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クローズUP

通行者、車両の誘導や消毒2023.04.11

埼玉警協、県と防疫協定結ぶ

埼玉県警備業協会(炭谷勝会長)は3月24日、埼玉県(大野元裕知事)と鳥インフルエンザが発生した場合などの緊急対策に関する基本協定を結んだ。協定の正式名称は「口蹄疫等家畜伝染病発生時における緊急対策に関する基本協定書」。

協定に基づく業務内容は、県内で鳥インフルや口蹄疫が発生した際に、(1)県が行う緊急対策に必要な農場周辺での通行者・車両などの誘導と消毒(2)県が実施する緊急対策業務に必要な車両の消毒(3)県が緊急に必要と認める、これら業務に付随した業務――の3項目。

県が緊急対策業務に埼玉警協の協力が必要と認めた際は、協会は加盟社と調整を行い、事前に登録していた加盟社の中から協力可能な加盟社を選定。県が指定する場所・時間に警備員を出動させる。

同業務に必要な機材は原則、県が確保する。また、必要な経費は、県が負担。協定書には「同地域において同種作業に通常必要とされる費用の額を基準とし、県と加盟社が協議の上決定する」と明記した。

ALSOK支社が指定幹事社に

これまで県内で口蹄疫や鳥インフルなどが発生した際は、県の職員が対応してきた。昨年末に発生した鳥インフルでも県が全庁を挙げて鳥の処分や消毒などを実施。このため県では、同業務の民間業者への委託を検討していたようだ。

これを受け、グループ会社に防疫業務の部署・経験・ノウハウを有するALSOK埼玉南支社(さいたま市浦和区)が防疫業務での交通誘導警備に関する協定締結を県に働き掛け。県からは埼玉警協を中心とした協定締結が打診された。

県と埼玉警協は、これまでの経緯を踏まえ、ALSOK埼玉南支社を協定の「指定幹事会社」に指定。同社は協会に登録された加盟社の緊急業務への参加の可否を取りまとめるとともに、県との「連絡・調整」や警備業認定のない埼玉警協では不可能な「契約」、現場での緊急対策業務に従事する。

埼玉警協は今後、全加盟社に緊急業務可能会社の募集を行うとともに、消毒業務に関する研修会なども開催する予定だ。

全警協、ウェブセミナー実施2023.04.11

国交省調査、適正な記入へ

全国警備業協会(中山泰男会長)は3月29日、都内のホテルで「2022年度第5回理事会」を開催した。

理事会では23年度の事業計画案と収支予算案、活動報告を行った。事業計画案のポイントは大きく3点あった。

まず警備業務適正化と経営基盤強化に向けた施策として「建築保全業務労務単価」と「公共工事設計労務単価」の調査に関するウェブセミナーを実施する。セミナーの講師は、全警協警備業務適正化小委員会委員が担当する。国土交通省が労務単価策定の参考とするため警備会社に依頼する調査表の適正な記入方法についてレクチャーを行う。

次に全警協内にデジタル化推進チームを編成し警備業界のデジタル化を進める。デジタル臨時行政調査会の動向を踏まえ、「警備員指導教育責任者制度」「警備員の検定制度」「特別講習制度」など教育事業のデジタル化に関する検討部会を教育委員会に設置し、警察庁と協議しながら警備業界の意見をまとめる。

3点目として、警備業界の魅力を内外に発信する広報活動のためのプロジェクトチームを編成、検討を行う。マスコットキャラクターの着ぐるみを活用したイベント活動などは、都道府県協会の青年部会が中心的役割を担うことが期待される。

特集ワイド 夏オススメ警備服2023.04.11

夏は警備員にとって厳しい労働環境となる。熱中症の危険から身を守り警備の質を高く保つために、機能性に富む警備服が求められる。業界の課題である人材確保、イメージアップのためにデザインも重要だ。警備服メーカーを代表して金星、ベスト、セフティ繊維の3社による、この夏オススメの警備服を紹介する。

