クローズUP
師走の交通事故防止2023.12.21
兵庫警協青年部会警察と街頭キャンペーン
兵庫県警備業協会青年部会(村岡孝一部会長=エースガード)は12月1日、JR三ノ宮駅(神戸市中央区)の中央口や東口コンコースで「年末の交通事故防止運動」街頭キャンペーンを葺合(ふきあい)警察署と合同で行った。
交通安全啓発や防犯広報などに取り組む同青年部会の安全推進委員会・角谷直樹委員長(ポート産業)ら10人と同署交通課員4人は、運動のスローガン「やさしさと笑顔で走る兵庫の道」と記されたチラシやポケットティッシュ、マスクケースのセットを駅の利用者などに手渡した。
交通事故発生は例年12月がピーク。兵庫県では運動の重点として▽歩行者は夜間に反射材を着用▽運転者は早め(午後4時)にライト点灯▽自転車のヘルメット着用――などを呼び掛ける。
青年部会員は「兵庫県警備業協会・地域の安全安心を守る」と染め抜いたのぼり旗を掲げて活動。角谷委員長は「警察官や地域の方々と連携する活動は、良い経験となります。継続が大切だと思っています」と述べた。
年末の下請代金、現金で2023.12.21
経産省・公取委が要請
経済産業省と公正取引委員会は12月8日、大臣と委員長の連名で「下請取引の適正化」を関係事業者約1700団体に文書で要請した。下請事業者が年末の資金繰りに支障を来すことのないよう、親事業者が下請代金を早期に、可能な限り現金で支払うことが必要とし、親事業者への働き掛けを求めた。
全国警備業協会(中山泰男会長)は同日、要請内容を都道府県警備業協会に文書で通知した。
「連名」の要請文書では下請事業者の資金繰りに関し、エネルギー価格や原材料費の高騰が長期化するなか、資金需要の高まる年末に一層厳しさを増すことが懸念されると指摘。
下請法による「親事業者の遵守すべき事項」の周知徹底を、関係団体の代表に要請した。
同事項では、「注文書の交付・保存」など2項目の義務や、「下請代金の支払い遅延」「買いたたき」「報復措置」「割引困難な手形の交付」など11項目の禁止行為を明記している。
「転倒」が大幅増2023.12.21
厚労省死傷労働災害調査
厚生労働省の調査によれば、2023年1月〜11月に全国で発生した警備業の死傷労働災害(死亡と休業4日以上)は前年比11.3%増(全業種計は2.5%増)で、主要業種では増加率ワースト1位となっていることが分かった(12月7日現在)。
警備業で特に多いのが「転倒災害」による骨折などのけが。22年は死傷災害の約40%(全業種平均は26%)を占めたが、23年は件数で前年同期比121件増、全死傷災害に占める割合は同2.8ポイント増の約43%と増加傾向にある。
同省の分析では、警備業で特徴的なのが「男性の転倒災害が多いこと」。全業種平均では22年の男性の転倒災害発生率は労働者1000人当たり約0.48件だったのに対し、警備業は同1.25件で約2.6倍だった。23年は警備業で50歳以上の男性を中心に転倒災害が大きく増加している。
同省は「“転倒”というと軽微な災害であるかのような誤解が広がっているが、転倒災害による平均休業見込み日数は約48日(22年)」と指摘。特に積雪や凍結による転倒災害多発期を迎え、警備業での転倒災害防止への取り組み強化を呼び掛けている。
増収66社回復傾向続く2023.12.21
本紙売上高調査
本紙は、2023年の警備各社の売上高を独自調査した。上位100社のうち、66社が前年比で増収となり、昨年の73社からは微減した。
上位10社に限ると、6社が昨年に比べ売上高が増加し、10社の合計は約8896億円で、昨年(9026億円)より130億円減少となった。「東京2020大会」関連の反動、新型コロナ関連の臨時警備の減少などが影を落としたとみられる。
