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クローズUP

東京警協「すみれ会」研修会2023.10.11

資格持つ女性警備員訓練、討論、発表

東京都警備業協会(村井豪会長)の女性部会「すみれ会」(五十嵐和代部会長=五十嵐商会)は9月29日、「女性資格者のブラッシュアップ研修会」を協会内で開催した。25人の参加者は特別講習講師による実技訓練を受けた後、「届け!女性警備員の声」と題し、討論と意見発表を行った(別項)。

東京警協女性部会は、発足時から「女性警備員のスキルアップ」を活動目的の一つに掲げる。今回、取り組みの一環として全国警備業協会の技術研究専門部員・中村明美氏(宮城警協特別講習講師、シムックス)を講師に招き、参加者の技能向上を図った。

参加したのは各種資格(指導教育責任者1・2号、施設・交通・雑踏の各警備業務1・2級、空港保安2級)を複数、または1つ持つ会員企業の女性警備員25人。

五十嵐部会長は開講式のあいさつで「警備業の需要が高まる中で、今まで以上に“女性の感性”は必要とされている。女性警備員が感性を生かし活躍できる土壌づくりを一層進めなければならない。女性の資格者がさらに増えて能力を発揮することが業界発展につながると考えます」と述べた。

参加者は(1)基本動作訓練(2)負傷者の搬送要領(3)護身術(警戒杖・徒手)の実技訓練に取り組んだ。技能を磨くとともに社内で教育指導を行う際に留意すべき点についても学んだ。

東京警協・深見大介主任講師(第一総合警備保障)、鈴木知実講師(全警協技術研究専門部員、MMS)、小久保友仁講師(シンテイ警備)が中村講師とともに指導を行った。

「誰もが輝ける警備業界」

25人の有資格女性警備員は、3班に分かれて討議し、次のような意見発表を行った(要旨)。

「女性警備員は“男性と同じ業務はできない”との見方をされることや、男性警備員やお客さまから高圧的な態度をとられる場合もある。定着促進に向けて、出産後も勤務を続けられる体制が広がることが必要です。男女ともに活躍している業界だと社会から認知されるよう業務に取り組みたい」(第1班・9人)。

「更衣室やトイレの確保、警備現場のハラスメント問題は、女性に限らず男性も直面しており、誰もが長く働けるよう改善の取り組みは大切です。『資格を取得したい』とキャリアップを考えている女性警備員は多いと思う」(第2班・8人)。

「女性管理職が少ない中で、上司に相談しやすい社内環境を整えてほしい。契約先に女性警備員の存在感を積極的にアピールすることも大事だと思う。男性も女性も輝くことのできる警備業界であってほしい」(第3班・8人)。

全警協「技研部員」が講演

東京警協の研修会で実技訓練に先立ち、中村講師は「カラフルなセキュリティ・やさしく始める指導と教育」と題し講演した。

交通誘導警備に従事した際、通行人の言葉に“警備員は社会の認知度が低い”と実感、警備員の地位向上をめざし特別講習講師として活動してきたと述べた。

特別講習講師は全国で901人、うち女性は40人であると述べ、「講師や指導者になる目標を持つとスキルアップの意欲は高まります。女性の指導者が増えることで女性警備員の活躍は広がると思う」と強調した。

教育、指導を効果的に行うポイントを解説。話の中にデータや体験談を交えることは“記憶に残る伝え方”につながるとし、「質問しやすい雰囲気づくりを心掛けコミュニケーションを促進すると信頼関係が生まれ、意欲を引き出すことに結び付きます」と語った。

全警協「BCP」ひな形を作成2023.10.11

計画策定・運用の参考に

全国警備業協会は、警備会社向けの「事業継続計画」(BCP)のひな形を作成した。加盟員への周知を図り、同計画の策定・運用の参考にしてもらう。BCPは、企業が自然災害やテロ攻撃など緊急事態に遭遇した際に、事業継続、早期復旧のために行うべきことや、平常時における備えをあらかじめ整理して取り決めておくもの。

ひな形は、中小企業庁の中小企業BCP策定運用方針に基づいて作成したもので、ライフラインの復旧に3日間を要する自然災害を想定した。

全警協は「いつ、だれが、何をするかを明確に記載することで、緊急事態に陥っても、実施するタイミング、実施担当者、実施すべき事項が明確になるようにした」としている。加盟員の相談にのり、必要な支援を行う方針。

特集ワイド 警備会社のSDGs2023.10.11

「SDGs」に取り組む警備業者は増えている。社会貢献や環境保護にとどまらず、質の高い教育、処遇改善、女性の活躍推進、健康管理もSDGsに含まれ、警備業の課題と重なる。企業が自治体サイトなどでSDGsを宣言・実践することは、イメージアップにもつながるものだ。警備各社の取り組みを取材した。

美警

地域の児童が健やかに 安全な”居場所づくり”

(北海道釧路市三上葉月社長)

