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クローズUP

2024新会長 宮崎・末益氏2024.07.01

宮崎警協

宮崎県警備業協会の定時総会は6月14日、宮崎市で行われた。福田保会長(九州ガードシステム)が退任し、末益秋仁氏(セコム宮崎)が新会長に就任した。

福田前会長は業界最大の課題として人手不足を挙げ、「改善するための一番の方策は、警備員の給与を上げることです」と指摘。「経営者が一致団結して適正な警備料金を確保することによって、全ての会員が安定した経営ができる。経営安定により警備員の給与を上げ、魅力ある警備業を作ることができる」と述べた。

末益新会長は、地元新聞の記事『宮崎県の警備業の有効求人倍率7倍』を紹介。「あらためて人手不足の解消が喫緊の課題と実感しました。円安や物価高騰など警備業を取り巻く環境は厳しさを増している」と現状認識を示した。「警備業の使命や役割を世の中にアピールし、適正な価格設定を求める。役員は重責を肝に銘じ、警備業界発展のために一丸となって取り組んでいく」と、抱負を語った。

新役員は次の通り(敬称略)。

【会長】末益秋仁 58歳。茨城県出身。1995年セコム入社。2013年同東関東本部千葉統轄支社統轄支社長。20年九州本部営業部長。21年兵庫本部営業部長。22年セコム宮崎代表取締役社長。同年宮崎警協副会長。

【副会長】黒木賢一郎(南日本警備保障)【専務理事】川野勇造(宮崎警協)【理事】齊藤総一郎(宮崎綜合警備)、新留千賀子(第一警備保障)、伊吹武(企業警備保障)【相談役】福田保(九州ガードシステム)

骨太方針に「警備業」明記2024.07.01

賃上げ、価格転嫁後押し

政府が6月21日に決定した「経済財政運営と改革の基本方針2024(骨太の方針)」に、初めて警備業に関する事項が盛り込まれた。

警備業に触れたのは、全53頁の方針全文で2か所。「賃上げの促進」の項目の中で「警備業での賃上げに向けて、同業種の自主行動計画の改定を求めること等により、労務費の価格転嫁を進める」、「価格転嫁対策」の項目で「(役務調達としてのビルメンテナンス及び警備を含む)官公需について、労務費等の価格転嫁徹底を目的とした期中の契約変更等に対応するため、必要な予算を確保する。最低制限価格制度等の適切な活用を促進する」と、それぞれ明記した。

骨太方針は、首相をトップとする経済財政諮問会議で決定。これから年末にかけて議論する次年度予算案や経済財政運営に対する基本姿勢を示す文書で、政府は最優先事項として対応することとなる。

今回、警備業の賃上げに向けた価格転嫁や、これに必要な予算確保、最低制限価格制度が盛り込まれたことで、警備業のこれら取り組みに大きな弾みがつくことが期待される。

骨太方針への警備業明記に当たっては、全国警備業連盟(青山幸恭理事長)が、内閣府などの関係府省庁や自民・公明両与党などに働き掛けを行い、実現に至った。

元警察署長が交通誘導警備2024.07.01

珠洲市内の復旧工事

能登半島地震により被災した石川県珠洲市内の復旧工事現場で、元・珠洲警察署長が交通誘導警備に立った――。トスネット北陸(金沢市、大家守男社長)に勤務する中嶋道行さん(66)は、2月中旬から4月末にかけて水道復旧工事の交通誘導警備を行った。

中嶋さんは2014年3月から2年間、珠洲署長を務めた。警察官を退職して同社に入社、警備部長を務めている。

水道復旧工事の警備員が不足する中、「お世話になった珠洲の方々のために少しでも恩返しできれば」と現地に向かった中嶋さん。「避難所の皆さんが水を待ち望む切実な声を聞きながら、工事現場の安全を守りました。大家社長はじめ当社全員が『被災地で警備業としてできる限りのことを行う』との思いを共有して業務に取り組んでいます」と語った。

寄稿 全国安全週間を迎えて2024.07.01

全国安全週間(7月1日〜7日)を迎え、厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課・小沼宏治課長に警備業の労災防止対策について寄稿してもらった。

全国安全週間は、1928(昭和3)年に初めて実施されて以来、「人命尊重」という基本理念の下、「産業界での自主的な労働災害防止活動を推進し、広く一般の安全意識の高揚と安全活動の定着を図ること」を目的に、これまで一度も中断することなく続けられ、今年で97回目を迎えました。