11社〜100社までの90社の売上高合計は5724億円にのぼり、昨年(5605億円)に比べ、119億円増加した。長期化したコロナ禍による痛手から警備業の回復傾向は続いている。経済・社会活動の再開に伴ってイベント警備の需要は復調。施設警備、空港保安警備も人流の増加を受けて需要は戻り、交通誘導警備業務は底堅いニーズがある。
警備業今年のニュース102023.12.21
人手不足が続く警備業界。警備員数が減少へ転じたことに、全国警備業協会は危機感を強めた。広報プロジェクトを立ち上げ、魅力発信に注力する。一方、公共工事設計労務単価で「警備員A」が全職種中、最大の伸び率となったことは明るい材料。賃上げや労働環境の改善が進み、人材確保につながることが期待される。今年も警協の青年部会、女性部会の動きが活発で新たな展開も見られた。
セコム創業者 飯田亮氏死去
日本初の警備会社を設立し、全国警備業協会の初代会長を務めた飯田亮(いいだ・まこと)氏が1月7日、心不全のため死去した。89歳だった。
飯田氏は1962年、日本警備保障(現・セコム)を設立し、代表取締役社長に就任。64年の東京五輪では選手村警備を同社単独で担当した。81年に国内初の家庭用安全システム(セコム・ホームセキュリティ)を発売するなど機械警備の先鞭をつけた。
業界活動では、全警協の会長を23年間務め、警備業務の適正化や警備員教育の質向上などに尽力した。
政府は2月3日、飯田氏に旭日重光章を贈ることを閣議決定した。警備業関係者では初。
初の警備業慰霊祭 殉職者の冥福祈る
全国警備業協会は2月22日、初の「全国警備業殉職者慰霊祭」(2022年度)を東京都内で執り行った。労働災害で亡くなった警備員の遺族、会社関係者や都道府県警備業協会の会長ら約80人が参列。殉職警備員の冥福を祈り、献花した。
慰霊祭は、昨年の全警協創立50周年を契機に事業化。19年度から21年度に労災認定を受け、合祀に遺族が同意した21人の名簿を祭壇に奉納した。
来賓の警察庁長官、全警協の労務委員長、殉職警備員の勤務先代表が順次、「追悼の辞」を述べた。
23年度の慰霊祭は11月2日、都内で行われた。14〜18年度と22年度に労災認定を受け、合祀に遺族が同意した18人を新たに祀った。
警備員数が減少 業者は過去最多
警察庁は6月30日、2022年12月末現在の「警備業の概況」を公表した。警備員数は前年比7824人減の58万2114人となり、8年ぶりに減少へ転じた。女性警備員は441人減の3万9371人だった。
警備員の年齢層は「50〜59歳」が最も多く、全体の19.5%。次いで「70歳以上」(19.2%)、「40〜49歳」(14.7%)となった。
前年比で70歳以上が1.3ポイント増加した一方、40歳未満は0.7ポイント減少し、高齢化が進んでいる実態が明らかになった。
警備業法第4条に基づく認定業者「4条業者」は1万524社。前年に比べ165社増え、過去最多を更新した。
警備員数100人未満の会社が9割を占めた。
広報PT初会議 人材確保へ始動
全国警備業協会は10月5日、「広報プロジェクトチーム(PT)会議」を初めて開いた。警備業の魅力を業界内外へ積極的に発信し、深刻さを増す人手不足の解消につなげることなどが目的。全国7地区警備業協会連合会と北海道・東京地区から推薦された、都道府県警協の青年部会長らが出席した。
「われわれのミッションは何か。誰に何をどのように広報するか。明確にする必要がある」「警備員は教育を受けて業務に就く。専門性が求められる仕事であることを社会に理解してもらうことが必要」。東京都内で開かれた初会議では、そうした声が上がった。
来年1月に広報の専門家を講師とするセミナーを開き、2月に今後の活動案を固める。