釧路市が今年度内に設立を予定する「子どもの孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム(仮称)」に参加し、地域の児童が健やかに暮らせるよう安全や学習支援などの活動に取り組んでいる。

不登校などの問題を抱える児童・生徒への対応が社会の課題となる中、同社は2021年から行政と連携し、“子どもたちの安全な居場所づくり”に協力。毎月2回、土曜日に児童10人以上が参加する体験学習会、交通安全教室、書道教室、食事会や季節のイベントなどを開いてきた。

三上社長は「地域に根ざして安全安心を守るために、警備業務による事件事故の防止に加えて“地域の未来を支える子どもたち”が安心して過ごせる居場所の中で自己肯定感を育んでいくことも重要だと考えています。社員教育や健康増進に力を注ぎ、誰もが安心して暮らせる地域社会づくりを念頭にSDGsの取り組みをさらに広げたい」と述べた。

同社は、警備員の制服をリサイクルする活動も進めている。地元で縫製を行う協力者が、従来は廃棄された使用済み制服の素材を再利用。制服は、防災頭巾や座布団、交通誘導警備で使用する誘導灯や手旗の「収納袋」に生まれ変わっている。

同社の工藤直弘専務取締役は「防災頭巾は、近隣の学校や地域の方々への配布を提案しています。誘導灯を専用の袋に入れることは、資機材を大切に扱う心構えにつながるものです」と話している。

アイビックス

ジェンダー平等実現 PT、女性社員で構成

(福井市吉田保裕社長)

SDGsの「ジェンダー平等の実現」を踏まえ、女性が今まで以上に活躍できる職場環境づくりを目的に、女性社員で構成するプロジェクトチーム(PT)を2021年に立ち上げた。

名称は「KUSUNOKI」(くすのき)、大きく成長する「くすの木」にちなみ、アイビックスの“キープレイヤーたち”の意味も込めた。メンバーは任期性で現在は9人、「時代に沿った柔軟で働きやすい環境づくり」を今期のテーマに掲げ、毎月会議を開催。今夏は、事務職の女性社員70人余りを対象にアンケートを実施、職場についての意見や要望、「KUSUNOKI」に対する質問などを集めて、9月25日に発行した社内報で紹介している。

アンケートでは、子育てや介護などで「仕事と家庭の両立は大変と感じる」との声も多く寄せられた。これを受けてメンバー一同は「職場のストレスが少しでも解消され、誰もがいきいきと働き続けられる職場環境や社内制度の充実に向けて、議論と提案を行っていきたい」としている。

同社は福井県のSDGsパートナーに登録、通学路の見守り活動や海岸のプラスチックごみ回収も重ねている。

出羽警備

資格獲得9割めざす 健康優良社員を表彰

(秋田市宮田崇志社長)

今年3月、「秋田県SDGsパートナー」に登録した。県の公式サイトでは、同社の「SDGs宣言」が公開されている。

宣言では、重点取り組みとして▽人材育成▽地域への配慮▽従業員の健康増進――の3項目を掲げる。人材育成では、社員のうち資格者(警備業務検定や警備員指導教育責任者など)の割合が2022年は68.8%と伸びてきていることを示し「30年までに社員の有資格者の割合を9割以上にする」と表明。同社は、資格取得に伴って給与、待遇が向上するよう給与体系を整え、資格取得を後押ししている。

地域への配慮については「警備業務実施上の事故が21年0件、21年0件」として、事故ゼロの継続を打ち出す。

健康増進では、社内に「健康増進部」を設置。肥満の改善や生活習慣病の予防を呼び掛け、筋力トレーニングも推奨する。定期健康診断の結果などに応じ「健康優良社員」を表彰、21年は24人、22年は20人を表彰した。宣言では「表彰者を年25人以上に増やす」との目標を掲げている。

同社は9月1日に「秋田県版健康経営優良法人」に認定された。宮田社長は「社内の目標をSDGsにリンクさせ、県のサイトで公開することによって、会社一丸で取り組む意識、社員の意欲がより高まっています」と話した。

神姫警備保障

「再エネ利用」掲げて 太陽光発電所を設置

(兵庫県姫路市原田猛社長)

「姫路市SDGs宣言企業」として、取り組みの一つに「再生可能エネルギーの利用」を掲げ、太陽光発電事業を行っている。

同社は、2022年に姫路市内と赤穂郡上郡町内に太陽光発電所を設置。発電量は年間約43万7000キロワット時(kwh)で、一般的な家庭約38世帯分の電力に相当する。これに伴うCO2の削減量は年間約19万キログラムで、『植林』による効果で換算すると1万3571本分の植林効果が見込まれるという(1本あたりの年間CO2吸収量14キログラムで算出)。

また、同社の「機材センター」が9月30日に竣工した。今後、太陽光発電を利用してEV(電気自動車)用充電器を設置し、社用車46台を順次、ハイブリット車やEVに切り替える方針だ。

同社は「警備の仕事は社会貢献の一部だと認識しています。未来への取り組みも当社の使命です」としている。