この間、事業場においては、労使が協調して、労働災害防止に向け、たゆまぬ取り組みを展開してこられました。この努力により、2023(令和5)年の労働災害による死亡災害は、新型コロナウイルス感染症によるものを除いて755件と過去最少となりました。一方、近年増加傾向となっている休業4日以上の死傷災害は、13万5371件と22年を上回っています。

このような状況の中、労働災害を少しでも減らし、労働者一人ひとりが安全に働くことができる職場環境を築くためには、23年3月策定の「第14次労働災害防止計画」に基づく施策を着実に推進するための不断の努力が必要であり、計画年次2年目となる24年度においては、労使一丸となった取り組みが求められます。

以上を踏まえ、更なる労働災害の減少を図る観点から、24年度の全国安全週間のスローガンは「危険に気付くあなたの目 そして摘み取る危険の芽 みんなで築く職場の安全」としました。

初めて警備業に携わる方などは特に、職場は安全が確保されているという思い込みがあったり、危険に対する認識や、どのような行動が危険なのかを理解せず作業に当たり被災するケースが多くみられます。経験を積んだ方も慣れや過信から、あるべき姿を逸脱する安易な行動がとられた結果、労働災害が発生するケースが少なくありません。この機会に改めて労使の皆さまで、職場や作業行動に潜んでいるかもしれない危険にそれぞれ目を向け、皆で危険な状態を是正し、無災害を実現していただきますようお願いいたします。

警備業における労働災害は近年増加傾向にあり、過去5年間で2割強もの増加となっていて、厚生労働省としても危機感を持っています。警備業においては「転倒」「交通事故」「動作の反動・無理な動作」による労働災害が多く発生していますが、中でも「転倒」(転倒による骨折等)は全体の約4割を占め、その件数は過去5年間で4割程度増と大きく増加しており、警備業全体の労働災害の増加の主要因となっています。

転倒災害は、加齢による筋力や平衡感覚等の身体機能の低下が大きな要因として指摘されており、事業者が労働者の方の身体機能の維持向上のための支援を行っていただくことも有効な対策となります。厚労省では「エイジフレンドリー補助金」により、中小企業事業者によるそのような取り組みに対して補助金を交付しておりますので、是非ご活用ください。

全国安全週間を契機に、事業者や労働者、発注者などの幅広い関係者が、職場における安全衛生を形成する当事者であるという意識を持ち、斉一的に安全活動に取り組む風土の醸成にご協力くださいますようお願い申し上げます。

特集ワイド 8警協 新任専務理事2024.07.01

2024年度、8道府県警備業協会で新たな専務理事が就任した。警備業界が諸課題に直面する中、課題克服の道筋を見据え、警協の“要(かなめ)”として各種事業の推進に取り組む8人の専務理事に抱負を聞いた。全国警備業協会の黒木慶英専務理事からは「歓迎メッセージ」が寄せられた。

北海道・森敏彦氏

◆昨年、事務局長として採用され、警備業界が抱える諸課題を克服するため会員企業や協会役員が奮闘している姿に接し、改めて専務理事の責任の重さを痛感しております。

先人の知恵と努力により、社会の変化やニーズに的確に対応してきたことで警備業が生活安全産業としての地位を確立してきた歴史を認識したところです。地域の特性や事情を踏まえ、新しい時代の一歩を意識して誰もが働きやすい環境を整え、業界の更なる健全な発展を目指して取り組んでいきたい。

千葉・木村義人氏

◆さまざまな施設や工事現場、祭礼や大規模イベントなど多岐にわたる場所で活躍している警備員の姿は、大変心強い存在であります。日常に密着したエッセンシャルワーク・生活安全産業として、今や国民県民の安全・安心を担う警備業界に寄せられる期待は、ますます高まっていることを実感しています。

警備業の需要が増す中にあって、喫緊の課題である警備員不足や処遇の改善などに真摯に取り組み、警備業界の地位向上、一層の発展に貢献してまいりたい。

京都・小浦克仁氏

◆京都府警察に在任中は、主に生活安全部門に在籍し、現職当時から警備業協会とも少しは接点がありましたが、いざ着任してみると当然のことながら全てが初めてのことばかりの新しい別世界。

