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クローズUP

大分警協と県警2022.10.01

「ATM詐欺」防ぐ協定

大分県警備業協会(但馬英二会長)は9月13日、大分県警察本部(松田哲也本部長)と「犯罪の起きにくい社会づくりに関する協定」を締結した。協定内容は「警備員のATM立ち寄り時の警戒活動」「携帯電話で話しかけながらATMを操作している高齢者への声掛け」など全5項目。

協定締結のきっかけは、高齢者などを対象としたATM利用による特殊詐欺(還付金詐欺)が後を絶たたないこと。今年5月に県警本部生活安全部から大分警協に対策の一環として協力を申し入れた。警備員によるATMでの高齢者への声掛けなど抑止効果を期待している。

県内では8月末時点で特殊詐欺被害が96件発生、被害額1億2653万円。前年と比べ件数は1件減っているものの、被害額は既に昨年1年間の8178万円を上回った。

但馬会長の話 約3800人の警備員が県内全域で警備業務を行い、今では街に溶け込んだ存在となっています。警備員一人ひとりが積極的に気配り、目配りすることにより犯罪の未然防止につながるのではないかと考え、お受けした。

芦刈宗治県警察本部生活安全部長の話 金融機関と協力して“ストップATMでの携帯電話”を推進していますが、更なる取り組みが必要と考え警備業協会に協力を依頼しました。

兵庫警協創立50周年の式典2022.10.01

さらなる飛躍を誓う

兵庫県警備業協会(中尾忠善会長)は9月16日、「創立50周年記念式典・祝賀会」を神戸市中央区内で開催した。257人が式典に出席、大きな節目を祝った。

同協会は1972(昭和47)年4月に「兵庫県警備会社連絡協議会」として22社でスタート。会員は現在342社を数え、警備員1万9000人を擁する組織に成長した。

中尾会長はあいさつの中で、より多くの若者が志望する警備業界に向けて、会員一丸となった取り組み推進を呼び掛け、さらなる飛躍を誓った。

兵庫県警察本部・桐原弘毅本部長は「阪神・淡路大震災では、住民の不安解消と安全安心の確保に尽力されたことは今なお記憶に新しい」と強調した。

全国警備業協会・中山泰男会長は、警備業の歴史を振り返ったうえで「兵庫警協の歩みは、わが国警備業の歴史と言っても過言ではありません」と長年の取り組みをたたえた。

特集ワイド リスク対策を発信2022.10.01

「危機管理産業展2022(RISCON TOKYO)」と「テロ対策特殊装備展22(SEECAT)」が10月5日(水)〜7日(金)の3日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される(主催=東京ビッグサイト)。災害・犯罪など最新のリスク対策を発信する国内最大級の危機管理トレードショーから、警備業に関係する展示を紹介する。

今年で18回目の開催となる「危機管理産業展」には、昨年より57多い276の企業・団体が出展する。コロナ禍で出展を控えていた企業・団体の積極的な姿勢がうかがえる。展示は「セキュリティー」「防災・減災」「BCP・事業リスク対策」を主要3分野に掲げている。

全国警備業協会

(中山泰男会長)は災害支援活動や各種教育事業などの協会活動を紹介し、警備業のアピールを行う。2014年から出展を始め、今年で9回目となる。

i―PRO

(アイプロ・福岡市博多区、尾崎祥平社長)は、「AIネットワークカメラ」を展示。AIを搭載し1台の筐体に4Kカメラ4台を内蔵したマルチセンサーカメラと40倍光学ズーム搭載の屋外PTZカメラを使ったデモンストレーションを行い、事前に撮影した追尾の映像を公開する。スマートフォンでカメラ映像を確認できるエッジ記録型クラウドサービス「i―PRO Remo」の実演も行う。ネットワークの備え付けが困難な場所でもカメラの設置が可能な「LTE無線通信ユニット」を展示。海外の警察に多数の採用実績があるウェアラブルカメラの実機も展示する予定で、撮影したフルHDの高画質映像や揺れ補正機能が確認できる。