各メーカーの春夏用警備服は、最新テクノロジーを採用した機能性と、従来のイメージを超えた斬新なデザインで、思わず「着てみたくなる」新作が出そろった。そこには各社の企業理念が深く反映されている。

金星

金星(東京都千代田区、石井一史社長)は今年、春夏用の警備服の新作を数多く販売開始した。

1号警備用の「GSS476t夏長袖カッター(ライラック×ダークネイビー、5400〜5700円税別・以下同)」と「GSP455 夏アジャスタズボン(ダークネイビー、5500〜5800円)」は共に、爽やかな肌触りで高級感のある生地を使用し、スッキリとした印象のシルエットが特長。通気性とストレッチ性が高く、動きやすく快適な着心地を実現する。

GSS476t夏長袖カッターは、汚れの付きやすい首元と袖口に濃色生地を使用し、意匠性と機能性を両立させている(襟・肩章部分のデザインで意匠権を取得)。

2号警備用の「NSB354t夏ブルゾン(ネイビー×ブラック、4900円〜5200円)」は、ネイビーをベースに全体的に落ち着いた配色。全体のイメージが重くなりすぎるのを防ぐため、ファスナースライダーと肩章はホワイトを採用。高通気全方向ストレッチ生地を使用し、涼しく動きやすい。ロールアップ仕様で、現場に合わせて使い分けが可能だ。

2号警備用の「NSP354g 夏カーゴズボン(ネイビー、4600〜4900円)」は、ブルゾンのメイン生地に合わせた配色を採用。高通気全方向ストレッチ生地を使用し、動きやすく快適だ。裾アジャスター付きで、裾の調整が可能。ウエスト脇ゴム仕様で、着用時にフィットしやすい。センターステッチを施しており、カジュアルになりすぎない。

ベスト

ベスト(東京都文京区、久保達也社長)は今年、「警備服を一歩先へ」をテーマに、新シリーズ「G―Best Advance(アドバンス=進歩)」を展開する。

1号警備向けに、GA119ユニセックスのニットチェックシャツ(ブラック、5400円)、2号警備向けには、GA010ユニセックスシャツシリーズ(3色展開=スモーキーブルー×ネイビー、サックス×チャコール、ダークブラウン×カーキ、5500円)を販売開始した。

どちらも幅広い年代に似合う洗練されたデザイン性だけでなく、ニットならではの柔らかな肌あたりや軽量・高通気、動きやすい仕様にもこだわり、身体への負担を軽減し快適に作業できるように設計されてある。

開発マーケティング課・染谷和秀課長は「近年、業界の課題として若年層や女性の確保が挙げられています。GA119は新たな視点でデザインを考えつつ、重厚感のあるブラックを使用する事でチェック柄でも幅広い年代で着用してもらえるように堅実さと柔らかさを両立させました」

「GA010シリーズは、従来の警備服のデザインの延長線にありますが、これまでにない『切替』のデザインを採用し引き締まった印象を演出しています」と説明する。

セフティ繊維

セフティ繊維(東京都台東区、武田昌雄社長)は、1号警備用にシャツ「グランホワイトツートン長袖ボタンダウンシャツ」(5200〜5720円)とスラックス「グランネイビー夏スラックス」(4500〜4950円)を販売中だ。

どちらも猛暑対策をコンセプトにした警備服で「校倉あぜくら造り」と呼ばれる特殊な立体構造織の生地を使用することで高い通気性と速乾性を実現した。熱がこもらず肌離れの良い爽快な着心地を感じることができる。 

2号警備用で、熱中症対策に効果をもたらす「セフティAIRベストPro」(5800〜6380円)は、ベスト型の同社オリジナル空調ウエア。ファンを上方(背中)に配置することや、襟元に風が抜ける筒状のスペーサー2本を背中に内蔵することで、身体各所への風抜け効果がアップした。反射テープを取り付け夜間の安全性も確保している。カラーはターコイズブルー、ネイビーの2色。空調ファンユニットは別売りとなる。