何事にも前向きに取り組まれる会員の皆さまの姿勢に刺激を受けながら、日々、業務に取り組んでおります。

警備業に関する知識を向上させるのは当然のこと、協会と会員の良きパイプ役となり、円滑な協会運営に貢献できるよう専務理事として責任を全うしてまいります。

和歌山・得津卓志氏

◆警備業協会への就業の機会を賜り、感謝の気持ちで一杯です。協会で勤務することになってから、街中で警備に当たっている警備員の姿が目に留まるようになりました。一人ひとりの警備員が警察官と同じように、県民の当たり前の生活を支えてくれているんだということを再認識しています。警備業界の一員として、協会役員、各種講習講師、加盟員の方々とコミュニケーションをとりながら、警備業に対する理解を深め、何事にも前向きに取り組んでいく所存です。

島根・木島亨氏

◆昨年から協会で勤務しています。特別講習等での講師、受講生の真摯な取り組み、警備員指導教育責任者制度等業界の教育事業については、感心するとともに引き続き強力に推し進めなければならないと考えています。

深刻な警備員不足などの課題は多くありますが、協会役員をはじめ会員の皆さま方のご指導を受け、警備業の魅力を発信し、業界の健全な発展と微力でも公共の安全に寄与できることを目指し努めてまいりたいと思っておりますのでよろしくお願いします。

広島・新畑英樹氏

◆協会で働くようになり、とかく警備員の方が気になるようになりました。警察官を見ない日があっても警備員は毎日、見かけます。あらためて社会生活に密着した業界と感じました。また、特別講習に参加して、受講者の真剣さと情熱あふれる講師の方々を見るにつれ、警備業界の誇りと使命感に心打たれています。

一方、業界にも多くの課題があることを知り、一刻も早く、円滑に業務運営を進め業界の発展に貢献できるよう力を尽くしてまいります。

宮崎・川野勇造氏

◆警備業は、社会の安全や秩序を守る重要な役割を担っており、その責任と使命を改めて強く感じているところですが、警備業を取り巻く環境は、人員不足や賃金問題など簡単には解決しそうにない問題が山積みとなっています。

このような警備業を取り巻く環境に柔軟に対応し、協会役員をはじめ、各会員や関係機関等との連携を図るとともに、前向きな気持ちで努力しながら各種問題解決に臨み、警備業界の今後更なる発展のため努めていきたいと考えています。

鹿児島・徳輝男氏

◆縁あって警備業協会で勤務させていただき、業界が人手不足や職場環境などさまざまな課題を抱える中、現場では警備員の方々が日々警戒心をもって活躍される姿に、頭が下がる思いで目を向ける機会が増えています。

また、各種講習等では、講師方の機敏で気迫溢れる実技指導や真剣な眼差し、受講者の真剣な取り組み姿勢から内なる誇りと使命感を感じています。

さまざまな課題に対して、何をなすべきか熟考しつつ、微力ながら警備業の健全な発展に貢献したい。

全警協・黒木慶英専務理事

全国の新任専務理事の皆さま方におかれましては、専務理事ご就任、誠におめでとうございます。私からは、歓迎の挨拶を兼ねて各県警備業協会の専務理事として心掛けていただきたいことについて2点ほど申し上げたいと存じます。

第1点目は、「専務理事としての役割」についてであります。

協会の果たすべき最大の役割は、警備員の資質の向上を図ることによって、警備業の健全な発展を目指し、その結果として警備業の社会的地位を高めることであります。特別講習などの教育事業をはじめ、各種事業を的確に推進していくことが肝要であります。これら事業について、中心となって着実に実行していくことが、専務理事である皆さま方の最大の役割でもあります。現職時代に培われた知識・経験をもとに、強いリーダシップを発揮され、業界の更なる発展に向けてご尽力いただきたいと存じます。

第2点目は、「コミュニケーションの重要性」についてであります。

警備業界には、様々な問題が山積しており、警備業の健全な発展のためには、協会活動の一層の活性化が求められております。協会活動が活性化するか否かにつきましては、皆さま方専務理事の動き方一つにかかっていると言っても過言ではないかと存じます。各協会の会長をはじめとした役員、特別講習の講師、加盟員、事務局職員等とよくコミュニケーションをとっていただき、警備業に対する理解を深め、何事にも前向きに取り組んでいただきたいと存じます。

皆さま方におかれましては、縁あって、この業界に入ったわけでありますので、この縁を大切にしながら全警協とともに手を携えながら警備業の健全な発展に寄与していただくことを切に願っております。