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クローズUP

千葉警協、初の合同入社式2019.04.11

8社から31人参加

千葉県警備業協会(横倉健会長)は4月1日、千葉市内の同協会教育センター研修室で初の「合同入社式」を開催した。加盟8社から大学・短大・高校を今春卒業した女性7人を含む計31人の新入社員と、8社の代表者が参加した。

横倉会長と参加企業を代表してALSOK千葉の黒木重義代表取締役社長が、それぞれ新入社員にエールを送った。

横倉会長は自身の座右の銘「人間最大の宝は信用」を示し、「信用なくして人生なしだ。信用とは何かをそれぞれ考え、自分のものとして実践していくことが大切だ」と、社会人として信用の大切さを訴えた。

黒木氏は「次世代を担う皆さんには前途洋々たる将来がある。多くの経験と勉強を積み重ね、警備業界の中核として活躍してほしい」と、新入社員の将来の活躍に期待を寄せた。

新入社員31人には、各社の代表者から1人ずつ辞令が交付された。

新入社員を代表してALSOK千葉の吉田絵奈さんが「社会の安全と安心に貢献できる仕事に使命感と誇りを持ち、上司・先輩・一般市民からも頼りにされる警備員になるため心身の鍛錬に努め、業務に必要な知識と技能の向上に全身全霊で取り組むことを誓います」と宣誓した。吉田さんは城西国際大学(本部・千葉県東金市)の経営情報学部を卒業。小学生の時から剣道を学び現在は4段の腕前。ALSOKが経営理念の一つとして掲げる「武士の精神」に魅力を感じ、同社と警備員の道を選んだ。

「新入社員に期待すること」と題し、協会副会長の斜木幹郎氏(エムサス)による講演も行われた。斜木氏は、警備業の生い立ちや歴史、役割などを紹介、自社の社訓と経営理念などを示し、社会人としての在り方、仕事への取り組み姿勢について説いた。

「指教責」の疑問に答える2019.04.11

埼玉警協「お助け研修会」に98人

埼玉県警備業協会(山﨑守会長)の「教育の合理化対策分科会」(内田達也座長=サン・ガード・サービス)は4月5日、「お助け研修会」を開催した。当初の予想を大きく超える72社98人が参加した。

研修会は、各社で法定備え付け書類を管理する警備員指導教育責任者の疑問に答えるために企画された。

研修会開催に先立ち同分科会は、備え付け書類に関する各社の疑問を募集。寄せられた28の疑問に関する法解釈や対応などについて、県警生活安全部の警備業担当官と協議を行った後、分科会の9人のメンバーで再整理した。

研修の主な内容は▽「営業所の法定備え付け書類」の適正な記載内容や記載方法、添付書類▽基本教育や業務別教育の適正な教育事項や教育時間▽服装の変更届の保管期間などその他の質問に関すること――の3項目。内田座長がパワーポイントを用い、分かりやすく解説した。また、研修会終了後は、会場となった川越市内の同協会総合センター内に「相談コーナー」も設置、分科会メンバーが個別の質問や相談に応じた。

教育の合理化対策分科会は、埼玉警協が昨年11月に設置した「オリンピック等諸課題対策特別委員会」の下に置かれた分科会の一つ。昨年4月に警察庁が取りまとめた「有識者検討会報告書」で示された、2020年の東京五輪・パラリンピック開催へ向けた警備員教育への「eラーニング」導入や警備員教育時間数の削減など教育の合理化に備えるために設置された。

特集ワイド 警備業の入社式2019.04.11

新年度を迎え、各地の警備会社で入社式が行われた。人手不足で“売り手市場”の状況が続く中で、各社の採用担当者は大学や専門学校、高等学校をまわって就職担当部署とコミュニケーションをとり、“令和元年度”の新卒社員を確保した。入社式の概況とともに、各社の人材確保と定着に向けた取り組みについて話を聞いた。

中国警備保障

5つの〝自〟を【4月1日、山口県岩国市】

中国警備保障(CGS・岩国市、豊島貴子社長)は、本社内で入社式を行った。新入社員5人(大学卒4人、高校卒1人)が参加した。

豊島社長はあいさつで「自律、自立、自助努力、自主判断、自己責任――社会人には、この5つの“自”が求められます」と述べ、今後の活躍に期待を寄せた。昨年入社した先輩女性社員は「失敗を恐れず、一緒にイキイキとがんばっていきましょう」と歓迎の言葉を贈った。

同社は新卒者の人材確保に向けて、インターンシップを夏季(8月)と冬季(12〜2月)に実施した。業務説明や職場見学、グループワークなどを通して警備業への理解を深める取り組みを行った。

社員の定着を図る取り組みとしては、入社式のあとに実施する新入社員研修の中で、1年後の具体的な目標を設定させている。例えば、警備士(員)に対しては資格検定の取得、一般職の社員に対しては各部署での業務の習得などだ。