アキレス

(東京都新宿区、日景一郎社長)は、被災地で役立つエアーテントやレスキューボートなどの災害対策製品を展示。シューズメーカーの同社は防災事業の拡大を図っており、21年には防災販売部を新設した。救命隊員の支援ツールや避難者の安全を確保する製品の開発に取り組んでいる。

トーヨーセフティー

(兵庫県三木市、東孝次代表取締役)は、安全保護具メーカーとして防災用の折りたたみヘルメット3種類や有事に向けて備えたい安全用品を展示する。

クマヒラ

(東京都中央区、渡邉秀隆社長)が出展。液体検査が可能な「ハンディ型液体検査装置LSR―HN1」はバッテリー式で軽量。ペットボトルなどの容器に入った爆発物・可燃物を蓋を開けずに検知する。監視カメラ画像から人の動き・物体を自動検出する「AI画像解析システム」、複数通路の近距離での並列設置ができる「パネル型金属探知器MDR―E」グッドデザイン賞を受賞したセキュリティーゲート「セクターゲート」なども展示する。

防犯・防災の専門家が講師を務めるセミナーは、会議棟と特設ステージで合計47セッションが行われる。「小型無人ドローンのレベル4解禁」「サイバーセキュリティーリスクの把握」「首都直下地震の減災の取り組み」など、興味深いテーマが数多い。

国内唯一のテロ対策展である「テロ対策特殊装備展」は、今年で16回目の開催。警察・消防・自衛隊などの治安関係者や自治体・重要インフラ関係者などに来場を限定するクローズドショーだ。出展する企業・団体は76で、昨年より28多い。最新のテロ対策資機材が多数展示し、2025年の「大阪・関西万博」に向けたハード・ソフト両面のセキュリティー技術も紹介する。

オプテックス

(滋賀県大津市、上村透社長)は各種センサーの開発・販売を主業務にしており、重要施設向けの侵入検知や入退出管理などの警戒・警備用セキュリティー機器を展示する。

帝金 

(大阪市中央区、大塚晴一郎社長)は車両突入テロ防止用の車止めを展示。同社は1966年に「バリカー上下式」という車止めを開発。商品名はバリケードとカーを合わせた造語で、今でも各地で採用されている。

大阪・関西万博会場が海に囲まれていることから「港湾警戒・水際対策」「ソフトターゲットテロ対策」「ロボット・ドローン活用」「CBRNE(シーバーン=化学・生物・放射性物質・核・爆発物)テロ対策」の4テーマを重点課題とした集中展示が行われる。

特設ステージでは、関係機関による12セッションの専門セミナーを実施。「2023年G7広島サミットと大阪・関西万博のリアル空間とサイバー空間のセキュリティー」と題した講演もあり、関心を集めそうだ。

セキュリティー

(岐阜市、幾田弘文会長)がテロ対策特殊装備展に16回目の出展を予定している。ブースで展示を予定しているのは次の機材だ。

ポータブル式ゲート型金属探知機「Mスコープ」 金属探知機の需要が増えている中で、運搬や設置などが容易なゲートとして注目されている。

赤外線水中カメラシステム「ダークウォータービジョン」 陸上空間とは比較にならないほど視界が悪い水中の視界確保が可能なカメラシステム。透明度が低い水中での捜索、救難活動や作業などを補助することが可能だ。

メタバースにおける「VR戦術用交戦シミュレーションシステム」 対戦訓練や戦闘シミュレーションにおいてメタバース(3次元の仮想空間)を構築し、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、MR(複合現実)、AIを活用したものになりつつある。ブースではVR BOXで体験できる。

発射型拘束用具「ボララップ」 逃走する不審者、凶器を持って威嚇する者などから安全な距離を保持したままで、対象者を拘束できる画期的な製品。既に40以上の国の治安機関で採用が進むなど、運用実績が豊富だ。

田中敏郎東京支社長の話 海外では侵略戦争、国内では前代未聞の銃撃事件、日本周辺では軍事的緊張と、さまざまな危機が起きています。国民一人ひとりが安全の確保を真剣に考える時期に来ていると思います。当社は優れた機材の発掘や開発、そして提案活動を関係当局に行い要望も伺いながら、国内の治安維持、テロ対策の一助となれるよう今後も活動していきます。