた。

初代部会長に馬庭雄一氏(企業警備保障常務取締役)、副部会長に植田宏道氏(セキュリティ・タスク総務部長)がそれぞれ就任した。

馬庭部会長は「警備業の諸問題について研究を進め、警備業のイメージアップを図るPR活動やSDGsに一丸となって取り組みたい」と抱負を述べた。

吉岡健二郎警協会長は「懸案だった青年部会の設立は嬉しく心強い。警備業界全体の盛り上げ、底上げに力を発揮してほしい」と期待を寄せる。

長期的発展めざす
長野警協青年部会

5月12日の定時総会での正式発足を前に、長野市内で設立会議を開いた。活動を通じて「継続的な経営の安定確保と警備業界の健全な発展、向上に資する」ことが目的だ。

初代部会長に中村将臣氏(協会副会長、新日本警備保障代表取締役社長)、副部会長に工藤勲氏(エム・エス・ディ代表取締役社長)と土屋安幸氏(長野県パトロール警務部警務課長)が就任した。

中村部会長は「研修会など将来の糧になる企画を進めるとともに、SNSなども効果的に活用して警備業の広報を図りたい」とあいさつした。

竹花長雅警協会長は「警備業の発展を視野に将来にわたり長期的な活躍を期待している」と激励の言葉を贈った。