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クローズUP

転倒災害を防げ2022.09.01

埼玉警協が安全小冊子

埼玉県警備業協会(炭谷勝会長)は安全小冊子「警備員の労働災害防止のために」を作成した。2021年度に加盟社で発生した労働災害を整理・分析したもので、今回は特に「転倒災害」を中心に取り上げた。

転倒災害は、厚生労働省が重点対策に掲げる労災の一つ。特に高齢化が進む警備業では、高齢警備員の転倒は重傷化しやすい。

小冊子は、実際に発生した転倒災害の具体的な事例を示し、その原因と防止対策などをイラスト入りで解説。新任や現任教育でのテキストとして活用できる。

サイズはA5判・20頁。加盟社以外にも販売する。

特集ワイド 広げよう女性部会2022.09.01

都道府県警備業協会の女性部会は、警備業界が女性活躍を推進するシンボルといえる。大阪警協「ひまわり会」、東京警協「すみれ会」、福岡警協「あやめ会」、岐阜警協「いちいの会」(設立順)はそれぞれ、各種研修会の開催や業界PR活動を重ねてきた。4人の女性部会長に、取り組みや部会発足のために必要なことをなどを語ってもらった。

都道府県警協の女性部会は、青年部会と同様に警備業界の発展・活性化につながる貢献活動が期待されている。全国警備業協会が制定した女性警備員の愛称「警備なでしこ」は、複数の女性部会による合同会議から生まれたものだ。

現在、青年部会の発足は34都道府県警協に広がった。8月4日には関東地区連合会が「地区連単位の青年部会」を新設、県をまたぐ連携が期待される。一方、女性部会は2018年の「いちいの会」の後は発足していない状況だ。

警備業界は半世紀以上にわたり男性陣がリードして大きな発展を遂げてきた。今、あらゆる業界で組織にダイバーシティー(多様性)が求められる時代となった。女性の意見や発想を協会活動に反映していくことはこれまで以上に肝要となるに違いない。

警察庁が7月1日に公表した「警備業の概況」(2021年12月末)によると警備員58万9938人のうち女性は3万9812人で、6.7%だった。少子高齢化の中、女性の求職者が警備員を選択肢に入れるための業界アピールと併せ、女性警備員が定着する職場環境づくりを進めたい。女性の管理職を育成することは、女性活躍・雇用拡大を促し、新たな女性部会の立ち上げに向けた下地づくりになるのではないか。

青年部会が続々と立ち上げられた背景には、協会会長をはじめとする関係者のバックアップがあった。これからの女性部会発足も同様の支援が原動力となることは、今回の女性部会長4人の話に共通している。

東京警協すみれ会「イメージアップの案出し合う」

五十嵐和代部会長(東京警協理事=五十嵐商会代表取締役社長)の話 直近の活動では7月に警視庁の青山彩子生活安全部長を招いて座談会を行い、組織における女性活躍について部会員は理解を深めました。協会会員に向けた研修会の準備も進めています。

当部会は当初「女性経営者グループ」という名称でスタートし、協会役員・事務局の方々とともに活動のテーマや方法について半年余りにわたって討議を重ねました。その後、定時総会で部会として承認されたのです。関係者の力強い応援があってこそ活動が軌道に乗ったと実感します。

女性警備士の雇用拡大に向けたイメージアップの方策は、より多くのメンバーで案を出し合うことが大切です。警備業の女性活躍の広がりは今後、「部会の立ち上げ」に向けて業界・協会の気運が醸成されていくことが鍵になるでしょう。女性部会・業界関係者のリードと後押し、女性経営者・経営幹部の積極的な参加によって新たな部会の発足は広がりを見せると思います。

<設立>2015年4月1日<部会員数>17人

岐阜警協いちいの会「目標・女性警備員10%」

幾田昌美部会長(セキュリティー取締役社長)の話 当部会の発足時、「県内の女性警備員225人を倍増させて、全警備員に占める割合を4.1%から10%に引き上げよう」との目標を掲げました。

女性警備員による座談会やアンケートを通じ、職場環境の改善点などについて“現場の声”を集めました。また、「女性が着たくなる」をモチーフに警備員制服のデザインを一般公募し、「警備の日」と合わせてPRするなど活動を重ねてきました。目標を達成する道は模索中ですが、男女ともに「より働きやすい職場環境づくり」を着実に進めていくことがポイントになると思います。新たな活動プランも練っています。

協会関係者が女性活躍推進の意義と必要性に理解を深めることは、女性部会発足への出発点になると考えます。

<設立>2018年6月28日<部会員数>9人

大阪警協ひまわり会「業界内外にアピール」

若林勝美部会長(ブラザーメンテナンス代表取締役)の話 各業界で女性活躍が進んでいますが、例えば協会理事に女性が加わることで活動に“女性目線”が活かされるのではないかと思います。

当部会は、経営などをテーマとする勉強会を重ねてきました。適正な警備料金確保や労務管理の勉強会は、毎回参加者が増え関心の高さを実感しました。スキルアップの一環として長年行ってきた救命救急講習は、部会員の会社の社員も参加し好評です。コロナ禍で開催できませんが、来年度は開催可能な方法を検討したいです。

当部会は21年前、「男女共同参画社会基本法」が施行されたことを背景として、当時の協会専務理事と総務委員長の提案、女性経営者の向上心などが相まって発足の運びとなりました。警備業界の発展と認知度アップに向けて、業界内外にアピールする活動に取り組んでまいります。

<設立>2001年9月13日<部会員数>37人

福岡警協あやめ会「SNS活用し広報中」

入里真弓部会長(セキュリティスタッフ代表取締役)の話 若い世代に警備業への興味を持ってもらおうと当部会はインターネット、SNSを活用し広報活動を展開しています。現在、動画投稿アプリ・TikTok(ティックトック)で複数の動画を公開中です。動画では部会員が“福岡にちなんだジェスチャーゲーム”を披露するなど、視聴者の方々に親近感を持っていただくところからスタートしました。

ハローワークが開催する求職者に向けた警備業説明会にも参加します。コロナ禍は続いていますがオンライン会議、グループLINEを通じて部会員は意見交換を重ねてきました。まだまだ女性は少ない業界ですが、一層の発展に向けてお役に立てるよう活動していきます。

女性部会のスタートには、協会関係者による応援と会員の気運の高まりが大切です。参加者が増え、皆で業界を盛り上げていければと思います。

<設立>2016年11月1日(警備の日)<部会員数>25人