高齢者活躍推進 新ガイドライン
全国警備業協会と警備業高齢者雇用推進委員会は「警備業高齢者の活躍に向けたガイドライン」を作った。11月21日、普及セミナーをウェブで開いた。
両者は2010年に「警備業高齢者雇用推進ガイドライン」を作ったが、高齢化の進行を踏まえて新たに策定。全警協の加盟企業、従業員を対象に行った調査の結果を反映させた。
▽高齢者と企業が互いの意向をすり合わせる▽高齢者の強みを社内、発注者に周知する――などを指針に掲げている。
警備員Aの単価 最大の伸び率に
国土交通省は2月14日、3月から適用する「公共工事設計労務単価」を公表した。交通誘導警備員の新単価(全国加重平均)は、1級または2級検定合格の「警備員A」が前年度比7.1%増の1万5967円、「警備員B」が同6.3%増の1万3814円。警備員Aは全51職種中で最大の伸び率となり、「軽作業員」(1万5874円)を初めて上回った。都道府県別では、警備員Aの最高は東京。1万7900円となった。神奈川1万7800円、愛知1万7600円が続いた。最も低いのは高知、沖縄の1万3600円。
国交省は新単価決定に当たり、最近の労働市場の実勢価格や時間外労働時間の短縮に必要な費用などを反映させた。
「最賃」過去最高 平均1004円
10月に適用された新最低賃金。全国加重平均額が1004円となった。前年度比43円増で平均額、引き上げ額は過去最高。
最賃をめぐっては、中央最低賃金審議会が従来の4区分から3区分への見直しを行い、目安額として41円、40円、39円を提示。各地方審議会では目安額を上回る引き上げが相次いだ。
最賃の最高額は東京の1113円。1000円台に5府県が加わり、計8都府県となった。
16県が800円台から900円台となり、最低額は岩手の893円。
青年部会長等会議 初開催し行動宣言
全国警備業協会は3月6日、初の「全国青年部会長等会議」を東京都内で開いた。都道府県警協の青年部会(39部会)に加え、女性部会(4部会)がオブザーバーとして参加。「全国青年部会行動宣言」を採択した。
宣言は▽常に時代の最先端に立ち、柔軟な発想と情熱をもって、警備業界の発展に率先して尽力する▽全国の青年部会の仲間と連携を強め、切磋琢磨し、自由闊達な意見交換を通じ、警備業の将来あるべき姿を追求する▽警備業の魅力を内外に発信していく中心的役割を担う――からなる。
会議では7府県警協の青年部会長が社会貢献活動や研修会、警備員の事故防止啓発動画の配信、交通誘導警備のAI活用実験などについて発表した。
活動が本格化 青年・女性部会
「四国地区警備業青年部会協議会(連絡会)」が11月9日、発足した。四国地区警備業協会連合会内の4県青年部会が連携して活動するもので、こうした協議会は全国初となった。
発足のきっかけは、青年部会が四国地区で唯一未設置だった高知県で10月に設置され、4県の部会長が一堂に会したこと。その際に、「ビジョンの共有ができた」「今後も定期的に集まりたい」との声が上がり、発足に至った。協議会は4県持ち回りで開くという。
全国初の“地区連青年部会”として昨年発足した「関東地区警備業協会連合会青年部会」は6月、茨城県で部会長会議を開き、活動を本格化させた。
一方、北海道警備業協会の女性部会「木蓮会」が10月1日に発足した。道内では女性警備員が増加傾向にあり、警備業の発展に向けて新たな視点で活動する。警協女性部会は大阪、東京、福岡、岐阜に続いて5番目となった。
青森・柿﨑氏に叙勲 警備業から35人目
秋の叙勲で、青森県警備業協会会長の柿﨑忠雄氏(青森綜合警備保障)が旭日双光章を受章した。警備業からの受章は35人目。柿﨑氏は2003年、青森警協の会長(第5代)に就任し、現在に至る。