入社4年目に新入社員研修へ参加させて初心に帰すとともに、新入社員には“身近な目標”としてのイメージを持たせる。

現在約50人在籍している女性警備士は、年一回開催している「CGSなでしこ特別研修会」に出席する。昨年新たに製作した制服を着用して参加し、女性の視点からテーマを決めて発表や意見交換を行うことで、定着とスキルアップを図っている。

シムックス

100年カレンダー【4月1日、群馬県足利市】

シムックス(群馬県太田市、深澤利弘社長)は、足利市内の研修センターで「新入社員入社式」を行った。大学卒・高校卒合わせて12人(男性11人・女性1人)の新入社員が参加した。

深澤社長は、過ごした日々を振り返りこれからどう生きるか思いを馳せる「100年カレンダー」を例に出し、「人生には限りがあり、毎日を大切に生きることが重要だ。これから始まる2週間の合宿研修では、自分なりの明確な目的を持ち有意義に過ごしてほしい」と述べた。

入社式に先立ち12月に行った内定式で同社長は「あなたたちは何のために働くのか」と問い掛けた。2月と3月に実施した内定者研修ではこれに関わる課題を与え、「世のため人のためは、すなわち自分のため」という思いを伝えた。

本社人事部は、各拠点と協力して人材確保のための情報を収集し採用につなげた。また同社の警備業務をコミック冊子にした求人ツールを使い、各校の就職担当部署への訪問時や企業説明会でわかりやすく説明した。

入社後の定着のために顧客と価格交渉を積極的に行い、従業員の賃金に還元している。新卒者には3年間のフォローアップ期間を設けたりメンター制度で悩みを聞くなど、手厚い職場環境をアピールし、人材確保とともに定着率アップの成果を上げつつある。

今年度、内勤者から現場の隊員まで一貫した人事教育制度の運用を開始した。優秀な人材が正当な評価を受け、将来を見据えてステップアップを図り定着する環境作りを進めている。

東洋ワークセキュリティ

〝若い力〟貸して【4月1日、宮城県蔵王町】

東洋ワークセキュリティ(仙台市、石戸谷隆代表取締役)は宮城県刈田郡蔵王町のホテルで入社式を行った。93人(男性66人、女性27人)の新入社員が参加した。

石戸谷代表取締役は「当社は北海道から横浜まで拠点を持ち警備業務を行っている。今後、中部、関西への進出も視野に入れており、そのために“若い力”を貸してほしい。一緒にがんばろう」と呼び掛けた。

新入社員は大学卒60人、短大卒8人、専門学校卒17人、高校卒8人で、昨年より36人増えた。人材確保が好調な理由として、従来は本社のみで行っていた学校訪問を、支社や営業所など全国の各拠点で分担、採用担当者が既卒者を連れて地元の学校をまわったことが挙げられる。それが効率アップと好印象を与えることとなり、成果につながった。

退職自衛官を対象とした企業合同説明会には、同社に勤務する自衛隊OBの社員と参加してアピールした。

入社3か月後には「フォローアップ研修」を入社式と同じ会場で行い、“同期”が顔を合わせて近況を報告し合うことでモチベーションアップを図る。2年後に専門の講師がビジネスマンの基礎や技術を教える「基礎研修」、5年後には管理職養成のための「マネージメント研修」を行うなど定着に向けた“人材を育てる流れ”ができている。社内に専門カウンセラーによる悩み相談窓口を設けて精神面のケアにも取り組んでいる。

アサヒセキュリティ

4つの約束【4月1日、埼玉県三郷市】

アサヒセキュリティ(東京都港区、村田年正社長)は、同社新三郷オフィスで「新入社員入社式」を行った。96人(男性58人、女性38人)の新入社員が参加した。

村田社長はあいさつで「『FortheCustomers(お客さまのために)』を基本理念とし、社是『信義誠実(信義=約束を守り務めを果たす、誠実=真面目で真心がある)』をいつも心に置いて頑張ってもらいたい。コミュニケーションがとれる人になる、ルールを守る、報告・連絡・相談を実行する、毎日目標を立てる――この4つを約束してほしい」と呼び掛け、激励した。

昨年度は、人事担当者が特に高等学校を数多く訪問して進路指導担当者など就職担当部署とコミュニケーションを深め、新卒者の確保につなげた。今年度は村田社長をリーダーとする「採用強化プロジェクト」をスタートさせ、新卒の人材確保に一層注力する。

数年前から社員定着に向けて「エルダー制度」を導入している。「エルダー」の本来の意味は「先輩」「年長者」だが、ここでは中途採用を含めた新入社員の教育係となる先輩社員のこと。その役割は、仕事面だけでなく広く生活面まで相談に乗ることで新入社員の不安を取り除き、仕事を続けていく自信と環境を作り出す。年間約200人のエルダーが選任され半年間の任務に就く。